「電子記録債権」について
最近、ふと思う事があります。中小企業の皆様は、新型コロナウイルス感染症にて本当に影響を受けて業績が悪化したのか?
それとももともと業績が悪化しており、新型コロナウイルス感染症の影響にしているのか?
来年の夏頃迄想像もしないような大変な事態になるように思っているのは私だけなのでしょうか?
前回、私は『ファクタリング』についてお話をさせていただきました。ご理解いただけましたでしょうか?前回に続き資金調達の手段として聞いた事がある『電子記録債権』について、お話させていただきます。
目次
電子記録債権とは?
電子記録債権とは、電子記録債権機関の記録原簿への電子記録をその発生・譲渡等の要件とする、既存の指名債権・手形債権などとは異なる金銭債権の事をいい、平成20年12月1日に施行された電子記録債権法によって創設された金銭債権であり、『でんさい』という略称で呼ばれております。
株式会社全銀電子債権ネットワーク(でんさいネット)が知名度も高く大手と言える存在ですが、その他幾つかの電子債権記録機関が存在しています。
電子記録債権のメリットについて
- 支払いに関する事務手続きの負担軽減
- 印紙税不要
- 紛失や盗難のリスク軽減
- オンラインで完結
- 分割しての譲渡や割引が可能
電子記録債権のデメリットについて
- 利用開始に手間がかかる
- 会計処理の変更
- 取引先も電子記録債権の利用が必要
- 発行手数料必要
- 浸透していない
電子記録債権の譲渡・割引の特徴について
- 決済日前の電子記録債権の活用が可能
- 1週間から2週間ほどで手続きが完了
- 分割による譲渡や割引が可能
- 債権者と債務者の両企業が審査対象
- 償還請求権が存在
電子記録債権(譲渡・割引)とファクタリングの共通点について
- 電子記録債権は期日前の売掛債権を支払いに利用できる
- 電子記録債権は比較的短期間での資金調達が可能
- 電子記録債権は中小企業・個人事業主も利用可能
電子記録債権(譲渡・割引)とファクタリングの相違点について
- 電子記録債権は資金調達方法として使用する際のハードルが高い
- 電子記録債権は売掛先の倒産リスクの回避(譲渡・割引完了後も支払い義務が発生)
- 電子記録債権は売掛債権の存在証明が容易
- 電子記録債権は債権を分割して譲渡・割引が可能
でんさいファクタリングについて
電子記録債権の譲渡・割引とファクタリングには、それぞれにメリット・デメリットが存在しているのは事実で、電子記録債権を利用したファクタリングのようなサービスを希望される方も中には見えるかと思いますが、「でんさいファクタリング」と呼ばれるサービスが存在しています。魅力的な資金調達に感じるかも知れませんが、まだ資金調達方法として洗練されておらず、注意すべき問題点がいくつかあります。
- 急ぎの資金調達には不向き
- 売掛先への通知
- 売掛先の電子記録債権の利用が必要
- 対応している買取業者が少ない
最後に
しかしながら現状のファクタリング以上に利用する価値が高いとは言えないのが事実であり、ファクタリングが中小企業の資金繰り改善の一つとして利用されているのも事実です。
- このままお金を借り続けますか?
- 本当に完済まで返済履行できますか?
- このまま返済を続けても大丈夫ですか?
- 金融機関様からの借入が出来なくなったら手数料が高くてもファクタリングを利用しますか?
ファクタリングも含めて資金調達をするのも一つですが、返済を止める事で資金繰りを回す事が可能になる事もあります。
業績が好調な企業様、業績が回復傾向にある企業様、変化のない企業様、更に悪化している企業様に大きく分類されるかと思います。
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