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コロナ融資の借り換えが検討されている

コロナ融資(ゼロゼロ融資)は2022年12月現在で実行件数に対して半数以上の返済がはじまっており、長期化しているコロナ禍の影響を受けている企業にとっては重たい資金負担になっていることから現在コロナ融資から借り換えることで、再度返済を繰延する融資商品が検討されています。

 

コロナ禍による事業の悪化、財務上の毀損は中小企業の責任と言うにはあまりにも重たいもので、コロナ融資の返済は社会保障の観点で超長期であるべきですがコロナ融資の誕生時は国としても無理をして用意したものですから優先弁済を絶対条件としていました。

 

実際、現在返済をリスケジュールしている企業でも一部でも返済をする際にはコロナ融資から返済金を充てているのが現状ですが、この矛盾について改めて社会保障として返済を繰延する方向にした、ということなのでしょう。

計画策定等の条件はある

本借り換え融資はおそらく来年実現するものと予想されますが検討案によれば

 

  • 融資期間は最大10年、当初5年迄元本返済猶予
  • 借り換え時の融資上限枠を6000万円から1億円に拡大
  • 金利、保証料についてはゼロゼロとまではいかないにしても軽めとなる見込み
  • 金融機関と収益力強化を目指す計画書を作成することが条件

 

といった内容である程度の返済猶予をしつつも期間は最大10年、上限金額を引き上げて真水を出せるようにしつつもある程度以上の利益を上げていかないと計画として成立しなくなる、という具合でコロナ禍の影響を受けていれば、大抵は受けられたコロナ融資を比較すると、今後には含みを残すものになりそうです。

上限引き上げ分を何に使うかが勝負

ポイントは、上限の引き上げ分の適用可否になりそうです。

 

  • 赤字補てんにはなるが、既に利益は回復している
  • 事業に必要な設備投資
  • 将来性ある新規事業への投資

 

続報、詳細を待ちたいところではありますが、上記のような場合は比較的融資額引き上げを受けやすいように思われます。

 

個人的にはコロナ融資の返済繰延は是非行ってほしかったので歓迎ですし、かつ融資上限引き上げは「再生するにも先立つものが要る」という点で有り難いものと考えています。

 

ただ、10年での返済を求められる以上今後はコロナを理由にした赤字は認めることができない、企業には返済に足るだけのキャッシュフローが求められ

 

金融政策としてはアフターコロナとして成長性をもつ企業に集中的に、より手厚い支援をする方向にシフトしていく流れにある、ということは大きな潮目として認識しなくてはいけないのでしょう。

 

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この記事の著者

  • 今野 洋之

    1998年さくら銀行(現三井住友銀行)入行。6年間で一般的な融資から市場取引、デリバティブ等広範な金融商品を多数取扱う。その後、企業側での財務経理責任者としてM&Aを実施、フリーとしての活動を経て2008年に当社入社。 相談・面談件数は全国で1100件以上、メルマガや雑誌等の記事執筆からメディアからの取材対応も多数。 一般的な金融取引の見直し、借入の無保証化、銀行取引の見直しによるコスト削減を一企業で年間8百万円以上達成。 粉飾開示と同時の返済条件変更依頼、条件変更中の新規融資実行も多数実施し、変則的な条件変更(一部金融機関のみの条件変更)の実行や、事業譲渡による再生資金の調達、事業を整理する企業の上記を全て、法制度・コンプライアンスの抵触なしに履行。

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