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資金調達「シンジケートローン」とは?メリットと注意点を解説!

シンジケートローンという言葉をどこかで聞いた覚えはありませんか?本日は資金調達の一つとして『シンジケートローン』をテーマにお話しさせていただきます。

 

今現在、金融機関から提案を受けている企業様も、少し興味がある企業様も一つの情報として聞いていただけると幸いです。先日ある経営者の方から「シンジケートローンについて教えてください」と言われました。あまり聞きなれない言葉かもしれませんが、資金調達の一つには変わりありません。但しある程度のロット(金額)で行われているのも事実だとお話をさせて頂きました。

シンジケートローンとは?

シンジケートローンとは、複数の金融機関(シンジケート団)から、同一条件で融資(ローン)を受ける資金調達の方法であり、「協調融資」とも呼ばれております。

 

企業は借りる側の立場として、複数の金融機関から融資を受けられ事が可能となり、多額の資金調達が可能となります。一方、貸す側の立場として、金融機関はシンジケート団を組織する事で、融資に伴う負担やリスクの分散を行う事が可能となります。

一般的な流れ

1.融資を受けたい企業様が、アレンジャー(シンジケート団をまとめる幹事役)を指名

2.指名されたアレンジャーが、シンジケート団(融資を行う複数の金融機関からなる団体)を組織

3.エージェント(複数機関との契約や金銭の管理をまとめて行う事務代行者)を介して契約書の作成調印

4.借入を申請し、融資実行

 

※形式上は、複数の金融機関から融資を受ける形ですが、顧客が実際にやり取りするのはアレンジャーとエージェントのみとなります。場合によっては、同一機関がアレンジャーとエージェントを務めることもあります。

どの様な方式があるのか

三種類の方式があります。

1.コミットメントライン方式

・事前に設定した金額と期限内であれば、いつでも短期的な融資を受けられる方式

・運転資金、緊急時の保険的な資金として、短期的な資金調達に利用

2.タームローン方式

・証書借入により、長期的な融資を受ける方式

・継続的な運転資金、設備資金、リファイナンス資金として、長期的な資金調達に利用

3.コミット型タームローン方式

・事前に設定した金額と期限内であれば、いつでも長期的融資を受けられる方式です。

・金調達時期が未確定な、運転資金・設備資金・リファイナンス資金として、長期的な資金調達に利用

シンジケートローンのメリット

巨額の資金を調達できる

複数の金融機関から融資を受けられるため、多額の資金調達が可能

複数の金融機関から同一条件で融資を受けられる

複数の金融機関と同一条件で融資契約を結びます。そのため、融資に伴い発生する、金利や手数料を一本化できるのです。

金融コストを一本化することで、バランスシートなどの会計的な処理も楽になります。

取引に関する業務を任せられる

基本的に、取引に関する業務は、アレンジャーとエージェントが行います。

融資の際に発生する契約の交渉、金利や手数料などの金銭管理など、事務的な負担を減らす事が可能

柔軟な借入条件・返済スケジュールが設定できる

キャッシュフロー計画等に応じた柔軟な条件を設定できます。

自社の経営状態に応じて、金利・返済期間・担保などを柔軟に組めるため、財務体質の改善にも繋げられる

多くの金融機関と関係を築ける

複数の金融機関と契約を結ぶため、多数の金融機関と関係を築けます。

返済計画を滞りなく実行すれば、信用を得ることができ、多くの実績を積むことが可能

財務面における信用力の高さをアピールできる

契約を結ぶには、それなりの信用力の高さが求められます。一方で、シンジケートローンの契約が締結できれば株主や投資家に向けて、先進的な企業イメージ・十分な資金調達能力などの対外的なアピールも可能

 

つまり、上記が主なメリットになりますが、デメリットは誰でも利用できるものではないという事が最大のデメリットではないでしょうか・・・

シンジケートローンの注意点

高い信用力が必要

複数の金融機関と契約を結ぶという性質上、審査に通るために高い信用力が必要です。具体的には、「詳細な事業計画書」や、「事業の収益性」が非常に重視されます。シンジケートローンは、業績が軌道に乗っており、さらなる事業拡大などを検討している企業に向いている資金調達方法といえます。

利息以外の手数料がかる

複数機関と円滑に取引するために、アレンジャーやエージェントが存在します。そのため、一般的な融資では発生しない、アレンジメントフィー・エージェントフィーといった、利息以外の手数料を、追加で負担する必要があります。

一般的な融資より、契約までに時間がかかる

一般的な融資より、手続き事項が多いため、契約までに時間がかかります。複数の金融機関と契約するということもあり、アレンジャーの指名・詳細な事業計画・数十ページに及ぶ契約書等が必要です。

 

早急に資金を調達したい場合には、シンジケートローンの利用は、あまり向いていないと言えるでしょう。つまり、シンジケートローンは少し複雑な融資かもしれません。誰でも利用できるものでもありません。

 

ただ・・・

 

少し複雑な融資になりますので経営者の方自身も内容がわからなければ、金融機関の提案書が本当に正しいのか?御社にとって本当に最善の策なのか?を見極める事は難しいと思います。

なぜアレンジャーにお願いするのか

では、アレンジャーを何処にお願いするのかについてお話しさせていただきます。通常メイン銀行から提案されるケースが多いかと思いますが、一概にメイン銀行のみではないのが事実です。もしメイン銀行がアレンジャーを務められるのならば、シンジケートローン実行後の支援内容もきちんと整理しておく必要があると私は思います。

メイン銀行とは

そもそもメイン銀行とは、ウイキペディアにてメインバンク制と調べると、メインバンク制(メインバンクせい、英: main bank system)は、企業が主に取引する金融機関を1行に定め、密接な関係を保つという日本独自の金融慣行である。

 

「メインバンク」は和製英語。メーンバンク制、主力取引銀行制とも表記される。また概要のところには、企業は複数の銀行・信用金庫などと取引関係を保つのが通常である。しかし、その取引関係には濃淡がある。うち一行の主力取引銀行(メインバンク)とは・・・と記載されています。

 

これは実際にあった話ですが、シンジケートローンを実行されてから数年経過したメイン銀行に今後の企業様に対する考え方(取引方針)をお聞きした事がありました。当然メイン銀行は『今まで通り支援させていただきます。』という回答でした。経営者の皆様は『そんなの当たり前だ!』と思われた方が大半だと思います。

支援の内容が重要

私は何が言いたいのは『支援の内容』です。今回のメイン銀行の支援内容は保全重視(保証協会主体)というものでした。私は、まだ過去の決算で審査しているの?事業性評価はしていないの?それとも『事業性評価ができないの?』と思いました。

 

私も今までその様な経験を顧問先でした事があります。全ての金融機関がそうであると限りません。今回はたまたまなのか?今後恒常的に変わってくのか? 現時点ではわかりませんが・・・

 

私は常に今できる事を一緒に考え、一緒に行動していけたらと思っています。一度弊社に相談して頂き、改善策を一緒に考えませんか?

 

エクステンドでは、経営者からの無料相談を受け付けています。新たな資金調達を成功させたいや、返済・資金繰りが厳しいなどの財務でお悩みでしたらお気軽にご相談ください。まずは下記バナーより「無料相談」をご利用ください。財務コンサルタントが親身になって対応致します。

この記事の著者

  • 山中 肇

    経歴:愛知県第二地方銀行 管理職
    主な実績:
    ・金融機関調整
    CF以上の返済を履行していた先に対し、金融機関の見直しを行い、CF以内の返済額への減額対応し実現。
    ・資金調達
    適正な金額・期間・調達方法のアドバイスを行い資金調達を実施。
    ・リスケ対応
    改善計画書を作成し金融機関に一緒に訪問しリスケ交渉の支援を実施し毎月の返済額の見直しを行い、予実管理まで実施。
    ・サービサー対応
    サービサーとの交渉に同席し、円滑な交渉をサポート。
    ・金融機関対応以外に租税関係の交渉同席、取引先への支払延期交渉同席等、些細な事から大きな事まで対応しております。

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