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M&A譲渡契約書の変更は慎重に!

こんにちは。エクステンドM&A担当の松原です。まずは、以下をご覧くださいませ。

 

  1. 定款の変更、取締役会規程、役員退職金規程、就業規則賃金規程、その他社内規程の制定、変更又は廃止等
  2. 株式、新株予約権又は新株予約権付社債及びその他丙の株式を取得できる権利の発行又は付与等
  3. 通常業務の範囲を超える、資産の取得、売却、賃貸、担保設定若しくはその他の処分、金銭の借入れ、第三者との間の契約の締結、変更、解除又はその他終了その他社会通念上通常業務の範囲を超えると認められる一切の業務
  4. 資本的支出の決定等
  5. 役職員の賃金若しくは報酬の増額、又は福利厚生制度の開始、条件の修正若しくは変更等
  6. 解散、清算、又は破産手続開始、会社更生手続開始、民事再生手続開始若しくはその他の法的倒産手続開始の申立て等
  7. 裁判所その他の紛争処理機関における手続の開始に関する行為(訴訟の提起、保全処分の申立て、強制執行の申立て、調停の申立て、仲裁の申立て及び各種裁判外紛争処理手続の申立て等を含むが、これに限られない。)、係属中の当該手続における重要な主張、立証、疎明等の実行又はこれらに係る重要な方針の決定等
  8. 本契約において甲若しくは丙(売り主様)が表明保証した事項に反する行為又は当該各表明保証事項が将来的に事実に反することとなる結果を招来する可能性がある行為
  9. 本契約において甲若しくは丙(売り主様)が負う義務に反する行為又は当該各義務の履行を困難とする結果を招来する可能性がある行為

 

上記は、M&Aにおいて、売り主様と買い主様の最終譲渡契約書に記載される項目で、最終譲渡契約後、クロージング(決済)までの間(通常1ヶ月から2ヶ月の間)売り主様側に遵守いただく事項の例です。

 

つまり、簡単にいうと、上記のようなことは、「買い主が売り主様の(対象会社)評価に影響を与えることなので、やらないでください。(或いは)買い主の承諾を得て行ってください」という内容です。

 

ここまではご理解いただけることかと思います。ただし、売り主様と買い主様は、この最終譲渡契約から遡ること数ヶ月前から、M&Aの交渉をしています。上記のようなことが書面(契約)として、正式に制限されるのは、ご説明の通り、最終譲渡契約時になります。

 

しかし、一般的には、交渉中に、上記のようなことが起こる場合は、相手方(つまり、買い手候補)に都度、相談・報告すべきです。

 

これらのことは、交渉中は、契約書面上は売り主様の企業活動において、何らの制限は受けていませんが、交渉或いはその後の契約の土台である相互の信頼関係を大きく損ねる可能性があるのです。

 

「まだ私(売り主様)の会社なので、何をしても問題ない」

 

それは、そうかもしれません。しかし、「その行為は、売り主様が考えている以上に買い手候補の対象会社への評価に影響を与える」と考えておいてください。

 

売り主様:「退職金制度はないと報告していましたが、先月作成し、運用開始してます。」

 

それを受けて、

 

買い主様:「承知しました。」ではなく、「条件の見直しか、交渉を継続するか考えます」なのです。

 

ご参考にされてください。

この記事の著者

  • 松原 良太

    ・青山学院大学経済学部 卒業
    ・オーストラリアボンド大学 大学院 経営学修士課程(MBA)修了。
    ・財団法人日本M&Aアドバイザー協会 代表理事
    ・株式会社ビザイン 代表取締役パートナー
    ・AMD capital management 株式会社 代表取締役
    ・株式会社ビザイン・ファミリー・アドバイザーズ 取締役
    ・近著(共著):この1冊でわかる M&A実務のプロセスとポイント

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