実際のコンサルティング事例
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お客様が抱えていた課題・要望
2代目社長が事業を引き継いでから順調に成長を遂げていましたが、財務面では大きな課題を抱えていました。前社長の時代に生じた1億1400万円の貸付金が銀行から問題視され、新たな融資が信用保証協会の保証付きでしか受けられない状況でした。また、売上の7割を1社の大口取引先に依存しており、この取引が停止すれば経営が大きく傾くリスクを抱えていました。
さらに、社内では将来の成長戦略として経営計画を作成していたものの、計画の実行に課題があり、具体的な財務改善策や資金繰りの管理、採用計画の見直しなどが必要とされていました。技術者の育成や離職率の低減も重要な課題であり、組織として持続的に成長するための仕組みづくりが求められていました。
具体的な相談内容
- 父親(前社長)への貸付金1億1400万円が銀行から問題視され、新規融資が信用保証協会の保証付きに制限されていた
- 1社依存体質で、経営リスクが高かった
- 経営計画を作っても、実行に移せない状態が続いていた
- 人材育成・採用計画の見直しが必要だった
ご相談企業様負債状況
- 前社長への貸付金:1億1400万円
- 銀行からの融資は信用保証協会の保証付きが前提
ご相談企業様情報
業種 |
: |
ソフトウェア開発業 |
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年商 |
: |
3億7000万円(相談当時) |
業績 |
: |
売上が半減し、経営リスクが増大 |
経営状況の問題点
- 銀行の信用低下による融資の制限
- 大口取引先1社への依存度が高く、取引停止のリスクがあった
- 社内の財務管理が不透明で、貸付金の処理が進んでいなかった
- 経営計画は作成していたが、実行されていなかった
根本的な経営課題
- 財務改善(貸付金の返済・資金繰りの見直し)
- 経営計画の実行力向上
- 1社依存の解消(新規取引先の開拓)
- 技術者の育成と離職率の低減
エクステンドの提案

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貸付金の削減:財務健全化と銀行評価の向上 |
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抱えていた1億1400万円の貸付金は、銀行からの評価を下げ、新規融資のハードルを高める要因となっていました。これを解決するために、不動産の売却と相殺処理、退職金の貸付金充当、株式の買い取りを実施し、3年間で貸付金を2800万円まで削減。
その後も継続的な改善を行い、最終的にゼロへと解消しました。これにより、財務の透明性が向上し、銀行からの信頼回復と新たな融資条件の改善につながりました。
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経営計画の策定と実行:実行可能な成長戦略の構築 |
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これまでは、短期的な損益計画は作成していたものの、実行力に欠けるという課題がありました。そこで、具体的な行動計画を含めた5年間の経営計画を策定し、売上拡大・コスト削減・資金繰り改善といった経営戦略を明確化。
特に、1社依存体質のリスクを軽減するため、新規取引先の開拓を強化し、M製作所以外の売上比率を向上させる計画を立てました。さらに、技術者の育成強化と営業部門の独立を実施し、社員のスキルアップと事業の持続的な成長を支える体制を整えました。
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個人向け販売の強化:BtoBからBtoCモデルへの転換 |
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従来の小売店経由の卸販売から、個人の教室運営者向けに直接販売するビジネスモデルへ移行を提案。
過去の取引先から個人教室のリストを取得し、DMやSNS広告を活用したターゲティング販売を実施。これにより、販売チャネルを多様化し、安定した売上基盤を構築。
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銀行対策の強化:低金利融資とプロパー融資の獲得 |
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財務改善と経営計画の策定を進める中で、銀行との関係強化も同時に行いました。まず、経営計画を銀行へ提出し、進捗を定期的に報告することで、銀行の評価を向上。
その結果、当初は信用保証協会の保証付き融資が前提だったものの、プロパー融資(保証なし融資)への切り替えが可能となり、低金利での資金調達が実現しました。また、銀行間で融資条件の競争を促し、金利1.375%の好条件での融資を獲得。さらに、今後のリスク管理として、借入金を5年間で月商の1ヶ月分まで圧縮し、財務基盤の安定化を図る計画を立てました。
コンサルの成果

貸付金の削減:財務改善と経営の健全化
前社長時代の1億1400万円の貸付金が財務リスクとなっていましたが、エクステンドのコンサルティングを通じて不動産売却・退職金の相殺・株式買い取りを実施。これにより3年で2800万円まで削減し、最終的にゼロにすることに成功しました。この改善により、決算書の信頼性が向上し、銀行からの資金調達力が強化されました。

銀行評価の向上:保証付き融資からプロパー融資へ移行
当初は信用保証協会の保証付き融資が前提となっていましたが、財務体質の改善と経営計画の提出により、銀行からの信頼を獲得。その結果、保証なしのプロパー融資への切り替えが実現し、さらに銀行間の競争を活用することで、低金利(1.375%)での融資を獲得しました。この銀行評価の向上により、安定的な資金調達が可能となり、今後の成長戦略を支える財務基盤が確立されました。

売上の成長:経営計画の実行による業績向上
リーマン・ショック後の影響で一時は売上が大幅に減少しましたが、エクステンドの支援による経営計画の策定・実行強化の結果、3年間で売上が3.7億円から4.3億円へ増加しました。特に、技術者のスキル向上による単価の引き上げと営業部門の独立による受注拡大が、売上成長の大きな要因となりました。

新規取引の開拓:1社依存体質からの脱却
従来はM製作所への売上依存度が7割と高く、経営リスクを抱えていましたが、新規取引先の開拓を積極的に推進。特に、自治体向けシステムの営業強化を行い、過去の実績を活かした提案で受注を獲得。これにより、M製作所以外の取引先を増やし、売上の多角化と経営リスクの分散を実現しました。

技術者育成:研修制度の充実と人材確保
ソフトウェア開発業では技術者のスキルと人数が業績を左右するため、研修制度を強化し、社員のスキルアップと定着率向上を図りました。また、新卒採用の強化と社内教育プログラムの充実により、37名だった技術者数を50名まで増員する計画を推進。これにより、労働生産性の向上と受注案件の拡大が可能となり、企業の競争力が向上しました。
コンサルタントの感想
元々優れた経営基盤を持つ企業でしたが、財務改善の遅れと経営計画の実行力不足が課題でした。エクステンドのコンサルティングを通じて、貸付金の削減と実行可能な経営計画の策定を行い、その結果、銀行からの評価が向上し、融資条件の改善が実現しました。
また、長年の課題であった1社依存体質の解消に向けた新規取引先の開拓にも着手。特に、自治体向けシステム開発の強みを活かした営業戦略が成功し、売上の多角化が進んでいます。
今後、さらなる経営の安定化と持続的な成長を実現するためには、定期的なモニタリングを継続し、経営計画の実行力を高めていくことが不可欠です。エクステンドでは、引き続き支援を行い、企業の発展をサポートしていきます。
エクステンドでは、経営者からの無料相談を受け付けています。財務改善したい、新たな資金調達を得たいや、返済・資金繰りが厳しいなどのお悩みでしたらお気軽にご相談ください。まずは下記バナーより「無料相談」をご利用ください。
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