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本業での収益力の有無がゾンビ企業脱出の全て

「ゾンビ企業」とは、実質的に経営が破たんしているが、政府・銀行等金融機関からの支援によって存続している企業のこととされています。

 

昨年末の、帝国データバンク発表によれば約18.8万社率としては12.9%の企業がゾンビ企業に該当するという内容で、増加傾向にあるとのこと。

 

 

「政府・銀行等金融機関からの支援によって存続している」というのなら、政策次第で左右される、とも捉えられますが国会等の政府機関では来年度以降の中小企業向け支援に対する予算が削減傾向に入っているとのこと、ゾンビ企業への支援は薄くなっていく一方に見えるのですが実際のところ、どうなのでしょうか?

本業での収益力の有無がゾンビ脱出の全て

ゾンビ企業の定義は、他の要因も組み合わさってはいますが結局のところ、インタレスト・カバレッジ・レシオ(営業利益+受取利息・配当金)/(支払利息・割引料)が1以上かどうか、で概ね決まります。

 

逆に、自己資本比率や、借入金額の大小を問うような項目は、ゾンビ企業の定義にはありません。債務超過・借入過多であっても、支払金利を超えられる利益があればよい、と捉えることができます。

 

「コロナ禍による赤字をはじめとした、過去の損失はやむを得ない、でも現在から将来にかけて金利くらいは払ってもらえる利益を出せますか?」このような問いかけをしているわけです。

 

問題は、それがいつから、どれくらい可能なのか十分なインタレスト・カバレッジ・レシオに到達するまで銀行が待てるのか、資金がもつのか、というせめぎ合いが、これからの企業再生のポイントになっていくのでしょう。

 

  • 現在の事業の延長で、十分な収益を産めるのか
  • 横展開するとして、十分な生産能力を持てるのか
  • 別事業進出するとして、顧客を得ることができるのか

 

ゾンビ企業とされてしまった企業の経営者はこの選択が問われることになります。会社の在り方から、見直しを求められるのでしょう。

 

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この記事の著者

  • 今野 洋之

    1998年さくら銀行(現三井住友銀行)入行。6年間で一般的な融資から市場取引、デリバティブ等広範な金融商品を多数取扱う。その後、企業側での財務経理責任者としてM&Aを実施、フリーとしての活動を経て2008年に当社入社。 相談・面談件数は全国で1100件以上、メルマガや雑誌等の記事執筆からメディアからの取材対応も多数。 一般的な金融取引の見直し、借入の無保証化、銀行取引の見直しによるコスト削減を一企業で年間8百万円以上達成。 粉飾開示と同時の返済条件変更依頼、条件変更中の新規融資実行も多数実施し、変則的な条件変更(一部金融機関のみの条件変更)の実行や、事業譲渡による再生資金の調達、事業を整理する企業の上記を全て、法制度・コンプライアンスの抵触なしに履行。

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