売掛債権担保融資の利用条件が緩和
売掛債権担保融資とは、文字通り売掛金を担保として融資を行う金融商品であり、概ね今世紀初頭頃から世に出てきてはいたものの管理事務の煩雑さや売掛金の評価が困難であることなどから利用金額は今ひとつ伸び悩み、特に銀行プロパーでの取扱いはほとんどなく、ごく一部のノンバンクに取扱いが限られてきたというのが実情でした。
そんな一部の取扱い業者の利用をしたい、と思っても更なる障害となっていたのが「譲渡担保禁止特約(譲渡制限特約)」の存在。
要するに、取引基本約定(契約)などに基づく売掛債権を他へ譲渡等をしてはいけません、という特約で、この規定があれば、該当する売掛金は担保として差入れすることができなくなるのです。
特に大企業の基本約定の書式では、大半の場合この特約が入っているため、結局売掛債権担保融資の対象にならず資金調達として使えない、となっていました。
この状況に対応することがようやく具体化し、2020年4月に改正された民法において、譲渡担保禁止特約が販売契約に含まれていても法的に譲渡が認められるとなりました。これによって4年前に法的には、譲渡担保禁止特約は売掛債権担保融資に対する障害ではなくなったのです。
融資商品としても反映されつつある
しかし、当時はコロナ禍においてコロナ対策融資が実施された、まさにその時であったためこの件はあまり焦点があたることもなく、また、良くも悪くも企業のコロナ対策調達はほとんどコロナ対策融資で行われたこともあり、売掛債権担保融資を取り扱う業者も譲渡担保禁止特約の取扱いの変更をこの時点では行っていませんでした。
2023年後半に入りこの検討がはじまり、実務として売掛債権担保融資において譲渡担保禁止特約の存在が融資できない理由ではない、という融資条件の変更を行う業者が出てきています。
中小企業にとって、銀行が新規融資に及び腰である場合やファクタリングではあまりにも手数料負担が大きい場合のもう一つの選択肢として、念頭においてよいものでしょう。
ただし、売掛債権担保融資においては、他にも独特の融資条件が存在します。売掛金のボリュームや売掛先数、回収条件といったところですが借り手側が用意するべき情報・資料という点だけではなく既存の融資を受けている銀行にとっては他の金融業者に売掛金を押さえられる、と解されるため既取引銀行へ一定の説明を行う必要があり、これらの意味では弊社のような専門家への相談を通じてご利用を検討されるべきです。
コロナ禍が明けたからこそ、資金が必要となった企業は多いですが金融商品の整備はまだ追いついていない、という状況です。資金調達の選択肢は、多いに越したことはありません。今年は、資金への不安が解消されるとよいですね!
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