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地方銀行、越境融資を拡大

この度は、地銀と信用金庫をについて考えてみたいとおもいます。中小企業がどこをメインの金融機関にするかは、とても大切なことです。

 

3月17日の日本経済新聞に「地銀、越境融資を拡大」という記事がありました。越境融資とは、地銀が県外に貸し出す融資のことです。

 

新型コロナウイルスで地方の新たな資金需要が低迷するなか、大都市や近隣県の企業への貸し出しで、少しでも収益を増やそうとしているようです。

 

ただ、県外への拠点や人員が少ない地銀は、県外企業の十分な情報を得ることが難しく、貸出先も他行がメインを務めるケースが多いため、事業計画の詳細などを把握することは困難のようです。

 

そのなかで、地銀はプロパー融資を増やそうとしており、貸出条件が緩和的になりがちなので、しっかりとしたリスク管理態勢が必要となります。

 

このような動きを感じた経営者様は、他県の地銀で融資を受けた方がよいか、それともこれまで通りに地元の信用金庫で融資を受けた方がよいかという、疑問が沸くことでしょう。

 

この答えは、経営者様それぞれのご判断になるかと思いますが、私個人の考えでは、会社の規模にもよりますが、これまでのお付き合いを優先したほうがいいと思っています。

 

そうは言っても、地元の信用金庫に融資の依頼をしても、なかなか思うようにいかないというならば、他県の地銀から提案を受けていますと、地元の信用金庫に話をしてからでも遅くないと思います。

 

もし、一方的にこれまでの信頼関係を中小企業側から切ってしまうと、今後、その信用金庫との関係は復活しないからです。

 

次に、融資はどちらからも受けられるが、金利面で他県の地銀のほうが有利な場合、こころは揺れるかもしれませんが、付き合いは金利だけではなく、事業支援などを総合的に検討され、決められた方がよいと思います。

 

他県の地銀は人員が限られていますので、事業支援は限定的になると思ったほうがいいでしょう。

 

また、地銀は株式会社であり、株主の利益が優先されます。信用金庫は、相互扶助を目的とした協同組織の金融機関で、利益第一主義ではなく地域社会の利益が優先されます。

 

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この記事の著者

  • 野上 智之

    公立大学法人北九州市立大学卒業、大手システム会社を経て、教育研修会社での新規部門立上げや西日本責任者としての実践により、収支損益の黒字化と人財育成がなければ、企業は元気にならないという強い信念のもと中小企業に特化した経営コンサルタントに転身。現在も10社を担当し各地でセミナーや研修を実施したり、地域金融機関との連携を実施。行政書士試験合格、宅地建物取引士、動産評価アドバイザー(TAA)、中小企業庁ミラサポ専門派遣登録専門家、プッシュ型事業承継支援高度化事業登録専門家(中小企業庁)、再生支援ネットワーク会議メンバー(広島)

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