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銀行の融資金利と金利上昇以外の影響について

2024年3月19日、日銀がマイナス金利政策を解除しました。政策金利を引き上げるのは17年ぶりです。マイナス金利の解除を受けて普通預金の金利は引き上げになりましたが、短期プライムレート(1.475%)は据え置きで変わらず、短期プライムレートに連動する貸出金利も直ぐに引き上げはないと思います。但し、将来的には引き上げの方向性に向かいます。

 

今回は銀行の融資金利、金利上昇以外の影響等についてお話をします。

融資金利について

融資金利に関しては横ばいで推移しており、現状、特に大きな変化はありません。

 

貸出約定平均金利の推移(資料:日本銀行公表)

2024年1月分実績のストック〔当該月末時点において残高のある全ての貸出〕

 

・都市銀行    0.698%

・地方銀行    0.798%

・第二地方銀行  0.936%

・信用金庫    1.415%

 

金利上昇以外の影響は下記の点に注意が必要です。

為替が円安

先週日銀が利上げをしても円安が進行し、一時1ドル151円台後半となり2023年11月以来の円安・ドル高水準になっています。通常は金利が上がれば円高になると思いますが、色々な要因が加わり、現在は逆に振れています。中小企業は円安のメリットが少なく、海外からの仕入れコストが上昇するので、事前に対応策を立てることは重要です。

物価高の高騰

原材料費・人件費等のコスト上昇で、利益・売上高が減少するので、商品単価アップ・粗利益率の改善等の対応策が必要になります。

 

借入金利上昇への対応策は、7つ紹介しているので参考にして下さい。

 

⇒【関連】借入金利上昇による影響と金利上昇への対応策について

 

現在は営業利益が何とか確保できている企業が、支払利息を加えると利益がほぼ無くなるか、赤字になる企業が増えています。

 

支払利息が増えると収益力や目標利益が変わってくるので、収益確保改善策の方法として、損益分岐点を算出して対応策を立てて下さい。通常営業利益ベースで行いますが、経常利益ベースで算出する方が実体に反映出来きるので活用していきましょう。

 

【関連記事】外的要因に大きく影響を受けない財務体質構築

 

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この記事の著者

  • 井上 貴裕

    東京の地方銀行に15年間勤務。主に中小企業を対象に、担当者として常時100社前後を担当し、多くの取引先と接し、企業の成長・発展に貢献。事業再生支援・財務分析による経営改善等幅広い業務に携わり、資金調達、金融機関との交渉に強みを持つ。長年勤務し身に付けた業務・知識・経験により、金融機関との良好な関係作り、資金調達の支援、銀行が要望している資料作成は熟知している。500社以上の経営者様の相談を受け、解決手段を1000案以上の提案している。

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