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建設業の融資審査のポイントと対策を徹底解説!

建設業の融資審査のポイントと対策を徹底解説!

 

はじめに 建設業の資金調達が難しい理由とその背景

建設業が他業種に比べて融資審査で厳しいとされる理由

エクステンドでは長年、建設業界の財務コンサルティングに携わってきましたが、多くの経営者から「なぜ建設業は融資が通りにくいのか」という相談を受けてきました。確かに、建設業界における資金調達のハードルは、他業種と比べて高い傾向にあります。

 

その主な理由として、まず挙げられるのが工事の受注から入金までのタイムラグが長いという業界特有の課題です。材料費や人件費などの支払いは先行して発生するにもかかわらず、工事代金の入金までに数ヶ月かかることも珍しくありません。

 

次に、工事案件ごとの利益率の変動が大きいという特徴があります。同じような規模の工事でも、現場の状況や資材価格の変動により、予想以上に経費がかかってしまうケースが少なくありません。このような不確実性が、銀行からの信用度に影響を与えているのです。

資金繰りや資金調達の課題を経営者目線で解説

建設業の経営者として、日々の資金繰りで最も頭を悩ませるのが運転資金の確保です。工事の規模が大きくなればなるほど、必要な資金も増えていきます。特に新規案件を受注した際は、着工前の資材調達や人員確保のために、まとまった資金が必要となります。

 

季節要因による収入の変動も、建設業特有の課題です。天候に左右される屋外工事や、年度末に集中しがちな公共工事など、収入が安定しない時期があります。そのため、繁忙期と閑散期の資金バランスを適切に管理することが求められます。

 

さらに近年では、原材料価格の高騰や人件費の上昇により、以前よりも多くの運転資金が必要となっています。見積もり時点と実際の施工時期での価格差が利益を圧迫するケースも増えており、これらのリスクに対する備えも必要です。

 

このような状況下で安定した経営を続けていくためには、計画的な資金調達と適切な資金管理が不可欠です。次章では、実際の融資審査でチェックされるポイントについて、具体的に解説していきます。

 

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建設業の融資審査で重要視されるポイント

融資審査では、複数の観点から企業の信用力が評価されます。ここでは、金融機関が特に注目する4つのポイントについて、具体的に解説していきます。

財務状況の健全性

自己資本比率は融資審査における最重要指標の一つです。建設業の場合、15%以上あることが望ましいとされています。また、売上高経常利益率は3%以上を目指すことをお勧めします。これらの数値が基準を下回る場合、審査通過のハードルは高くなります。

事業の安定性

金融機関は過去3年間の受注実績と今後の受注見込みを重視します。特に、特定の取引先への依存度が高すぎないかというチェックも行われます。理想的には、最大取引先への依存度を30%以下に抑えることが望ましいでしょう。

返済能力の確認

運転資金回転期間は90日以内が目安となります。この期間が長いほど、資金繰りが悪化するリスクが高まると判断されます。また、月次のキャッシュフロー管理も重要です。入出金の予定を明確に把握し、計画的な資金管理ができているかがチェックされます。

その他の要素

既存の借入金の返済状況は、新規融資の判断材料として重要視されます。また、メインバンクとの取引年数や預金残高の推移なども評価の対象となります。

 

これらのポイントを全て自社で管理・改善していくのは容易ではありません。特に、財務指標の改善や資金繰り計画の策定には、専門的な知識とノウハウが必要となることがあります。

 

また、融資審査の通過率を上げるためには、決算書の適切な作成や事業計画の立案など、財務コンサルタントのサポートを受けることで大きく改善できる可能性があります。

 

【関連記事】建設業などで多い、一括返済の融資が返済できない事態

融資を通りやすくするための実践的な準備方法

融資審査を通過するためには、事前の周到な準備が不可欠です。ここでは、実務経験に基づいた具体的な準備方法をご紹介します。

業績レポートと事業計画の整備

金融機関が最も重視するのは、過去の実績と将来の見通しを示す具体的な数字です。業績レポートには、以下の要素を必ず含めることをお勧めします。

 

月次の受注状況と完工高の推移、主要取引先との契約状況、工事原価の内訳、利益率の分析などを、グラフや表を用いて分かりやすく整理しましょう。

 

また、今後3年間の収支計画と資金計画を具体的な数値で示すことが重要です。特に、新規の設備投資や事業拡大を検討している場合は、その投資回収計画も含めて説明できるようにしておきましょう。

定期的な財務状況の見直しと改善策

毎月の試算表をベースに、キャッシュフローの状況を把握することが重要です。特に注目すべき点として、売掛金の回収状況、仕入債務の支払い状況、経費の増減傾向などがあります。

 

問題点が見つかった場合は、すぐに改善策を講じることが融資審査でのプラス評価につながります。例えば、回収サイトの見直し、経費削減計画の策定、取引先との支払条件の再交渉などが考えられます。

担保や保証人の有効活用

不動産担保は融資額を大きく左右する重要な要素です。担保として活用できる不動産がある場合は、事前に評価額を把握しておくことをお勧めします。また、経営者の個人資産や保証人の設定についても、慎重に検討する必要があります。

 

このような準備作業は、専門的な知識と経験が必要となる場合が多く、経営者一人で対応するのは困難かもしれません。特に以下のような場合は、専門家のサポートを受けることをお勧めします。

 

・事業計画の作成や財務分析に不安がある場合

・担保評価や保証人の設定について判断に迷う場合

・過去の融資審査で否決された経験がある場合

・決算書の数字に改善の余地がある場合

 

エクステンドでは、経営者からの無料相談を受け付けています。新たな資金調達を得たいや、返済・資金繰りが厳しいなどの財務でお悩みでしたらお気軽にご相談ください。まずは下記バナーより「無料相談」をご利用ください。

 

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建設業が活用できる主な融資制度と特徴

建設業向けの融資制度は、公的機関によるものと民間金融機関によるものに大きく分かれます。それぞれの特徴を理解し、自社に最適な資金調達方法を選択することが重要です。

公的融資と民間融資の違いとメリット・デメリット

公的融資の最大のメリットは、低金利で長期の返済が可能な点です。例えば、日本政策金融公庫の建設業向け融資では、運転資金で7年以内、設備資金で20年以内の返済期間が設定できます。

 

主な公的融資制度の例

 

・日本政策金融公庫の建設業向け融資

・信用保証協会の保証付き融資

・自治体独自の制度融資

 

一方、民間融資は、スピーディーな審査と柔軟な融資条件が特徴です。また、継続的な取引関係を築くことで、急な資金需要にも対応しやすくなります。

 

民間融資の主な特徴

 

・審査のスピードが比較的速い

・融資条件の交渉の余地がある

・継続的な関係構築による追加融資の可能性

補助金・助成金などの追加資金調達方法

返済不要な資金として、補助金や助成金の活用も検討すべき重要な選択肢です。特に、以下のような制度が建設業で活用されています。

 

活用可能な主な補助金・助成金

 

・ものづくり補助金

・IT導入補助金

・事業再構築補助金

・省エネ関連の補助金

・人材育成関連の助成金

 

これらの制度は毎年のように内容が変更され、申請要件も複雑です。また、申請書類の作成には専門的な知識が必要となる場合が多く、自社だけでの対応は困難なケースがあります。

 

特に以下のような場合は、専門家への相談をお勧めします。

 

・どの融資制度が自社に最適か判断が難しい場合

・複数の融資制度を組み合わせて活用したい場合

・補助金・助成金の申請を検討している場合

・過去の申請で採択されなかった経験がある場合

 

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融資申請に失敗しないための注意点

融資申請の成否は、事前の準備と申請時の対応によって大きく左右されます。ここでは、融資審査を通過するための重要なポイントについて解説します。

融資申請前の自己評価とリスク管理

申請前に自社の財務状況を客観的に評価することが、融資成功への第一歩となります。以下の項目を重点的にチェックしましょう。

 

財務面での要チェックポイント

 

・直近3年間の売上高と利益の推移

・借入金の返済状況と今後の返済計画

・受注残高と工事進行状況

・資金繰り表の作成と実績との差異

・取引先との支払条件や回収状況

 

特に注意が必要なリスク要因として、以下の点があります。

 

・特定取引先への依存度が高すぎる

・工事原価の上昇傾向が続いている

・赤字工事の発生頻度が増えている

・資金繰りが恒常的に厳しい状態にある

審査通過率を上げるための工夫と交渉術

金融機関との面談では、数字だけでなく、経営者としての熱意や事業への理解度も重要な評価ポイントとなります。

 

面談時の重要なポイント

 

・業界動向や自社の強みを具体的に説明できる

・今後の事業展開について明確なビジョンを持っている

・リスク要因とその対策について説明できる

・資金使途と返済計画が具体的である

 

また、審査担当者の疑問や懸念点に対して、具体的な数字やデータを示しながら説明できる準備が必要です。

 

以下のような場合は、融資審査の通過率が低下する可能性が高くなります。

 

・決算書と事業計画の内容に整合性がない

・資金使途が不明確

・過去の融資で返済遅延がある

・経営改善の具体策が示せない

 

これらの準備や対策を一つ一つ丁寧に行うことは、経営者一人では難しい場合があります。特に以下のような状況では、専門家のサポートを受けることで、融資審査の通過率を大きく向上させることができます。

 

・初めての融資申請で不安がある

・過去に融資審査で否決された経験がある

・財務状況に改善すべき課題がある

・金融機関との交渉に不安がある

 

エクステンドでは、経営者からの無料相談を受け付けています。新たな資金調達を得たいや、返済・資金繰りが厳しいなどの財務でお悩みでしたらお気軽にご相談ください。まずは下記バナーより「無料相談」をご利用ください。

 

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まとめ 経営者として押さえておきたい資金調達の心得

これまでの内容を踏まえ、建設業における持続可能な経営のための重要なポイントをまとめていきます。

安定した経営のために持続的な資金管理の重要性

建設業における資金管理の基本は「先を見据えた計画的な運営」です。具体的には以下の取り組みが重要となります。

 

日常的な資金管理のポイント

 

・月次での資金繰り表の更新と見直し

・受注から入金までのタイムラグを考慮した資金計画

・季節変動を踏まえた資金の積み立て

・予期せぬ支出に備えた適正な手元資金の確保

 

特に、工事の進捗状況と資金の流れを常に紐付けて管理することが、安定経営の要となります。

金融機関との良好な関係構築のポイント

金融機関との関係は、一時的なものではなく、長期的なパートナーシップとして捉えることが重要です。以下の点を意識して、関係構築を図りましょう。

 

経営状況の定期的な報告と情報共有が信頼関係の基礎となります。

 

・毎月の試算表や資金繰り表の提出

・大型案件の受注情報の共有

・経営課題や将来の事業計画についての相談

・業界動向や市場環境の変化への対応策の共有

 

また、以下のような状況では、早めの相談と対応が重要です。

 

・資金繰りの悪化が予想される場合

・新規の設備投資を検討している場合

・事業拡大や新規事業への参入を考えている場合

・経営環境の変化により計画の見直しが必要な場合

 

これらの取り組みを実践することで、必要な時に必要な資金調達が可能となる関係性を築くことができます。ただし、これらすべてを経営者一人で管理・実行していくのは困難な場合も多いでしょう。

 

特に以下のような課題をお持ちの経営者の方は、専門家のサポートを検討することをお勧めします。

 

・資金繰り管理の仕組みづくりに課題がある

・金融機関とのコミュニケーションに不安がある

・経営計画の策定や見直しが必要

・事業承継や組織体制の整備を検討している

 

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