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過去の赤字を補填するための融資はない

中小企業の経営が安全圏になったとはとても言えない状況が続いていますが、ここ数ヶ月にいただいている弊社宛てご相談の中で「コロナ禍からは明けたとはいえ、原価の増大や人員確保の問題、また顧客が新しい生活様式へ移行することによって売上は減ったまま、赤字がまだ続いている。どうにかして融資を得たいのですが、、、」という内容のものが増えています。

 

事業性評価等によって、今後融資可否に対する企業評価手法が変わっていくとはいえ、大原則を無視できないことは申し上げなくてはならないのです。

 

それは、「過去の赤字を補填するための融資はない」ということ。

 

コロナ融資は多くの企業の赤字を補填しましたが、これは未曾有の、中小企業自身に責任のない世界的な出来事にたいする政治的な社会保障、という概念によるものであってリーマンショックや震災に対応したセーフティネットまで含めてこれらは極めて例外的な対応です。

 

融資には資金使途、つまり融資資金が何に使われるものであるかは十分に吟味され、大きく運転資金や設備資金と区分けされますがこの資金使途というものは、貸し手にとって非常に重要なものであって「赤字を解消できないでいるから」は残念ながら理由にはならないのです。

よくお聞きする相談内容とは?

特に、無料相談などで経営者からお話を伺うと、

 

「コロナ融資を受けていない」

借りていれば、もっと十分に事業の改善に時間を使えた

 

「売掛金の大半がファクタリング、という状態が数ヶ月以上続いている」

「ひどい場合は、銀行借入返済分をファクタリングで賄ってしまっている」

手数料の支払いで黒字回復が困難

 

「コロナ融資は受けたが、本来の用途でないものに使ってしまった」

今後の融資を謝絶される理由になってしまう

 

など、正直に申し上げて対応が非常に繊細にならざるを得ないことが多いのです。

 

どう難しいかというと、上記の理由は事業そのものとは違う財務上の失策によって資金を失っている、という点にありまして事業の回復待ちをしなくてはならない時期に、財務側で支えられない状況を会社が自らつくってしまっている、そんな状況の会社を銀行が(コンサルがお手伝いしたとしても)評価してくれるのはさすがに困難だ、ということです。

 

私は「銀行融資を得ることができないのでは」と考えたお客様企業経営者には、正直にその旨をお伝えすることにしています。資金調達なしでもやっていける可能性を追及する方が目のない銀行融資の可能性を追い求めるよりも、マシだからです。

一日でも早い対応を!

有効な対応は、資金に対して、中小企業がとれる対応というのは

 

  • これまで以上に安全マージンをとる、具体的には現預金を厚めに確保しておく
  • そのために、実行してもらえる融資はいただく
  • 懸念や問題があるならば、一日でも早く対策する

 

この三点を超えるものはありません。財務の問題は人間でいう体質の問題であり、一朝一夕で解決されるものではありません。一方で、経営者は事業の改善に集中する方が経営の改善には繋がりやすく財務に手間暇かけ過ぎるのはもったいないのです。

 

資金対策に時間を割かれる事は、それ自体事業にも悪影響を与えるわけですから。気になるところのある方は、ご自身の負担を軽減するためにも、早く専門家へのご相談をされて下さい。

 

エクステンドでは、経営者からの無料相談を受け付けています。赤字体質を改善したい、新たな資金調達を得たいや、返済・資金繰りが厳しいなどのお悩みでしたらお気軽にご相談ください。まずは下記バナーより「無料相談」をご利用ください。

この記事の著者

  • 今野 洋之

    1998年さくら銀行(現三井住友銀行)入行。6年間で一般的な融資から市場取引、デリバティブ等広範な金融商品を多数取扱う。その後、企業側での財務経理責任者としてM&Aを実施、フリーとしての活動を経て2008年に当社入社。 相談・面談件数は全国で1100件以上、メルマガや雑誌等の記事執筆からメディアからの取材対応も多数。 一般的な金融取引の見直し、借入の無保証化、銀行取引の見直しによるコスト削減を一企業で年間8百万円以上達成。 粉飾開示と同時の返済条件変更依頼、条件変更中の新規融資実行も多数実施し、変則的な条件変更(一部金融機関のみの条件変更)の実行や、事業譲渡による再生資金の調達、事業を整理する企業の上記を全て、法制度・コンプライアンスの抵触なしに履行。

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