経営改善計画書は何を書く?認定支援機関の支援を受けて作成したほうがよい?
経営改善計画書とは、現在の経営状況を分析して経営課題を明確にし、課題を改善するための計画と数値目標を示した書類です。
経営者の中には、経営改善計画書は金融機関からの依頼を受けて作成する書類だと思っている方もいらっしゃるかもしれません。しかし、経営改善計画書の作成にはさまざまなメリットがあり、金融機関へ提出が求められるときに作成するだけではもったいないほど、経営改善に有効活用できる書類です。また、国の認定支援機関の支援を受けて経営改善計画書を作成したときには、国から計画策定にかかった費用の2/3の補助を受けられる制度もあります。
今回は、中小企業の健全な経営に役立つ経営改善計画書の作成方法と認定支援機関を利用した場合の補助金制度についてご説明します。
目次
経営改善計画書とは
経営改善計画書とは、現状を分析して改善すべき課題を見つけ、よりよい経営状況に導くための計画と数値目標を示す書類です。金融機関から融資を受ける際や返済時期のリスケジュールを依頼する際に提出が求められる書類として活用されることも多いため、日本政策金融公庫のウェブサイトには、経営改善計画書のひな型や記入例が紹介されています。
経営改善計画書には決まったフォーマットはありませんが、日本政策金融公庫のサイトに紹介されている記載例を見るとどのような内容が必要になるのかなどのイメージがしやすくなるでしょう。
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経営改善計画書を作成することで得られるメリット
繰り返しになりますが、経営改善計画書は経営を改善するための計画書です。経営改善計画書は一度作成して終わりにするのではなく、定期的に計画と現状を照らし合わせて計画を見直し、継続して改善計画を進めていくことが大切です。
経営改善計画書を作成すると次のようなメリットを得ることができます。
現状の見直しにより、業務の無駄や機会損失の原因などがあぶり出され、効率よく利益を上げることができるようになる
経営改善計画書を作成する際には、改善すべき課題を見つけるために現状をしっかりと分析することが大切です。分析結果から業務の無駄や機会損失の原因を改善するための対策を実施すれば、業務効率化が進められ生産性が向上します。その結果、効率よく利益を上げることができるようになります。
収支の改善により財務状態が良くなる
業務効率が改善し、機会損失も減れば、必然的に収支が改善され財務状態が良くなります。財務状態が改善すれば、資金繰りも楽になり、新たなビジネスチャンスの創出計画も立てやすくなるでしょう。
業務改善の効果が表れれば社員のモチベーションが上がり、人材採用の悩みも改善
経営改善計画書の実行により、業務改善の効果が表れれば社員も仕事に対する自信と誇りを持つことができます。改善結果が業績に反映され、会社の収益が上がれば給与や報酬もアップし、社員のモチベーションが上がるでしょう。活気ある職場は社員の定着率アップにもつながり、人材採用に関する悩みの改善にもつながります。
目標の数値化は取引先や金融機関に対するアピールともなり、信頼がアップする
経営状況を細かく分析し、具体的な改善目標を数値化して作成した経営改善計画書を取引先や金融機関に提示すれば、業務改善に対する熱意のアピールにもつながります。具体性のない計画は信頼に欠けるものですが、数値化された目標が示されればその本気度が相手に伝わり、信頼に値する企業であると認められるでしょう。
スムーズな事業継承を実現する
一子相伝の技のように、口頭だけで事業を継承するのにはリスクが高すぎ、後継者も不安を抱えたまま事業を引き継ぐことになってしまいます。経営改善計画書を作成しておけば、業務改善を行った歴史をすべて文書とデータで残すことができるため、スムーズに事業を継承できるようになるでしょう。
経営改善計画書の作成方法
経営改善計画書の作成は、事業を分析し、経営課題を明らかにすることから始まります。その後、具体的な改善策を計画し、損益計画表やキャッシュフロー表、貸借対照表、税額計算書、資金繰り表などを作成していきます。
経営改善計画書を作成する際には、実現可能な計画を作成することが大切です。経営改善計画書の作成目的は、経営を改善することです。現実的ではない壮大な計画書を立てても実現できなければ意味はなく、かえって金融機関からの信頼を失ってしまったり社員のモチベーションを低下させてしまったりする可能性もあります。
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また、自社の状況をしっかりと分析するときには、経営の中心にいる経営陣の視点は欠かせません。しかし一方で、内部に長くいると当たり前に感じてしまうこともあり、重要な問題点に気が付かないケースもあります。
経営者自身、または経営に関わる会社の幹部が集結し、自社の力のみで経営改善計画書を作成することもできるでしょう。しかし、外部に経営改善計画書の作成支援を依頼すると、内部からの視点だけでは見逃してしまいがちな経営課題を指摘してもらえる可能性もあります。また、経営改善計画書の作成は企業の安定経営に非常に重要なものではありますが、作成には非常に労力がかかるのも事実です。
中小企業にはこのような課題を抱えているケースが多いことから、経営改善計画書の作成を支援する機関が多くあります。外部のサポートを受けて経営改善計画書を作成すると、第三者からの冷静な視点を取り入れることができ、経営改善計画書の作成にかかる負担を軽減できるといったメリットがあります。また、「認定支援機関による経営改善計画策定支援事業」を利用するとさらなるメリットを受けることもできます。
認定支援機関による経営改善計画策定支援事業を利用するメリット
認定支援機関による経営改善計画策定支援事業を利用するメリットは、以下のようなものがあります。
資金調達への活用
経営改善計画は、金融機関から事業資金を調達する際の重要な書類として機能し、金融支援(返済条件の変更や新規融資)が受けやすくなります。専門家の関与により、計画の質が高まり、融資の実現可能性が高まります。また、様々な支援制度を活用する際の申請書類としても有効です。
専門家による伴走支援
資金繰りが改善される
経営専門家の的確な分析と助言を受けながら計画を策定するため、実効性の高い施策が立案できます。売上拡大や費用削減などにより、キャッシュフローが好転し、資金繰りが改善されます。また、計画策定の負担が軽減されるため、経営者は本業に注力できます。余力が生まれ、新製品開発や営業強化などの経営資源の投入が可能になります。
銀行や関係先からの信頼確保
この事業では、専門家が伴走支援を行います。専門家の関与により、経営改善計画の質が高まり、実現可能性の高い計画となります。また、しっかりとした分析に基づく具体的な改善策が示された計画は、経営の健全性を裏付ける確かな証左となります。今後の取引継続に対する安心感が得られ、信頼関係の構築につながるでしょう。
経営に対する第三者の専門家による評価は、計画の信頼性を大きく高める効果があります。本事業を活用することで、経営者は金融機関や取引先から確かな信頼を得られるのです。
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認定支援機関を活用する費用面でのメリット
認定支援機関による経営改善計画策定支援事業とは、国が認定した専門家である認定支援機関の支援を受けて金融支援を伴う経営改善計画を策定する場合、経営改善計画策定支援に必要となる費用の2/3を国が補助するというものです。
認定支援機関制度は、2012年に施行された中小企業経営力強化支援法に基づき新たに制定された制度です。税務、金融及び企業財務に関する専門的知識や支援に係る実務経験が一定レベル以上の個人、法人などが中小企業に対して専門性の高い支援事業を行う機関として認定されています。
中小企業の経営者の中には、経営改善計画書を作成したいと考えているもののなかなか時間を割けない方や外部に委託する際の費用がネックだと考えている方もいるでしょう。しかし、認定支援機関に経営改善計画の策定支援を依頼した場合、上限200万円までとの定めはありますがその費用の2/3を補助してもらうことができるのです。
経験豊富な経営のプロのアドバイスとサポートを通常の1/3程度の費用負担で受けられるこの制度の活用は、中小企業の経営者にとって大きなメリットとなるのではないでしょうか。
経営改善計画書の作成をお考えならエクステンドまでご相談を
経営改善計画書の作成には、企業の健全な経営を促進し、取引先や金融機関からの信頼を高めるなど、さまざまなメリットがあります。また、認定支援機関による経営改善計画策定支援事業を利用すれば、コストを抑えながらプロの意見を取り入れた経営改善計画書を作り上げることが可能です。
エクステンドは、中小企業を対象とした経営相談、事業再生、M&Aなどを行っている経営コンサルタントです。国が認める経営革新等支援機関(認定支援機関)でもあり、経営改善計画策定支援事業の作成に数多く携わってきました。経営改善計画書の作成をお考えの際には、ぜひエクステンドまでご相談ください。
とはいえ、初めての会社に経営改善計画を依頼することに不安を感じる方も多いでしょう。エクステンドでは、無料の経営相談も承っておりますので、まずはお気軽に財務状態や経営改善計画書の作成方法等についてご相談ください。忙しい経営者の貴重なお時間をいただいていることを念頭にできるだけ実践的なアドバイスを行っています。経営改善計画の策定を含めた支援をさせていただけるかどうかは、無料相談の時間を有効に使ってご判断いただいて問題ありません。まずは下記バナーより「無料相談」をご利用ください。