損益分岐点比率のメリットと下げる3つの方法
原材料高騰や急速な円安で輸入コストが増加している企業を対象に、地方銀行を含めた金融機関が運転資金として独自の融資対策を行っているので、資金調達をして資金繰りを安定化させるのも手法の1つです。
今回は、企業の収益力や事業目標達成のために作成する事業計画書等の改善策に活用する事が出来る損益分岐点比率についてお話をします。
損益分岐点比率とは、現状の売上高は損益分岐点をどれくらい上回っているかを確認するための指標です。
〇損益分岐点売上高=固定費÷(1-変動費率)
損益分岐点売上高とは、企業が利益を上げるために最低限必要な売上高です。
〇損益分岐点比率=損益分岐点売上高÷(実際の)売上高×100%
※損益分岐点比率の目安は、
- 80%以下 :優良
- 81~90% :健全
- 91~100%:危険水準
- 101%~ :早期に改善が必要
財務省「法人企業統計調査年報」の2019年度損益分岐点比率は、
- 大企業 :60.0%
- 中規模企業:85.1%
- 小規模企業:92.7%
この数字を見ると、中小企業は大企業と比べると格差が大きく、収益力が低い数字になっています。
大まかに言うと、大企業は売上高が4割減少まで可能だが、中規模企業だと2割減少すると赤字になります。損益分岐点を算出するメリットは以下の点が挙げられます
メリット
- 黒字にするための売上高を把握することが出来る
- 目標利益を達成するために必要な売上高を明確に示せる
- 売上と費用(変動費・固定費)のバランスを知ることが出来る
- 商品やサービス等の価格を下げる場合にいくらまで下げられるかを算出できる
次に損益分岐点を下げる方法として下記があります。
- 変動比率を下げる
- 固定費を減らす
- 販売単価を上げる
経営者が損益分岐点比率を算出し、管理していくことによって会社経営は変わってきます。
損益分岐点比率を把握することで、会社の収益力や目標利益の設定、費用構造の見直し、売上増加等の改善策に活用していきましょう。
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