ハンズオンとハンズオフの違いについて教えていただけますか?
- M&A全般
ハンズオンとハンズオフの違い
M&Aや投資による企業買収において、ハンズオンまたはハンズオフといった言葉を耳にすることがあります。
聞き慣れない専門用語だと感じる方が多いのではないかと思いますが、ここでは、ハンズオンとハンズオフの違いについて説明させていただきます。
企業買収において、ハンズオンとハンズオフは買収企業へのマネジメント方法を指します。
ハンズオンは積極的に買収先の経営へ関与する場合を指し、特に企業再生を目指すプライベートエクイティ投資のファンドによくみられる方法です。
ハンズオンのマネジメントにおいては、親会社から経営責任者を派遣して直接経営の主導権を握るといったことが行われます。
逆に、ハンズオフでは資金は提供しても経営には直接手を出さず、買収先の方針に任せるといったスタンスをとります。
ハンズオンとハンズオフのメリット・デメリット
対極的なマネジメント法であるハンズオンとハンズオフには、それぞれメリットとデメリットがあります。
ハンズオンにおける大きなメリットは、買収先の変革をスピーディにできるという点です。
特に経営状況の悪い企業の体質改善は早いほうが効果的であり、また、早く利益を出したい再生ファンドにおいては、このメリットを見込んでハンズオンが行われます。
逆にハンズオンのデメリットとして、買収先の社員との対立が起こりやすいという点があります。
これを防ぐためには買収先に明確な目標を示し、改善方針を浸透させて理解を得ておくことが必要となります。
一方で、ハンズオフのメリットは経営に手を出さないため、買収先との対立が起こりにくい点です。
しかし、デメリットとして変革のスピードが遅くなるため、ハンズオフはすぐに経営統合などを行わない場合に用いられます。
ハンズオフにおいては、買収先の経営陣としっかり意見を共有し、直接経営に携わらなくても同じ戦略で経営できるようにすることが求められます。