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会社に何らかの魅力があるか!?

事業承継をしたいと後継者候補の方が思われるということは、その会社に何らかの魅力があるということです。逆に会社に魅力がなければ、いくら社長が継げと言っても、継ぎたくないという言葉が後継者候補から返ってきます。

事業承継に向けた磨き上げ

親族内承継においては、相続税対策に重点が置かれすぎるあまり、 事業とは無関係な資産の購入や、節税を目的とした持株会社の 設立等により株価を意図的に低下させるなど、中小企業の 事業継続・発展にそぐわない手法が用いられる場合があるとの 指摘がなされています。

 

しかし、事業承継は、経営者交代を機に飛躍的に事業を 発展させる絶好の機会であること、経営者は次世代にバトンを 渡すまで、事業の維持・発展に努め続けなければならないこと等を 考慮すると、親族内に後継者がいる場合であっても、 現経営者は経営改善に努め、より良い状態で後継者に 事業を引き継ぐ姿勢を持つことが望まれます。

 

近年の親族内承継の大幅な減少の背景には、事業の将来や 経営の安定について、親族内の後継者候補が懐疑的に なっていることなどが挙げられています。

 

こうしたことからも承継前に経営改善を行い、 後継者候補となる者が後を継ぎたくなるような経営状態まで 引き上げておくことや、魅力作りが大切です。

 

「磨き上げ」の対象は、業績改善や経費削減にとどまらず、 商品やブランドイメージ、優良な顧客、金融機関や株主との 良好な関係、優秀な人材、知的財産権や営業上のノウハウ、 法令遵守体制などを含み、これらのいわゆる知的資産が 「強み」となることも多いのです。

 

また、「磨き上げ」は、自ら実施することも可能ですが、 対応が多岐にわたるため、効率的に進めるために 士業等の専門家や金融機関等の助言を得ることも有益です。

 

本業の競争力を強化するためには「強み」を作り、 「弱み」を改善する取組が必要となります。

 

例えば、自社のシェアの高い商品・サービス、ニッチ市場に おける商品・サービス等の拡充、技術力を活かした製品の 高精度化・短納期化、人材育成や新規採用等を通じた 人的資源の強化などがあげられます。

 

また、取引先やマーケットに偏りが見られる場合は、 これを是正し、事業リスクの分散を図ることも大切です。

 

なお、本業の競争力を強化するためには、 「中小企業等経営強化法」に基づく「経営力向上計画」を 策定・実行することが有効です。「中小企業等経営強化法」は、 人材育成、コスト管理等のマネジメントの向上や設備投資など、 自社の経営力を向上するための「経営力向上計画」を 作成・申請し、国から認定を受けることで支援措置が受けられる制度です。

 

このような計画策定を通じて、磨き上げを実行しては如何でしょうか。

 

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この記事の著者

  • 野上 智之

    公立大学法人北九州市立大学卒業、大手システム会社を経て、教育研修会社での新規部門立上げや西日本責任者としての実践により、収支損益の黒字化と人財育成がなければ、企業は元気にならないという強い信念のもと中小企業に特化した経営コンサルタントに転身。現在も10社を担当し各地でセミナーや研修を実施したり、地域金融機関との連携を実施。行政書士試験合格、宅地建物取引士、動産評価アドバイザー(TAA)、中小企業庁ミラサポ専門派遣登録専門家、プッシュ型事業承継支援高度化事業登録専門家(中小企業庁)、再生支援ネットワーク会議メンバー(広島)

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