本業での収益力の有無がゾンビ企業脱出の全て
「ゾンビ企業」とは、実質的に経営が破たんしているが、政府・銀行等金融機関からの支援によって存続している企業のこととされています。
昨年末の、帝国データバンク発表によれば約18.8万社率としては12.9%の企業がゾンビ企業に該当するという内容で、増加傾向にあるとのこと。
「政府・銀行等金融機関からの支援によって存続している」というのなら、政策次第で左右される、とも捉えられますが国会等の政府機関では来年度以降の中小企業向け支援に対する予算が削減傾向に入っているとのこと、ゾンビ企業への支援は薄くなっていく一方に見えるのですが実際のところ、どうなのでしょうか?
本業での収益力の有無がゾンビ脱出の全て
ゾンビ企業の定義は、他の要因も組み合わさってはいますが結局のところ、インタレスト・カバレッジ・レシオ(営業利益+受取利息・配当金)/(支払利息・割引料)が1以上かどうか、で概ね決まります。
逆に、自己資本比率や、借入金額の大小を問うような項目は、ゾンビ企業の定義にはありません。債務超過・借入過多であっても、支払金利を超えられる利益があればよい、と捉えることができます。
「コロナ禍による赤字をはじめとした、過去の損失はやむを得ない、でも現在から将来にかけて金利くらいは払ってもらえる利益を出せますか?」このような問いかけをしているわけです。
問題は、それがいつから、どれくらい可能なのか十分なインタレスト・カバレッジ・レシオに到達するまで銀行が待てるのか、資金がもつのか、というせめぎ合いが、これからの企業再生のポイントになっていくのでしょう。
- 現在の事業の延長で、十分な収益を産めるのか
- 横展開するとして、十分な生産能力を持てるのか
- 別事業進出するとして、顧客を得ることができるのか
ゾンビ企業とされてしまった企業の経営者はこの選択が問われることになります。会社の在り方から、見直しを求められるのでしょう。
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