会社の資金繰りが厳しい時、何を優先的に支払うのか?
国税庁が公表した令和4年度租税滞納状況によると、今年3月末時点での法人税や消費税など国税の滞納残高が令和2年度から3年連続で増加したことが明らかになった。
これは、新型コロナウイルス感染症の経済対策で特例猶予制度が適用され、滞納の新規発生が抑えられていた分が、猶予期限を過ぎて上積みされたことなどが要因。新規発生滞納額は前年度に比べ▲4.4%減の7,196億円と3年ぶりに減少した。という記事を見ました。
この記事をみて私はまさしく新型コロナウイルス感染症の経済対策で特例猶予制度が適用され、一時的に抑えられたが、猶予期限を過ぎて上積みの納付が始まり納付ができない企業様が増加しているのが現状なのではないでしょうか?当然、社会保険も同じことがいえると思います。
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御社の状況はどうですか?
①そもそもコロナ期間中も特例猶予制度を利用しなかった
②特例猶予制度を利用したが特に問題無く納付ができている
③特例猶予制度を利用したが更に納付が厳しくなっている
どちらに該当しますか?
目次
納付が出来ない理由は本当にコロナだった?
①②の方は特に問題無いのですが、③の方に私は問いかけたい。どうされますか?どうしたいですか?
そもそも「なぜ今納付できないものが、納付額が増加しても納付できると判断したのか?」納付が出来ないのは、コロナの影響をうけているからであり、コロナが終息すれば問題無く納付できると判断されたというところでしょうか?しかし納付が出来ない理由は本当にコロナだったのですか?
私も相談を受けるケースがあるので、一番多い相談はコロナ融資の据置期間が終わり返済が開始され毎月の返済が厳しいという相談。次に多いのが税金・社会保険の納付が出来ないという相談です。私は経営者からの相談を受けた際に下記の事を質問させていただきます。
何を優先的に支払うのか?
資金繰りが厳しい時に何を優先的に支払うのか?
①税金・社会保険
②人件費(給与)
③取引先(仕入資金・外注費)
④銀行融資の返済
上記の順番だとお答えになる経営者の方が多いのですが、中には「④銀行融資の返済」を2番目3番目にあげられる経営者の方が時々おみえになります。(銀行返済は後でお話しさせていただきます。)
上記より「①税金・社会保険」は強制力が強いというイメージを待たれている経営者の方は多く、納付できない時には差押え等が行われてしまうというお考えがあり、だからこそ何よりも優先して納付されているのではないでしょうか?
でもよく考えください。なのになぜ税金・社会保険の納付を後回しにしたのですか?
きっと、『国が新型コロナウイルス感染症の経済対策で特例猶予制度を適用したから利用した』とお答えになるのでしょう。確かに国の経済対策で救われた方は本当に多くみえると思います。しかしその反面制度が終了した事で更に納付が厳しくなり『倒産』に追い込まれた企業もあるという事です。
当然今支払が出来ないものは、支払の期日が来るまでに支払いできるようにしなければ、最大限に活用できないという事です。
では本来、税金・社会保険に充当しようと考えていた資金はどこへ・・・?
次に「④銀行融資の返済」についてはどうですか?同じ事が言えるのではないでしょうか!?国が新型コロナウイルス感染症の経済対策でコロナ融資という制度を出しました。すぐに返済をせずにある一定期間の据置を利用するものでした。
現状の返済が厳しい企業様が据置期間が修了した時に今迄以上の返済が発生した場合にどうなるのか?最終的には『倒産』に追い込まれる企業もあるという事です。
では本来、銀行融資の返済に充当しようと考えていた資金はどこへ・・・?
つまりよく考えて(資金繰りを考えて)判断しないと後で大変になるという事は理解して頂いたと思います。
何を優先的に支払うのか?
では本題にもどします。
①税金・社会保険
②人件費(給与)
③取引先(仕入資金・外注費)
④銀行融資の返済
何を優先的に支払うのか?
上記の順番だとお答えになる経営者の方が多いのですが、中には「④銀行融資の返済」を2番目3番目にあげられる経営者の方が時々おみえになります。なぜならば、
「①税金・社会保険」は強制力が強いもので何よりも優先すると言われています。つまりすぐに差押え等を行います。
「②人件費(給与)」「③取引先(仕入資金・外注費)」は支払う事で、お金につながります。つまり売上になってそれ以上のものになって帰ってきます。
「④銀行融資の返済」は返済する事でまた融資をしてくれるというところではないでしょうか?
ではこの「④銀行融資の返済」についてもう少しお話にお付き合いください。『折り返し融資』という言葉をご存知だと思います。
折り返し融資とは?
折り返し融資とは、例えば運転資金を金額10,000千円 期間5年(毎月の返済元金167千円)の長期借入にて資金調達をしたとします。
長期借入金は毎月返済を行いますので、借入残高が徐々に減っていきます。3年後の残高は10,000千円-(167千円×36回)=3,988千円となります。
その時に運転資金を再度10,000千円 期間5年(毎月の返済元金167千円)にて申込を行い条件として既存融資(3,988千円)を返済条件にする事で真水は6,012千円となりますが、毎月の返済額も同じで返済負担も増加しない借入方法です。
つまり、返済すればまた貸してもらえる! だから金融機関融資の返済が2番目3番目にされる経営者の方がみえるのだと思います。
優先順位を間違える、支払を伸ばす事には大きなリスクを伴うのです。そうならない為には一度弊社に相談して頂き、改善策を一緒に考えませんか?まずは下記バナーより「無料相談」をご利用ください。また、改めて資金繰り改善の具体策ややってはいけないことを下記に記載致します。
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資金繰りが厳しくなる原因
資金繰りの問題は往々にして複数の要因が絡み合って発生します。これらの要因は大きく外部要因と内部要因に分けることができます。それぞれについて、具体的に見ていきましょう。
外部要因(経済状況、市場変化など)
外部要因とは、企業自身ではコントロールが難しい環境の変化を指します。主な外部要因には以下のようなものがあります。
・経済状況の悪化
景気後退期には消費者の購買意欲が低下し、売上が減少する傾向にあります。また、インフレーションにより原材料費が上昇すると、利益率が圧迫されることがあります。
・市場環境の急激な変化
新技術の登場や消費者ニーズの変化により、既存の商品やサービスの需要が急落することがあります。また、新規参入者の増加による競争激化も、収益性を低下させる要因となります。
・取引先の経営悪化
主要取引先が資金繰りに困難を抱えると、支払いの遅延や未払いが発生し、自社の資金繰りにも直接的な影響が及ぶことがあります。
・自然災害や感染症の流行
予期せぬ災害や感染症の拡大は、事業活動を制限し、売上に大きな打撃を与える可能性があります。
・法規制の変更
新たな規制の導入や既存規制の厳格化により、追加のコストが発生したり、事業モデルの変更を余儀なくされたりすることがあります。
内部要因(経営管理、事業戦略など)
内部要因は、企業自身の経営判断や業務プロセスに関連するものです。これらは外部要因と比べて、経営者の努力によって改善できる可能性が高い要因です。
・売上管理の不備
適切な価格設定ができていない、効果的な販売戦略が立てられていないなどの理由で、十分な売上が確保できていない状態を指します。
・コスト管理の甘さ
経費の無駄遣いや非効率な業務プロセスにより、利益率が低下している状況です。固定費の見直しや変動費の適切な管理が行われていないケースが多く見られます。
・在庫管理の失敗
過剰在庫は資金の滞留を招き、一方で欠品は機会損失につながります。適切な在庫水準を維持することが重要です。
・債権回収の遅れ
顧客からの支払いが遅延することで、運転資金が不足する事態に陥ります。与信管理の強化や回収プロセスの改善が必要となります。
・設備投資の失敗
市場ニーズを見誤った設備投資や、返済計画が不十分な借入による投資は、長期的な資金繰りを圧迫します。投資の意思決定には慎重な検討が求められます。
・財務管理能力の不足
キャッシュフローの予測や適切な資金計画の立案ができていないことで、突発的な資金需要に対応できない状況に陥ることがあります。
これらの要因を理解し、定期的に自社の状況を点検することが重要です。外部要因に対しては早期の察知と対策の準備を、内部要因に対しては継続的な改善を心がけることで、資金繰りの問題を未然に防ぐことができます。
資金繰りが厳しい時の対処法
中小零細企業の経営者の皆様、資金繰りが厳しくなった際には、冷静に状況を分析し、適切な対策を講じることが重要です。ここでは、短期的な対策と中長期的な改善策について、具体的に解説していきます。
短期的な対策
短期的な対策は、即効性のある方法で当面の資金不足を乗り越えることを目的としています。以下に主な対策を紹介します。
・売掛金の回収促進
取引先への支払い督促を強化し、回収サイクルを短縮します。場合によっては、早期支払いの見返りとして割引を提供することも検討しましょう。
・支払いサイトの延長交渉
仕入先や貸主と交渉し、支払い期限の延長を求めます。ただし、取引関係を損なわないよう、誠実に状況を説明し、理解を求めることが大切です。
・不要資産の売却
遊休資産や余剰在庫を現金化し、即時の資金を確保します。ただし、将来の事業に必要な資産は慎重に判断する必要があります。
・経費の緊急削減
非必須の支出を一時的に凍結し、固定費を可能な限り圧縮します。ただし、顧客満足度や従業員のモチベーションに影響を与えないよう注意が必要です。
・短期借入の活用
銀行やノンバンクから短期の運転資金を借り入れます。返済計画を綿密に立て、借入過多にならないよう注意しましょう。
中長期的な改善策
中長期的な改善策は、企業の財務体質を根本から強化し、持続可能な資金繰りを実現することを目指します。以下に主な策を紹介します。
・事業モデルの見直し
収益性の低い事業や製品ラインを見直し、高収益な分野にリソースを集中させます。場合によっては、事業の多角化や新規事業の立ち上げも検討しましょう。
・財務管理体制の強化
キャッシュフロー予測の精度を上げ、中長期的な資金計画を立案します。また、管理会計システムを導入し、部門別や製品別の収益性を常時把握できる体制を整えましょう。
・営業力の強化
新規顧客の獲得や既存顧客との取引拡大を図り、安定的な売上増加を目指します。営業社員の教育や、マーケティング戦略の見直しも重要です。
・生産性の向上
業務プロセスの効率化やIT化を進め、少ない人員でも高い生産性を維持できる体制を構築します。従業員教育や設備投資も検討しましょう。
・資本構成の最適化
自己資本比率を高め、財務体質を強化します。増資や社債発行など、負債に頼らない資金調達方法も検討しましょう。
戦略的なパートナーシップの構築。同業他社や関連業種の企業と提携し、リソースの共有やシナジー効果の創出を図ります。これにより、コスト削減や新たな収益機会の創出が期待できます。
これらの対策を組み合わせ、短期的な危機を乗り越えつつ、中長期的な視点で企業体質を改善していくことが重要です。一時的な資金繰りの改善に満足せず、継続的な経営改善を心がけることで、より強固で安定した企業経営を実現できるでしょう。
資金繰り改善のための具体的な方策
中小零細企業の経営者の皆様、資金繰りの改善には様々な方策があります。ここでは、融資方法、補助金・助成金の活用、そして専門家への相談プロセスについて詳しく解説します。これらの方策を効果的に活用することで、資金繰りの改善に大きく貢献できるでしょう。
融資方法の詳細説明
銀行融資は最も一般的な資金調達方法です。事業計画書や財務諸表を準備し、融資の目的や返済計画を明確に説明することが重要です。信用保証協会の保証付き融資を利用すると、審査のハードルが下がる可能性があります。
政府系金融機関の活用も検討しましょう。日本政策金融公庫や商工組合中央金庫は、中小企業向けの融資制度を多数用意しています。特に、新型コロナウイルス対策の特別融資は金利が低く、据置期間も長いため、検討の価値があります。
クラウドファンディングや事業性ローンなど、新しい融資方法も増えています。これらは審査基準が従来の銀行融資と異なるため、銀行融資が難しい場合の選択肢となります。
補助金・助成金の活用方法
補助金や助成金は返済不要の資金であり、積極的に活用すべきです。ただし、申請には綿密な準備が必要です。
中小企業庁の各種補助金(ものづくり補助金、持続化補助金など)は、設備投資や販路開拓に使えます。これらの補助金は競争率が高いため、事業計画の策定には十分な時間をかけましょう。
地方自治体独自の助成金制度もあります。地域の商工会議所や産業支援センターに相談し、利用可能な制度を探してみましょう。
財務コンサルへの相談
資金繰りの改善には専門的な知識が必要です。一人で抱え込まず、財務コンサルタントに相談することをお勧めします。税理士や中小企業診断士では解決できない場合がありますので、資金繰りの悩みは財務コンサルタントに相談がおすすめです。
財務コンサルタントは、資金繰り、資金調達のアドバイスが可能です。エクステンドでは財務状況の分析から事業計画の策定まで、幅広くサポートしてくれます。また、税務や会計面でのアドバイスに加え、銀行との交渉力も持っています。決算書の改善や資金繰り表の作成など、具体的な支援が期待できます。
これらの方策を実行する際、経営者一人では難しいと感じることも多いでしょう。そんな時こそ、財務コンサルタントのサポートが力になります。1人で悩まず、成長階段の踊り場と考え、専門家の力を借りる時期と考えると少しは気が楽になるかもしれません。
エクステンドでは、経営者からの無料相談を受け付けています。新たな資金調達を得たいや、返済・資金繰りが厳しいなどの財務でお悩みでしたらお気軽にご相談ください。まずは下記バナーより「無料相談」をご利用ください。
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資金繰りの改善は一朝一夕にはいきませんが、適切な方策と財務コンサルタントのサポートがあれば、必ず道は開けます。まずは一歩踏み出すことが重要です。あなたの事業の発展を心よりお祈りしております。
資金繰りが苦しくても絶対にやってはいけないこと
資金繰りが厳しい状況に陥ると、ついつい近視眼的な判断をしがちです。しかし、一時的な解決策が長期的には致命的な問題を引き起こすことがあります。ここでは、どんなに苦しくても絶対に避けるべき行動について説明します。
違法行為(粉飾決算、脱税など)の危険性
違法行為は絶対に避けなければなりません。一時的に資金繰りが改善したように見えても、発覚した際のリスクは計り知れません。
粉飾決算は、金融機関や取引先の信頼を完全に失うことにつながります。融資が打ち切られるだけでなく、刑事罰の対象にもなり得ます。
脱税も同様に危険です。税務調査で発覚した場合、追徴課税に加えて重い罰金が科される可能性があります。さらに、社会的信用の失墜は会社の存続自体を危うくします。
これらの行為は一時的な逃げ道に見えるかもしれませんが、長期的には必ず会社と経営者自身を破滅に導きます。どんなに苦しくてもコンプライアンスを守ることが重要です。
過度な借入や無理な設備投資のリスク
資金繰りが苦しい時こそ、冷静な判断が求められます。過度な借入や無理な設備投資は、さらなる資金繰りの悪化を招く可能性が高いです。
借入金の返済計画は慎重に立てる必要があります。現在の経営状況を冷静に分析し、確実に返済できる見込みがない限り、新たな借入は避けるべきです。
設備投資についても同様です。「この設備さえあれば売上が伸びる」という楽観的な見通しは危険です。市場調査や投資回収計画を綿密に立て、本当に必要な投資かどうかを見極めましょう。
資金繰りが苦しい時期の投資は、会社の体力を奪い、回復の機会を失わせるリスクがあります。慎重な判断が必要です。
従業員や取引先への不適切な対応
資金繰りの苦しさを理由に、従業員や取引先に無理を強いることは避けるべきです。短期的な資金捻出のために、長期的な信頼関係を損なうのは得策ではありません。
従業員の給与支払いの遅延や一方的な給与カットは、モチベーションの低下や優秀な人材の流出につながります。労働基準法違反にもなりかねません。
取引先への支払い遅延も同様です。信用を失えば、今後の取引に支障をきたし、結果的に事業の継続を困難にします。
むしろ、従業員や取引先と誠実にコミュニケーションを取り、状況を説明し協力を仰ぐことが重要です。多くの場合、適切な説明と誠意ある対応があれば、理解と協力を得られる可能性が高まります。
資金繰りが苦しい時こそ、冷静さと誠実さを保つことが重要です。これらの「やってはいけないこと」を避け、適切な対策を講じることで、必ず道は開けます。一人で抱え込まず、財務コンサルタントに相談してみてください。その道のプロからの対策を聞くことは、資金繰りが楽に回る近道です。
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