銀行が変わっていかない背景
新たな融資支援体系を確立したい動きが続く一方で現場では極一部でしか、その恩恵を受けることができない状況ですが銀行がなかなか変わっていかない背景はどうなのでしょうか。最近の銀行員との会話は交渉の中から、改めて確認してみます。
人が足りない
業務量が飽和していることは随分前から良く聞かれていることです。そのためにこそ、メインバンク制への回帰から融資先を減らし 代わりに1社あたりの融資金額を増やすことで、より「企業をよく見る」ことが求められているのですが、他銀行との足並みを揃えないと、メインになってしまうと支援責任を問われる、とか後ろ向きな思想が変化を遅らせてしまっています。
ノウハウの喪失
現在40代以下の銀行員は、金融検査マニュアルによる企業評価の画一化以前の、いわゆる「バンカー」としての融資判断や評価手法に触れずに銀行員をやっています。金融検査マニュアルに依存した時間が長くなりすぎて本来の融資とはどういうものなのか、先輩や上司から教えていただくこともできないのです。なにしろ、その先輩や上司も知らないのですから。
恥ずかしながら、私にしても本来の融資のあり方というのは銀行員時代ではなく、辞めてから理解した部分が大きく、教えてくださる相手は「私よりも年配の銀行OB」です。「なんだ、今の連中はそんなことも知らないのか」と何度言われてきたことか、、、
叩かれすぎて誇りが失われた?
もはや、ただの愚痴なのでしょうけれど、銀行員はここ20年以上諸々批判の対象になりがちです。特に若手銀行員にとってはお客様企業に訪問しては銀行のあり方について苦言を受け、支店に戻っては上司からノルマに対して叱責を受け、部屋に戻ってテレビをつければ、銀行が報道ででてくる場合ほぼ100%批判されるニュースを見ることになります(近年は銀行のニュースも随分と減りましたが)。
もっと大変な思いをされている企業経営者が沢山いらっしゃるのは重々理解したいのですが、銀行員は銀行員で強烈なストレスの中で仕事をしています。
そんな背景が影響しているのでしょうか、「もっと企業を良く知ろう」という取り組みが少し変節して、あまりにも取引先(融資先)企業に対して下手にしか対応しない銀行員が大量発生しています。
本来、「貸さないこともやさしさの内」として毅然とした対応をするのが銀行員に求められる姿。嫌われても信念をもって説明責任を果たしていく、この姿勢を崩さないことが銀行員の誇りだったはずですが上記によって心が折れがちな上に「どうせ融資などできない」という諦めが、卑屈さに変わっているのが実情と感じます。
企業も銀行も、焦らず急いで
若手銀行員の方にお話を伺っても、今ひとつ将来への希望を感じないことが多いのですが、赤の他人に与信してお金を貸すという銀行の機能は、本来物凄い力であることをお伝えするようにしています。
まだ少数ではありますが、前を見据えて業務に取り組もうとしている銀行員だって間違いなくいらっしゃいます。
企業側も経営改善努力をしつつ、銀行側にも一歩一歩、新たな金融の姿への変身をお願いしていきたいと思います。実際、弊社のお客様企業の中には、私自身「そんなことできるのか」と感じた金融支援を得た企業もあるのですから。
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