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コーポレート・ファイアンス視点からみたM&Aの基本的な考え方

本日は、コーポレート・ファイアンス視点のM&Aの根本的な概念をご紹介しようと思います。あくまで一般的且つ概念的なものですが、とても重要な考え方のお話です。そして、コーポレート・ファイアンス視点のお話です。

 

もう少し分かり易く表現すると

 

「M&Aの売り手は何故、その価格で事業・企業を売るのか?」

「M&Aの買い手は何故、その価格で事業・企業を買うのか?」

 

ということです。お話を始める前提として、売り手側は、業績不振などによる、緊急的且つ再生的なM&Aによる譲渡(売却)ではないという前提でのお話であることはご理解くださいませ。

 

まずは、売り手様が、事業・企業を何故売るのでしょうか?

 

これは、その対象企業の単体価値に加えて、このまま当該対象事業を運営していた場合に将来得られるであろう利益を“今”得ることができるからです。

 

今の対象会社の価値に、将来得られるであろう(株主への)利益を今まとめて一括で貰える(この部分をプレミアといいます。)から売却するのです。

 

では、買い手は、今の対象会社の価値に、加えてプレミアを払ってまで、どうして買うのでしょうか?

 

それは、

 

(今の対象会社の価値+プレミア)<将来の価値(利益)

 

を考えるからです。つまり、今の対象会社の価値+プレミアを超える利益を上げることができると考えるからです。

 

ここから、とても重要なことが見えてきます。

 

1.上記にあてはまらない業績不振・再生系のM&Aで、有利な(割高な)価格で売却することはできない。

 

2.買い手側は、普通あるいは良い会社を必要以上に割安で取得することはできない。むしろプレミアをつけないと買えない。

 

3.プレミアを払ってまで、買える確信の持てる取得後の事業計画が重要

 

ということです。今回ご紹介したのは、コーポレート・ファイアンスの視点からみたM&Aの基本的な考え方でした。当然ながら、実際のM&Aは、関係者の“想い・感情”もあり、定性的な様々な状況があり、1つ1つ違いますし、上記の考えでは、説明できない案件も沢山あります。それら全てを汲み取り、丁寧に調整を図るのが我々アドバイザーの醍醐味でもあります。

 

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この記事の著者

  • 松原良太

    ・青山学院大学経済学部 卒業
    ・オーストラリアボンド大学 大学院 経営学修士課程(MBA)修了。
    ・財団法人日本M&Aアドバイザー協会 代表理事
    ・株式会社ビザイン 代表取締役パートナー
    ・AMD capital management 株式会社 代表取締役
    ・株式会社ビザイン・ファミリー・アドバイザーズ 取締役
    ・近著(共著):この1冊でわかる-M-A実務のプロセスとポイント

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