プロパー融資に経営者保証を求めない14の地方銀行
2023年5月現在、全国で100程度ある地方銀行のうち、下記の14の銀行は「原則、プロパー融資に経営者保証を求めない」方針であることを表明している銀行です。
- 北洋銀行
- 八十二銀行
- 北國銀行
- 南都銀行
- 紀陽銀行
- 山陰合同銀行
- 広島銀行
- 西京銀行
- 阿波銀行
- 福岡銀行
- 十八親和銀行
- 熊本銀行
- 豊和銀行
- 琉球銀行
特に北國銀行では「プロパー融資の経営者保証を廃止」と大きく前に進んでおり、実績としても2022年4月から9月の新規融資における無保証融資の割合は地銀全体の平均40%に対して87%と裏付けが現れています。
このような数値は今後とも定期的に発表されるでしょうから、経営者保証にしがみつこうとする銀行と経営者保証に依存しない銀行との違いが、今後よりはっきりすることになるでしょう。
それでも、経営者保証を外せない企業はある
それでも、このデータも単純に解釈できるわけでもありません。なにしろ「新規実行分」であって、「既存融資分」ではないのです。
今年になって、再生途上の企業経営者様からの「経営者保証を外したいが、銀行に断られている」というご相談が増えています。そのお気持ちは分かるのですが
- 返済条件変更(リスケ)をしている
- 粉飾(と解釈されてしまう処理)がある
- 法人・個人の分離が不十分
場合には、既存融資分について「経営者保証の解除」条件には該当しません。上記三点の問題の解消が必要です。
また、信用保証協会の保証を受けた借入がある場合には、信用保証協会の保証条件の一つが「経営者が保証すること」と明示されていることから現状の規定では、特殊な一部の制度融資を除いて、経営者保証の解除はできません。
将来的には可能性はあるが、経営者保証解除は再生の先にある
これらの状況からすると、無保証融資というのは再生途上企業には当てはまらないのです。最近では「経営者保証の外し方」というテーマ名のセミナー等も散見されますが、
- 正常な財務評価を得られている
- 法人・個人の分離がなされている
- 財務情報開示が適切にできる
のであれば必然的にできる、というのが答えです。再生途上企業の場合は、正常な財務評価に至っていないのですから外せないのです。
従って、「事業再生することで、経営者保証も外れていく」とご理解いただきたいのです。
数年内に実現するであろう「事業成長担保権」をもってすれば今よりもさらに幅が広がる、と予測できるのですが。
それにしても事業という担保への評価が十分であることが大前提になりますから、事業価値を上げる、さしあたっては将来の収益力を上げていくこととどのつまりは事業として再生していくことが経営者保証解除に繋がることは同じです。
制度規定の抜け道を探すというよりは本業の改善が何より制度の利用に繋がる、ということです、これまでの金融検査マニュアルのような「経営と対銀行で求められるものが違う」ものよりはずっとマシなものではないでしょうか。
エクステンドは、中小企業に特化した経営コンサルティング会社です。無料の経営相談を承っております。銀行融資での経営者保証を解除したい、担保交渉を検討したい、資金繰り改善のために根本的な経営体制を改善したいなどのお悩みがございましたら、下記バナーより「無料相談」をご利用下さい。