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メインバンクどこにする?年商5億未までなら信用金庫・信用組合がおすすめ

これから進むメインバンク制への回帰にあたっては、どの金融機関をメインバンクにするべきか、の選択がついて回ります。

 

近い将来、中小企業のメインバンクは概ね地方銀行(大手ではない)や信金・信組に集まることが見込まれていますが、メインバンクがメガバンクや大手地銀でないのはちょっと見栄えが、、、という経営者様も、まだまだいらっしゃいます。

年商5億円迄なら地元の信金・信組がメインバンクで十分なのではないか

 

メガバンクは中小企業向け融資から引いている

一昔前は、メインバンクがどこか、ということは取引先やエンドユーザーからの信用・ステータスに相応に影響し極端な例を挙げれば、「都市銀行の銀座支店が発行した手形を振り出し、見せる」ことで、その銀行・支店からの与信取引があることを匂わせることが本当に対外的な信用能力として認められるポイントになったりもしたのです。

 

今も、振込手数料をできるだけ下げたい等の理由から、より大きな銀行の預金口座をもつ一方で、顧客からの入金指定口座とすることで融資取引はないけれど、メインバンクのようにも見えるとしている企業も、非常に多いです。

 

別に悪いことではありませんが、経緯と原因という点では「かつては中小企業向けの与信取引(融資取引)をほとんどやらなかった当時の都市銀行や地方銀行が1980年代以降参入してきた」ことの名残りではあります。既にメガバンクは中小企業向け融資の拡大意思はなく縮小傾向にあり、大手地方銀行においても近い方向性です。

 

よって、メガバンク・大手地方銀行がメインバンクという企業数は銀行側の都合によって減少していきます。

 

信金・信組からみても、本来の在り方から考えれば営利組織(株式会社)である銀行よりも非営利組織である信金・信組の方が、外部環境による業績の悪化等に対しての抵抗がしやすく短期的な収益に囚われ過ぎない支援が可能というところで中小企業向け融資には向いている、とされます。

 

今そうなっていないのは、やはり金融検査マニュアルの弊害で、信金・信組の非営利組織としての特性を度外視し銀行と同じマニュアル運用を強制してきた結果です。

 

一部の信金・信組では新たな中小企業向け融資の取組みが始まっています、企業側はそんな金融機関との取引を検討していくべきでしょう。

 

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メインバンクはより大きな銀行でなくてはという考え方はなくなっていくのですが、一方で、金融機関の1社あたりの融資可能金額つまりリスクテイク可能量は、より大きな規模の金融機関の方が大きくとりやすいことも事実であり、改めて「事業をはじめて最初は地元の信金・信組をメインとしてもどのくらいの規模になったらステップアップを検討するのか?」この線引きを考える必要があります。

メインバンクを選ぶ基準はあるのか

年商を基準にするならば、5億円程度迄ならば地元の信金・信組で十分なのではないか、と考えています。

 

といいますのも、業種によりますが年商5億円ほどならば借入はコロナ融資を入れても2億円程度が標準ではないかと想定でき、この程度であれば保証協会の保証付き融資と公庫からの融資に、多少のプロパー融資の実行があれば十分以上に賄えるから、です。

 

加えて、それぞれの個別のご事業や将来的な拡大方針の有無を検討した上でメインバンクを選んでいければよいのではないでしょうか。これからの銀行取引は「数を増やして分散」よりも「数を減らして集中」に向かいます、銀行の選択は間違いのないように、ご留意下さい。

 

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この記事の著者

  • 今野 洋之

    1998年さくら銀行(現三井住友銀行)入行。6年間で一般的な融資から市場取引、デリバティブ等広範な金融商品を多数取扱う。その後、企業側での財務経理責任者としてM&Aを実施、フリーとしての活動を経て2008年に当社入社。 相談・面談件数は全国で1100件以上、メルマガや雑誌等の記事執筆からメディアからの取材対応も多数。 一般的な金融取引の見直し、借入の無保証化、銀行取引の見直しによるコスト削減を一企業で年間8百万円以上達成。 粉飾開示と同時の返済条件変更依頼、条件変更中の新規融資実行も多数実施し、変則的な条件変更(一部金融機関のみの条件変更)の実行や、事業譲渡による再生資金の調達、事業を整理する企業の上記を全て、法制度・コンプライアンスの抵触なしに履行。

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