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借入金が多いと良くないイメージがありますがメリットもあります。

今回は、有利子負債から現金及び預金を差し引いた正味の負債額である純有利子負債についてお話をします。

 

純有利子負債=有利子負債 – 現金・預金(ネット有利子負債とも言います)

 

※計算式の金額が小さい程、安全性は高くなります。

※金額がマイナスの場合は、現金・預金の方が多く、実質無借金の状況です。

 

コロナ禍における融資により借入金の増加と共に、現預金残高も増加しています。これにより、貸借対照表上(B/S)の総資産が増加し、全体としてバランスシートが膨れ上がっています。

 

借入金が多いかどうかを判断する指標に借入金月商倍率等がありますが、緊急融資で取り敢えず資金繰りに余裕を持たせるために借入しているケースは多いです。

 

その為、実体に反映してないので、純有利子負債を考慮して算出すると実態に即した判断が可能になります。借入金が多いと良くないイメージがありますが、メリットもあります。

借入金が多いメリット

  • 手持ち現預金だけで事業を拡大していく為には限度があり、借入することで事業の成長・拡大が期待できる
  • 銀行の審査を通っているので、信用力が高い企業と判断される
  • 一時的に資金繰りが楽になり、安定した経営ができる

 

一方、現状で現預金がまだ残っていれば問題はありませんが、月の経過とともに減少し近い将来、ほぼ無くなる状況であれば、早めの対応策が必要です。

 

直近3期分の決算書から、借入金と現預金残高の推移を比較してみて下さい。次に、直近試算表から、決算日以降の月別借入金と現預金残高の推移も比較してみて下さい。

 

比較することにより、現預金が増加しているのか、減少しているのかを把握することが可能になります。

 

減少しているのであれば、早急に減少した要因を調べて、具体的な対応策を立てることが重要です。一刻も早く現預金を維持・プラスに持っていく必要があります。

 

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この記事の著者

  • 井上 貴裕

    東京の地方銀行に15年間勤務。主に中小企業を対象に、担当者として常時100社前後を担当し、多くの取引先と接し、企業の成長・発展に貢献。事業再生支援・財務分析による経営改善等幅広い業務に携わり、資金調達、金融機関との交渉に強みを持つ。長年勤務し身に付けた業務・知識・経験により、金融機関との良好な関係作り、資金調達の支援、銀行が要望している資料作成は熟知している。500社以上の経営者様の相談を受け、解決手段を1000案以上の提案している。

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