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失敗するM&Aに見られる共通点

お客様(買収者の社長)「M&Aでの成長戦略を考えていますが、M&Aが失敗する理由などについて教えてください。」
これは、頻繁にお客様や、セミナーなどで受ける質問です。

 

今回は、こんなM&Aは嫌だ。どんなM&A?=失敗するM&Aに見られる共通点についてお話ししたいと思います。以下にいくつか挙げてみましょう。

1.戦略なきM&A

買収する企業が買収目的が曖昧な場合は、買収後の成果が得られず失敗する可能性が高まります。M&Aは、目的ではなく何かを達成するための手段です。

 

●●というゴールを達成するための一つの手段として、M&Aを選択するというものでなければなりません。M&Aをしよう!という前に、中長期の会社としての明確なゴール設定がなければなりません。

 

また、戦略というワードでいうと、売り手企業にも戦略があります。これが、買収会社と同じベクトルであるとも限りません。いや、違っていることが前提であると言ってもいいでしょう。

 

大事なことは、買収者に戦略とゴール設定がないと、違う戦略を持つもの同士がシナジーを生み出すことは難しいでしょう。違う方向に向かおうとする訳なので。

2.統合の失敗

当然ながら、前提として、(1)上記の1.の戦略とゴールがあり、その一つの手段としてM&Aを選択したとします。

 

そして、もう一つの前提が、(2)買収企業と買収対象企業の間で文化の違いや組織(風土)の違い、管理制度などの違い(というか全く別物)があることです。買収後に”違った!”ではなく、違うことが前提です!

 

その上で、両者の経営リソースを織り込んだ事業計画を立案します。大事なのはこれから。その事業計画の実現に必要な優先度の高い順から、統合を図るという点です。

 

統合を急ぐあまり、逆効果になっては、本末転倒です。変えない/統合しないものあるという認識も必要かもしれません。

3.過大評価(取得後の事業計画が未作成)

特に買収することが手段ではなく、目的化している場合に散見されるケースです。大事はことは、売り手側の売却希望額ではなく、買収者が立案する取得後の当該事業/企業の極力精緻な事業計画から逆算して買収価格を設定(決定)することです。

 

取得が目的化したために過大評価された金額で買収した場合、買収の効果も得られず買収企業の財務状況が悪化し、資金調達や成長の機会を失う可能性を生じます。

4.リーダーシップ、責任者の不在

買収後の統合をリードする経験豊富なリーダーシップや実際に買収した事業/企業を事業計画通りに運営する責任者が不足している場合、買収は失敗する可能性が高まります。また、当然ながら、責任と対になるリワード、報酬、評価を用意することも忘れてはなりません。

 

責任の擦り付け合いになるなどはM&A失敗あるあるです。計画、責任者、リワード(評価)はセットです。

 

以上が共通する失敗ポイントでしょうか。最後に、失敗ポイントではなく、成功のポイントの基本の”キ”をお伝えしたいと思います。

 

それは、売り手側の経営力<買い手側の経営力 もとい 売り手側の経営力<買い手側の”圧倒的な”経営力であることを忘れずに!

この記事の著者

  • 松原 良太

    ・青山学院大学経済学部 卒業
    ・オーストラリアボンド大学 大学院 経営学修士課程(MBA)修了。
    ・財団法人日本M&Aアドバイザー協会 代表理事
    ・株式会社ビザイン 代表取締役パートナー
    ・AMD capital management 株式会社 代表取締役
    ・株式会社ビザイン・ファミリー・アドバイザーズ 取締役
    ・近著(共著):この1冊でわかる M&A実務のプロセスとポイント

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