中小企業支援策は黒字企業が対象?赤字企業の支援策はあるのか?
金融庁や経済産業省から発表が進んでいる中小企業支援策については今後の新たな金融政策として、ここ20年以上の当たり前を変えるものが少しずつ現実になっていることは、メルマガでもお伝えしている通りです。
しかし、改めて確認しますと、多くの、いえ、ほぼ全ての施策は(例えば、事業性評価融資であるとか事業性劣後ローン、DDS、企業価値担保のような制度だったり、メインバンク制への回帰のような枠組みだったりですが)「できるだけ多くの中小企業が利用できるように」というものではありません。
貸借対照表がコロナ禍等で毀損していても損益において、現時点で黒字化が実現している、もしくは近い将来黒字化できる見込みが立っている言葉を変えれば「事業の成長性がある」ことを示し、銀行に認めてもらえた企業に限る、というのが現実です。
コロナ融資のような、外的要因によって発生した赤字を補てんしてくれるような融資支援は、もうないのです。
事業再生の取組みを要する新たな企業の特徴
上記はコロナ禍の前、2019年までであってもほぼほぼ言われていたことであり、ゾンビ企業をどのように処理していくのか、と議論がなされていたわけですからこの意味にのみ限定して言うのならば金融政策の動きは変わった、というよりコロナ禍によって大きく促進された、というのが正確でしょう。
コロナ禍によって変わったのは事業再生の取組みを必要とする企業が、コロナ禍によって大きく増加した中で「コロナ前までは、事業・財務上の問題がなかった企業」が多数含まれたということです。
このような企業は、事業収益力や財務の安全性はある程度以上あったものの、
- 普段大きく借入をしてこなかった(銀行からの依頼分のみで借入が足りた)ため、自身から融資を依頼する作法が分からない
- 企業規模に比べて取引金融機関が少ない・小さい(例えば、年商20億円でもメインバンクが信金)ため、事業再構築等で必要な設備資金や仕入資金を融資で受けることが、銀行(金融機関)側のキャパシティの問題でできない
ことで事業が縮こまり、なかなか回復軌道に乗せられないまま時間が経過してしまっている、という状況にあります。
早い対応で、正常化を急ごう
弊社においても、このような企業様からのご相談が非常に増えていますが、お話を伺う限り元々の地力があるため事業再構築が成されれば事業再生を果たすことが十分可能であることが多く、余力が残っている内に早めの対処をすることがお勧めです。
コロナ前から再生フェーズにあった企業様の場合は尚更にコロナ融資等の資金が尽きる前に抜本的な対策をとらなくてはなりません。現在私がお手伝いさせていただいている企業様の状況からみても、あまり時間は残っていない、と感じます。
赤字補てんがもうない中で、何とか突破口を見つけている状況ですから(それでも、見つけられているだけ良いことなのですが)。
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改めて、今後の金融制度は誰でも使えるものではありません。必要な部分は私共のような専門家にご相談いただければ全力でお手伝いさせていただきます。日本の中小企業は、単に滅びていくべきものではないのですから。
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