事業再生における第二会社方式という手法について教えてください。
事業再生における会社分割と第二会社方式
「事業再生の方法として、第二会社方式というものを提案されたのですが、これは一体どのような方法ですか?」
先日、このようなご相談をお客様から受けました。
経営不振で事業が立ちいかなくなった場合、会社は事業再生の方法を探します。
このとき、スポンサーがいた場合はM&Aや事業譲渡などによって事業再生が行われますが、そうでないときは別の方法が必要です。
多くの場合、自社の優良事業だけを新設会社(第二会社)へ譲渡して事業再生を試み、残った不採算事業は精算する、会社分割を用いた方法が行われます。
しかし、この方法では新設会社に十分な資金を準備できないという難点や、会社分割を悪用した悪質な債権逃れが行われることが問題となっていました。
そこで新たに、この第二会社の設立を用いた事業再生において「中小企業事業承継再生計画」の認定を受けることで支援措置が受けられるようになり、この支援措置を用いた事業再生を「第二会社方式」と呼ぶようになったのです。
第二会社方式における事業再生支援
第二会社方式により受けられる支援措置は以下の3つです。
1つ目が、
営業上の許認可が必要な企業の場合、事業期間に空白が生じないよう第二会社へ旧会社の許認可を継承できる点です。
通常の会社分割では再度取得する必要があるため、許認可を継承できることは第二会社方式の大きなメリットです。
2つ目が、
第二会社の登録免許税や、移転された不動産取得税が軽減される点です。
3つ目が、
第二会社の事業取得費や設備費などの資金について金融支援が受けられる点です。
特に、会社分割による事業再生では第二会社の資金調達が難しいため、第二会社方式により金融支援を受けることで再生をスムーズに進めることができます。
このように、スポンサーがいない場合でも債権者の権利や地域の雇用が維持できるよう、第二会社方式による事業再生が支援されているのです。