銀行とのリスケ交渉で拒否されない方法とは?注意点やポイントを解説
融資を受けている銀行に対して、資金繰りに困ってリスケを依頼する際には、どのように交渉すればよいのでしょうか。拒否されない方法や注意点、リスケ時に押さえたいポイントなども知りたいところです。
ここでは、銀行とのリスケ交渉における注意点やポイントなどをわかりやすく解説しています。そもそもリスケとは?といった概要やメリット、デメリットについても紹介していますので、資金繰りが不安になった際の参考としてお役立てください。
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そもそもリスケとは?
リスケとは、英語のreschedule(リスケジュール)を略したもので「予定(日程)を変更する」という意味合いがあります。また、銀行など融資を受けている金融機関に対して使うリスケには「返済計画が見直しになる」という意味があり、ここで紹介するリスケもこちらの意味となります。
融資を受けた際の契約で決めた返済方法が、資金繰りの悪化などによって困難となった際、銀行へ返済期間や返済額の見直しをしてもらうことを指す言葉です。
銀行へリスケを交渉する際の注意点
銀行へリスケ交渉をする際の注意点には、以下のようなものがあります。
メリットとデメリットを理解しておく
銀行へリスケ交渉する前に、リスケをすることによるメリットとデメリットについて理解しておきましょう。
リスケのメリットとしては、成功すれば、返済を待ってもらうことができるため、返済分を事業資金に回すことが可能な点です。銀行が納得してリスケとなっているため、一括請求や法的措置なども取られることなく、一定の間は返済額を減額したり、利息のみを返済したりすることで倒産のリスクを回避できます。
銀行と企業の双方が納得して返済方法を変更することとなるため、信用情報に記録が残らない点もメリットの1つです。
リスケの大きなデメリットは、リスケをしている間に銀行から新たな融資が受けられない点です。リスケ中の銀行だけでなく、他の金融機関でも同様となります。リスケの一般的な期間は半年から1年程度となるため、その間に追加融資を受けることはできないと考えた方がよいでしょう。
短期間で経営を立て直す必要がある
半年から1年という短期間に経営を立て直さないと、倒産を回避するのは難しくなってしまう点も挙げられます。銀行へリスケ交渉をする際、今後の経営に関する改善計画を提出するのが一般的ですが、改善計画で提示した目標が達成できていない場合、リスケ期間の延長といった更なる交渉は難しくなるでしょう。
リスケの延長や更新ができなければ、債権回収代行業などへ債権が売却されてしまいます。リスケ期間中に、少なくとも改善計画で提示した内容の80%以上はクリアしなければなりません。
経営状況を社内外で共有し、モチベーションを高く保つ
企業の現状や経営再建、改善の計画について、経営者だけで抱え込まないようにすることも大切です。社内外へ共有できる改善計画を示し、経営再建へ向けて社員のモチベーションを高く保つようにしましょう。
売上や利益率の向上、固定費の削減や価格改定など、経営改善には社内全体で取り組まなければ大きな改善を見込むのは難しくなります。取引先に対しても、立て直すための価格や条件見直しであることを納得してもらい、協力を得やすいようにする必要があります。
リスケ交渉で拒否されないためのポイント
経営改善計画をしっかりと作成する
銀行へリスケの交渉をする際には、将来的に経営が上向きになると信頼できる説得力のある計画書の作成が必須となります。 説得力のある改善計画には、以下の点を押さえることが重要です。
実現可能な計画である
現状の事業状況では実現が難しいような、絵に描いた餅のような改善計画を作成しても、説得力を持たせることはできません。リスクも想定した上で利益や売上アップ、固定費削減などに関する骨太な改善計画を提示できるようにしましょう。
10年先まで見通した計画を立てる
リスケ期間の半年~1年間での改善計画はもちろんですが、3年後や5年後、10年後における経営計画について見通しておくことも重要です。「リスケ中さえ乗り切れれば」という考えでいると「将来的にお金を借りてほしい企業」「伸びしろのある企業」と見てもらうことは難しくなります。経営を立て直して、5年10年と息の長い成長を続ける予定である点も明確にした方がよいでしょう。
リスケ後も返済が可能な売上・利益率を実現させる
リスケ中はもちろん、リスケ後の返済も充分可能な利益率と売上高目標を設定し、社内で共有して達成することをミッションとします。
売上をアップさせることと並行して、経費の削減や利益率の悪いサービス、商品の見直しなども行いましょう。
資金繰り表を作成する
経営改善計画書と併せて、資金繰り表も作成しましょう。資金繰りがうまくいかないと、売上や利益が出ているにも関わらず資金がショートする「黒字倒産」のリスクが高まってしまいます。
資金繰り表を作成することによって、例えば「翌々月に1,000万円の売上が入金される予定だが、翌月に支払う必要のある500万が準備できない」といった事態を避けることができます。また、長期的に安定した資金繰りが行えることを銀行へ証明することも可能です。
交渉に最適な時期を逃さない
「数ヵ月前に追加で融資を受けたばかりだから少し様子を見たい」「売上が最低の時期にリスケの交渉をしてもうまくいかないのでは」といった理由で、リスケの交渉を先延ばしにするのは要注意です。
銀行側としては、融資した直後のリスケ交渉や、売上が下がり続けている中でのリスケには否定的な態度を取ったり、実際に拒否されたりするケースもゼロではないでしょう。
様子を見ることで確実に売上や利益が上向きになるのであればよいですが、数ヵ月様子を見ている間にも返済や固定費は発生し続けます。「リスケ交渉がうまくいくように」と様子を見たばかりに、倒産が回避できないほど資金が枯渇してしまう可能性もあるのです。
リスケ交渉の時期を逃さないようにするためにも、早い段階で資金繰り表や経営改善計画の作成に着手し、経営状況を正確に把握しておくようにしましょう。
経営改善計画や資金繰りの問題解決が難しい場合は専門家へ相談を
しっかりとした経営改善計画書や資金繰り表は、銀行とのリスケ交渉を成功へ導くために重要であるのはもちろん、社内外での協力や信頼も得やすくなるメリットがあります。「業務が忙しく、書面を作る時間がなかなか作れない」「自分自身の力だけで作成する自信がない」といった場合には、経営改善やサポートなどに強みのある専門家へ問い合わせてみてもよいでしょう。
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粘り強い会社は、ここまで銀行に交渉できる
金融庁の方針は、銀行には、改めて「企業をもっとよく見て、実態に即した支援」を行うことが求められます。実際、そんなことはできるのだろうか、と思われますか?が、今既に、通常では考えられない支援を勝ち取っている企業は存在しています。
交渉し、勝ち取る会社
- 財務条件が足りていなくとも、代取の連帯保証が解除された企業
- リスケジュール中であっても、リスケ前からある当座貸越枠をそのまま使えている企業
- リスケ中でも、新規借入を得た企業
- 延滞中でも、手形割引をしてもらった企業
- 粉飾開示を数億円行っても、金融機関支援を取り付けた企業
- 社長個人が社外の保証債務を抱えていても、新規借入を得た企業
- 不動産売却時に、抵当権に充当する前に他の支払に充てた企業
これらを実行した企業は確かに存在しています。なにしろ、全て私の知る企業ですから。ただ「やらせてください」と銀行に言うだけでは取り付く島もなかったはずです。
交渉は勝ち取る、説明責任は企業側
とはいえ、できる企業が少数であることも確かです。実感として、これまでは数パーセントくらいこれから金融庁の発する各種新制度を利用しても20パーセントは超えないのではないかと個人的には考えています。
だから、できない?いえ、そんなことを申し上げたいのではありません。
残念ながら、全体で20パーセントの成功率を100パーセントにすることはできませんが、自社を20パーセントの内に入れることならば検討可能なはず。今回一つだけ、ポイントに触れておくと「銀行員もそう思っていること」にあります。
銀行員に再生途上の段階で依頼をする時、銀行員は「やったことがない」「聞いたことがない」「マニュアル上存在しない、または推奨されない」ものは基本的・反射的に否定してしまいますし、「再生企業っていっても、だいたいはただの延命でしょ?」とネガティブに考えてしまうもの。正直、8割は本当にただの延命なのですから、またか…、と思われてしまうものなのです。
だから…、「うちを8割に入れるな!残りの2割だ!」
と思わせることが、非常に大事。普通通りに考えるな、と求めるのですから説明責任は企業側です。待ってても分かってくれるとは言えません。上記の企業は、常に自社のアピールを欠かさなかった結果なのです。
まとめ
資金繰りが悪化した際、銀行へリスケ交渉を行うことで倒産を回避し、経営を立て直すことが可能です。銀行とのリスケ交渉を拒否されないためには、リスケの期間を使って確実に経営を上向きにする必要があります。そのためには、現実的な改善計画書や資金繰り表の作成が欠かせません。改善点や課題なども含めて、専門家へ相談しながら進めて成功を勝ち取っていきましょう。
エクステンドでは、経営者様からの無料相談を受け付けています。新たな資金調達を得たいや返済・資金繰りが厳しいなどのお悩みでしたらお気軽にご相談ください。まずは下記バナーより「無料相談」をご利用ください。