事業計画書の作成時は原価も経費も見直そう
値上げ、値上げ、値上げ
原油、小麦、綿、木材といった、輸送や原材料に関わる品目の値上げはもはや説明する必要も無いほど知られたものになりました。この1年から2年で、モノによって異なりますが5回以上・3割以上の値上げが行われており、ラーメン一人前も650円以下で出すには何か特殊な事情がないと困難な世の中になりました。
この状況下ではありますが、コロナの影響は少しずつ軽くなっていることから、これからの売上や利益の回復を見込み事業計画を作成しようとしている中小企業は多いです。
やってはいけない、なんてことはありません。これからの世情に対して、事業がどれだけの収益を出し得るのか推し量っておくことは大事なことです。
ただ、改めてご留意いただきたいことがありまして
本メルマガではよく
・余程市場が拡大する裏付けがない限り、売上の計画値を無理に拡大する必要はない
ことに触れてきましたが、原価や経費についても念の為確認しておこうと想います。
原価について
仕入原価で値上げされているもの・値上げが予想できるものは、余裕をもって原価増に織り込んでおくべきなのはもちろんですが、関連する製造経費、例えば運送費(燃料費等も)や光熱費も今までと同じ、と考えるのは難しい情勢です。
例えば光熱費は、電気代を中心に数10%もの値上げの可能性があり工場等で多くの電力を使用している会社の場合は特に、単純に「売上からの比率としてこれまでと同じ水準」とした考え方は、ちょっと現実と合わなくなってきました。
販売管理費について
車両費、旅費交通費等の原油に関連するものについては原価と同様ですが、他にも増加要因が強いものは
・給与(特に最低時給に合わせいる会社の場合は、最低時給の上昇に合わせる、等)
・法定福利費(社会保険の負担増の有無確認)
・消耗品(同じ購入量の場合、概ね単価は上がっている)
等が挙げられ、これらの負担増に対応できるだけの利益を出していくことができるだろうか?という目線で収益力を計り、向上させていけるかどうかをポイントにしなくてはなりません。
さらに波及が続く
さらに、これから心配なのは、原油・小麦・綿・木材等から波及した値上げも始まっていくことです。例えば、綿の価格が上がる→生地の価格が上がる→服飾品の価格が上がるわけですが、服飾品の場合は染料の値段も上がっている(染料の生産には大量のエネルギー=原油が要る)ため、生産途中の加工コストもまた上がっている、、、という具合で値上げしてしまった品目のみ考えていても足りないことが問題を根深くしています。
損益計算書の売上原価や販売管理費の項目をみて考えるだけではなく、会社の生産プロセスから、各プロセスでの行動や投入物を捉えていかないと、把握していくのは困難ではないか、と感じています。
事業計画の作成は、会社にとって必要な収益がどれほどか、それをどのように出すのか、のモデルづくりを行う機能がありますから、自社の正しい販売価格設定のためにも、原価や経費の予測は欠かせません、どうか慎重にご検討ください。
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