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【まとめ】6年後を目指して中小企業向け金融政策の常識が変わる

私、今野が執筆を担当しております、「6年後を目指して中小企業向け金融政策の常識が変わる」として一つのテーマで書くのも、もう10回目となりました。ここで一度、何が変わるということなのか、まとめてみたいと思います。

中業企業向け融資は、地域金融機関が主役にシフト

元々そうだったはずなのですが、高度成長期後に経済の成熟期を迎えた日本に資金余りが発生、当時の都市銀行がその資金を投下するべく中小企業向け融資や個人住宅ローンに参入したことで、現状になっています。

 

私が聞いている限り、年商で60から70億未満の企業においてはメインは地方銀行、5億未満であればメインは信金・信組となるようにシフトしていくことが実施される方向にあります。

メインバンク制への回帰

ここ20年はメインバンク制が弱まっていましたが、より「企業を見る」ために、メインバンクが集中的に企業支援を行う形へシフトします。単なるメインバンク寄せ、ということだけではありません。

 

銀行自身にとってメイン融資先に業務を集中させることで融資先を限定し、その代わりに融資担当者がメイン融資先の支援検討に使える時間や手間をつくるという意味ももちます。

新たな担保の登場

事業成長権担保という企業の「全資産、将来のCF」を包括的に担保とする、新たな担保制度の検討が進んでいます。これは一つの銀行が包括的に担保を得ることになるため上記のメインバンク制の推進の背景でもあります。

 

企業にとっては、事業そのものを担保に出すことになりますが企業と銀行(融資)が対立関係ではなく、一蓮托生となることで新たな融資の基盤となることが期待されています。

重要指標の変化

将来の収益力・生産性の向上への評価が得られるならば現在債務超過であっても融資が得られるようになる余地が生まれます。

 

極端な表現をすれば「会社が潰れたら貸倒れになる、だったら銀行が追い貸しして潰れないようにすれば、貸倒れは発生しない」という考え方です。

 

もちろん、どの企業でもというわけにはいきませんが、過去から現在の貸借対照表よりもこれからの損益計算書をみたい、ということになります。

事業性評価の積極活用

事業性評価のロジックは公表されていません、といいますか、金融庁は作成していません。金融庁がガイドラインや制度をつくってしまうと、全金融機関がその通りにしてしまうことから、金融庁は各金融期間に自ら評価基準をつくっていくことを求めているわけです。

 

しかし、単なる決算書による実績数値評価ではない将来の成長性をみようとするならば

 

「将来の売上をつくる力」

「商品製造・サービス提供をする力」

 

を、競合や大手との比較、地域経済動向などから分析しその会社が優位にあることを示すことが必要なのは間違いないでしょう。さしあたり、ポイントを5つにまとめました。これからはその内容を今一度深堀りしたり企業側の対応の具体策に触れていきたいと思います。

 

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この記事の著者

  • 今野 洋之

    1998年さくら銀行(現三井住友銀行)入行。6年間で一般的な融資から市場取引、デリバティブ等広範な金融商品を多数取扱う。その後、企業側での財務経理責任者としてM&Aを実施、フリーとしての活動を経て2008年に当社入社。 相談・面談件数は全国で1100件以上、メルマガや雑誌等の記事執筆からメディアからの取材対応も多数。 一般的な金融取引の見直し、借入の無保証化、銀行取引の見直しによるコスト削減を一企業で年間8百万円以上達成。 粉飾開示と同時の返済条件変更依頼、条件変更中の新規融資実行も多数実施し、変則的な条件変更(一部金融機関のみの条件変更)の実行や、事業譲渡による再生資金の調達、事業を整理する企業の上記を全て、法制度・コンプライアンスの抵触なしに履行。

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