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新たな金融体系からは、更に新たに着目される2つの「財務指標」

今日の財務指標

前世紀終盤より、銀行の行う財務評価や融資の可否判断は特に無担保となると

 

  • 債務償還年数
  • 自己資本比率(もしくは債務超過解消年数)

 

によって90%以上決まっていたといっても過言ではありません。他の指標も多くありましたが、この2つをクリアしていれば結局他の指標を合わせても、トータルでは大抵クリアできたのです。

 

この2つの指標は届かない場合、補完するように担保を差し出して、、、といっても、実際のところ中小企業には担保に出せる資産は少なく、もしくは担保対象とならない資産しか手許にないことで結局融資ができない、とか、どうしても実績重視であることから、これから収益が改善する、という説明をしたところで「絵に書いた餅」として融資としては許されない、といった問題があったわけです。

 

既に、ローカルベンチマークという新たな評価項目が生まれ徐々に浸透していますが、本メルマガでも紹介させていただいている新たな金融体系からは、更に新たに着目される財務指標があります。

 

※ローカルベンチマークの経済産業省H.P.該当ページは https://www.meti.go.jp/policy/economy/keiei_innovation/sangyokinyu/locaben/

今後重要視される財務指標

これから着目される財務指標のポイントは「レバレッジ」と「モニタリング」です。

レバレッジ

「てこの原理」という意味をもつレバレッジですが、ここでは純資産や営業利益、営業CFに対する貸借対照表の負債(もしくは借入)の割合です。ローカルベンチマークでも営業利益に着目されていますが、改めて「本業による利益やCF」が重視されるということでしょう。総じて、ローカルベンチマークに準じるものが採用される公算です。

 

※ローカルベンチマークで挙げられている財務指標は

 

・売上増加率:(最新期売上高/前期売上高)−1(%)

 

・営業利益率:営業利益/最新期売上高(%)

 

・労働生産性:営業利益/従業員数(円)

 

・EBITDA有利子負債倍率:(借入金−現預金)/(営業利益+減価償却費)(倍)

 

・営業運転資本回転期間:(売上債権+棚卸資産−買入債務)/(売上高/12)(月)

 

・自己資本比率:純資産/(負債+純資産)(%)

モニタリング

概ね3ヶ月に一度、四半期毎に状況を確認していくことを定例化し、継続的に事業の進捗をチェックしていくことで決算時点での数値のみでは把握できない時系列での推移を把握するものです。試算表はもちろん、アクションプラン表の進捗等によって管理・評価されます。

展望

上記を前提にすれば、確かにこれまでよりも「本業での利益・CF」「総資産がなくとも純資産がある程度あれば」評価されやすいように思われます。

 

しかし、モニタリングという、これまで何となく儀礼的に行ってきた(企業側も、銀行側も)ものに焦点があたり、重要になることが注意点になります。来週金曜日は、8月末に発表された新たな金融行政方針について触れたいのですが、近い内にモニタリングの内容についてもお伝えできればと思います。

 

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この記事の著者

  • 今野 洋之

    1998年さくら銀行(現三井住友銀行)入行。6年間で一般的な融資から市場取引、デリバティブ等広範な金融商品を多数取扱う。その後、企業側での財務経理責任者としてM&Aを実施、フリーとしての活動を経て2008年に当社入社。 相談・面談件数は全国で1100件以上、メルマガや雑誌等の記事執筆からメディアからの取材対応も多数。 一般的な金融取引の見直し、借入の無保証化、銀行取引の見直しによるコスト削減を一企業で年間8百万円以上達成。 粉飾開示と同時の返済条件変更依頼、条件変更中の新規融資実行も多数実施し、変則的な条件変更(一部金融機関のみの条件変更)の実行や、事業譲渡による再生資金の調達、事業を整理する企業の上記を全て、法制度・コンプライアンスの抵触なしに履行。

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