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全てのM&A買い手様にとって参考になるテック企業なれた主な要因

今回は、先週の続き。(先週は、こちらをご覧ください。)

 

1年前までは、社内にITリソース(技術者)が必要と認識しつつも、なかなか人員を集められない状態で、社員としてのIT技術者はおらずSESで派遣されている技術者が2名という状況の会社が、なぜ、現在では、M&Aの取得により(優秀で実績のある)技術者50名超を抱える立派なテック企業なれたのか。

 

その要因について詳細をお話して参ります。前回も掲載しましたが、主な要因は以下の通りです。一つ一つ説明したいと思います。

 

  1. 取得する(M&Aする)理由が明確
  2. 成長戦略としてM&Aを取り入れていることの積極的な対外発信
  3. 対象会社の取得後の経営の独自性に維持
  4. 対象企業のオーナー、従業員などを絶対に不安にさせない対応(常に敬意に満ちている)
  5. 適正な価格提示(安く安く買おうという下心がない。見えない。)

1.取得する(M&Aする)理由が明確

該当企業(買い手)様に限った話ではなく、成長戦略の1つとして、M&Aによる取得を目指す場合、何故M&Aが必要なのか?を突き詰める必要があります。

 

言い方を換えると、M&Aをしないと、その成長目標は達成できないの?と自問していただき、答えが「Yes」であれば、理由が明確であると言えます。

 

何となく、M&Aをしようというのは、百害あって一利なしです。M&A上手は会社様は全て、M&Aをすべき明確な理由が定まっています。

2.成長戦略としてM&Aを取り入れていることの積極的な対外発信

該当企業(買い手)様は、会社案内やHP(ホームページ)、PRなどの対外的なコンタクトポイントにおいて成長戦略の柱としてM&Aを活用することを常に発信しています。

 

当然そこには、上記1)の理由とどのように運営していくのかなどの取得後のポリシーも記載されています。

3.対象会社の取得後の経営の独自性に維持

取得する会社の強みや特徴・独自性、既存のビジネスを活かすことを最優先にする。そのための摺合せを何度も行う。

 

これは、相互(売り手・買い手)に、取得後、「そんなはずではなかった」が起こらないように徹底的に配慮しているのです。

4.対象企業のオーナー、従業員などを絶対に不安にさせない対応(常に敬意に満ちている)

上記3)にも通じますが、業務内容、待遇などについて、徹底的に話し合いを行う。

 

また、これまでの対象会社(売り手)の成長過程(会社の歴史)とその戦略・施策などをその背景に至るまで、理解しようと務める。(ここは、なかなか文章としては表現が難しいのですが、徹底的に聴き込む、引き出すようにするなど、とても上手に対話されます。)

5.適正な価格提示(安く安く買おうという下心がない。見えない。)

所謂、公知な企業算定方法からは逸脱しない範囲で折り合いをつけようと真摯に交渉する(勿論、その背景には、その譲渡価格を上回る成長を達成できるとの確信がある)。

 

また、多くの場合、交渉する際でも、譲歩をセットにする。○○でいかがでしょうか?これを承諾いただければ、○○は、譲歩します。的に。いかがでしょうか?この事例独特の項目はないと思います。全ての買い手様にとって参考になるのではないでしょうか?

 

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この記事の著者

  • 松原 良太

    ・青山学院大学経済学部 卒業
    ・オーストラリアボンド大学 大学院 経営学修士課程(MBA)修了。
    ・財団法人日本M&Aアドバイザー協会 代表理事
    ・株式会社ビザイン 代表取締役パートナー
    ・AMD capital management 株式会社 代表取締役
    ・株式会社ビザイン・ファミリー・アドバイザーズ 取締役
    ・近著(共著):この1冊でわかる M&A実務のプロセスとポイント

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