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値上げによる収益改善の重要性と価格転嫁の業種別実施状況について

今回は商品単価値上げによる収益改善の重要性と価格転嫁の業種別実施状況についてお話をします。

 

原材料価格の高騰や為替相場の変動により企業の収益が悪化しており、商品やサービスの価格改定が行われています。単価を高くできれば利益を増加させることが出来ます。

 

売上高を分解すると、売上高=単価×客数×購買頻度になります。

 

変動費や固定費を容易に削減すると、商品の品質低下、業務効率が低下、従業員のモチベーション低下等の可能性があります。

 

単価アップは現在の原材料費・人件費高騰を考慮すれば、利益を確保する為には重要になります。

商品単価を上げるメリット

  • 売上高や利益の増加
  • ブランドイメージが向上

 

※販売単価を上げても1個当たりにかかる変動費は変わらないので、販売単価を上げて利益を獲得する事は有効です。

価格転嫁率の実施状況の業種別ランキング

上位

1位:化学61.0%

2位:製薬53.5%

3位:機械製造51.9%

4位:飲食サービス51.5%

下位

24位:廃棄物処理39.1%

25位:金融・保険35.3%

26位:放送コンテンツ33.7%

27位:トラック運送28.1%

(資料:価格交渉促進月間(2024年3月)フォローアップ調査結果 中小企業庁)

 

製造業系が上位にあり、トラック運送、放送コンテンツ等が低いといった傾向があります。

 

中小企業庁では、下請け中小企業が適切な価格転嫁を実現できるよう、取引環境の整備に向けた取組を行っています。価格転嫁サポート窓口、価格交渉促進月間フォローアップ調査、適正取引講習会等を行っているので確認してみて下さい。

 

価格転嫁が出来ずコスト上昇分を自社で負担している為、厳しい収益状況の企業は多いと思います。値上げする根拠の要因等を具体的に説明する、商品・サービスの高付加価値化を図る等の取り組みを行い解決していきましょう。

 

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この記事の著者

  • 井上 貴裕

    東京の地方銀行に15年間勤務。主に中小企業を対象に、担当者として常時100社前後を担当し、多くの取引先と接し、企業の成長・発展に貢献。事業再生支援・財務分析による経営改善等幅広い業務に携わり、資金調達、金融機関との交渉に強みを持つ。長年勤務し身に付けた業務・知識・経験により、金融機関との良好な関係作り、資金調達の支援、銀行が要望している資料作成は熟知している。500社以上の経営者様の相談を受け、解決手段を1000案以上の提案している。

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