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M&Aで重要度を増す労務デュー・デリジェンス

主なデュー・デリジェンスの種類は、以下の通り。

 

  • 税務財務に関するDD(税務・財務の問題点を確認)
  • 法務に関するDD(対象会社で契約している契約に関するリスクの調査)
  • ビジネスに関するDD(ビジネスモデル、その優位性、持続可能性などの調査)
  • 労務に関するDD(労務管理上のリスクの調査)
  • IT(システム)に関するDD(将来の統合を見据えたITシステムの調査)
  • 工場などの環境に関するDD(環境汚染などに関するリスクの調査)

 

本日は、その中でも近年、その重要性が高まりつつある労務に関するDDについてちょっとだけ深堀りしてみたいと思います。

 

この労務DD、一言でいうと、労務(管理)上のリスクの調査なのですが、具体的にいうと

 

  • 未払い残業代・退職金引当など(他労働関連債務)の問題
  • 過去現在及び将来労働争議(の可能性)
  • 過労、パワハラなどの安全配慮義務違反
  • 管理監督者の実態把握

 

などを調査します。担当するのは、弁護士か社会保険労務士になります。この一連の労働に関するデュー・デリジェンスにおいて、その実施結果として、全くノーリスク、指摘・修正事項なしということは実は、ほぼありません。

 

「我社は、まったく問題ありません!」と質問・インタビューで回答していた売主様であっても、実際に調査を行うとほぼ、100%何からの指摘事項がでてきます。

 

労務DDの実施を依頼する買主側も、自社の労務DDを実施したら、何からの問題は出来きます。そういうものです。

 

労務DDは、違反・修正・指摘事項などの有り無しの判定ではなく、

 

①”程度の問題”を把握する

 

②売主様への労務DDの調査を通じて、実は買主様自社の労務上のリスクを予想する

 

ために実施をします。

程度の問題を把握する

①については、最大どの程度の(定量的・定性的)マイナスインパクトがあるのか?を把握し、場合によっては、譲渡条件についてその分の減額など再交渉する場合もあります。

 

この労務DD、冒頭でも触れましたが、年々、重要度を増しており、実施ケースも確実に増えてます。それを裏付けるかのように、調査の実施を担当する弁護士、社会保険労務士側でも、調査手法の一般体系化(調査手順の標準化)・効率化が進んでおり、また、労務DD違反の基づき買主側が負担した損害を一定程度カバーする保険商品などもリリースされています。

 

当然ながら、弊社エクステンドでも労務DDの重要性は認識しており、調査手法の一般体系化(調査手順の標準化)・効率化が進んでいる社会保険労務士法人との連携、上記の保険商品を扱ってる保険代理店のご紹介などの対応をしております。

 

この労務DD、通常タイミング以外でも、例えば、M&A売却を将来的に実施する時に備えて事前に労務DDを行う、或いは、売主様ではなく、買主様が自社を労務DDを行うなどでも、非常に大きな意味と成果があると思います。(弊社提携の社会保険労務士法人であれば、30万円〜50万円程度で調査可能です。)

 

是非、一度、ご検討されてみてはいかがでしょうか?本日は、ここまでその重要度を増す労務DDのお話しでした。

この記事の著者

  • 松原 良太

    ・青山学院大学経済学部 卒業
    ・オーストラリアボンド大学 大学院 経営学修士課程(MBA)修了。
    ・財団法人日本M&Aアドバイザー協会 代表理事
    ・株式会社ビザイン 代表取締役パートナー
    ・AMD capital management 株式会社 代表取締役
    ・株式会社ビザイン・ファミリー・アドバイザーズ 取締役
    ・近著(共著):この1冊でわかる-M-A実務のプロセスとポイント

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