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M&A譲渡後のご自身の会社との関わり(ポジション)について

本日は、オーナー様(殆どの場合=代表取締役)がM&Aにてご自身の会社(=対象会社)を譲渡した後の対象会社との関わりについて。

 

対象会社の譲渡後には、(多くの場合)これまで営業・法務・総務・財務・税務等、経営も事業も全て一人で背負っていた重圧から解放され、顧問職や会長職として自社の成長に貢献していくことが多いです。

 

株式の大部分を保有されているオーナー社長の場合、会社の意思決定に対しては株主・代表取締役として、経営と事業の両面を一人で取り仕切っているケースがほとんどですが、M&Aで対象会社を譲渡後の会社との関わり方を考えていく際には、大きく分けて、

 

  1. 株式の全てを譲渡し、代表取締役(取締役を含む)からも退任を行い、顧問・相談役として引継業務や経営助言等に注力をする
  2. 株式の全てを譲渡し、取締役顧問・会長として引継業務や経営助言等に注力をする
  3. 株式の一部を譲渡し、代表取締役(取締役を含む)からは退任を行い、株主として意思決定のみに関与する

 

上記の3種類の関わり方があります。

 

形式的な話ではありますが、株主は株主総会等の決議機関において持ち分比率に応じた議決権を行使することになるため、関わる意思決定の対象は株主総会の決議事項として上程される内容が中心です。

 

株主総会決議事項の代表的な例として、役員の選解任、計算書類の承認、剰余金の処分・配当、譲渡制限株式の買取、株式の併合、定款の変更、事業譲渡の承認、解散等があり、会社の経営上の意思決定に関わる内容がほとんどです。

 

取締役は取締役会や事業運営の重要な局面において、議決権や役職に応じた職務権限を行使することになるため、関わる意思決定の対象は取締役会の決議事項として上程される内容や、事業運営における重要事項が中心です。

 

取締役会決議事項の代表的な例では、重要な財産の処分及び譲り受け、多額の借財、支配人その他の重要な使用人の選任及び解任、支店その他の重要な組織の設置、変更及び廃止等があり、事業運営に関わる内容が多くを占めます。

 

このように、M&Aにより株式を譲渡した後にも、会社に何らかの形で貢献を果たすことが可能です。

 

好機を逃さない迅速な売却を実現し、その後、経営に関与する方法も1つの選択肢としてお考えになられてはいかがでしょうか。

 

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この記事の著者

  • 松原 良太

    ・青山学院大学経済学部 卒業
    ・オーストラリアボンド大学 大学院 経営学修士課程(MBA)修了。
    ・財団法人日本M&Aアドバイザー協会 代表理事
    ・株式会社ビザイン 代表取締役パートナー
    ・AMD capital management 株式会社 代表取締役
    ・株式会社ビザイン・ファミリー・アドバイザーズ 取締役
    ・近著(共著):この1冊でわかる M&A実務のプロセスとポイント

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