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資金ショート対策・資金繰り改善につながる資金繰り表について

日銀が2022年12月20日、今の大規模な金融緩和政策を修正して長期金利の変動幅の上限をこれまでの0.25%程度から0.5%程度に引き上げました。

 

今後、借入金過多企業の支払利息負担と毎月の元金返済は、資金繰りを廻す中で負担になってきます。今回は、資金繰り表を作成することにより、資金繰りの改善につながる資金繰り表についてお話をします。

資金繰り表作成の意図

  1. 事前に資金ショート時期が予測できる
  2. 銀行からの融資が受けやすい
  3. 資金繰りの改善が出来る
  4. 会社経営が安定する

資金繰り表の確認事項

  1. 経常収支はプラスか
  2. 設備投資は問題ないか
  3. 財務収支と経常収支のバランス
  4. 次月繰越残高が充分にあるか
  5. 数ヶ月先の次月繰越残高がプラスか

 

他に会社の現金の流れを示しているキャッシュフロー計算書がありますが、資金繰り表との違いは下記です。

 

  • 過去のお金の流れを把握するのがキャッシュフロー計算書で、将来を含めたお金の流れを予測できるのが資金繰り表です
  • キャッシュフロー計算書は大規模法人では作成義務がありますが、中小企業は作成義務がありません。資金繰り表は任意です。

 

業績の良い悪いに関わらず資金繰り表を作成した方が、資金の流れの把握に繋がります。特に、業績が悪い会社は資金繰り表を作成することで、事前に資金ショート時期を把握し対策を立てましょう。では、資金ショートしないための対策方法についてみていきましょう!

 

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資金ショートの予兆サイン

財務コンサルタントの立場から、資金ショートを未然に防ぐための重要なサインについてお話しします。資金ショートは突然やってくるものではありません。多くの場合、その前には様々な警告サインが現れます。これらのサインを見逃さず、早期に対策を講じることが極めて重要です。

 

それでは、資金ショートの予兆となるサインを見ていきましょう。

売上の急激な減少

まず最初に注目すべきは売上の推移です。売上が前年同期比で20%以上減少している場合は要注意です。特に、複数月にわたって減少が続いている場合は、早急な対策が必要です。

 

売上減少の原因を分析し、新規顧客の獲得や既存顧客へのアプローチ強化など、具体的な改善策を講じましょう。場合によっては、商品やサービスの見直しも検討する必要があるかもしれません。

支払いの遅延や延期の増加

次に気をつけるべきは、取引先への支払い状況です。支払いの遅延や延期を頻繁に行うようになった場合、資金繰りが悪化している可能性が高いです。

 

このような状況に陥った場合、まずは取引先との信頼関係を損なわないよう、誠実なコミュニケーションを心がけましょう。支払いスケジュールの見直しや、分割払いの相談など、取引先と協力して解決策を見出すことが重要です。

 

同時に、自社の資金繰り改善策を早急に検討する必要があります。例えば、不要な経費の見直しや、売掛金の回収促進などが効果的です。

 

これら2つのサインは、資金ショートの初期段階で現れやすい重要な指標です。日々の経営の中で、これらの数字をしっかりと把握し、異変を感じたらすぐに行動に移すことが大切です。

即効性のある対策:短期的な資金繰り改善方法

資金繰りの改善は待ったなしの課題ですね。財務コンサルタントとして、即効性のある対策をご紹介します。これらの方法を実践することで、短期的な資金繰りの改善が期待できます。

売掛金の早期回収テクニック

売掛金は企業の命綱です。この回収を早めることで、即座に現金化が可能になります。以下のテクニックを活用してみましょう。

 

まず、請求書の発行を迅速に行いましょう。商品やサービスの提供後、即日または翌日には請求書を発行する習慣をつけましょう。

 

次に、支払期日の2〜3日前に丁寧なリマインドの電話やメールを入れましょう。これにより、取引先の支払い忘れを防ぎ、確実な入金を促せます。

 

早期入金へのインセンティブを設けるのも効果的です。例えば、支払期日より早く入金した場合に少額の割引を適用するなど、取引先にもメリットのある仕組みを考えましょう。

支払いサイトの見直しと交渉術

支払いサイトを延ばすことで、一時的に手元資金を確保できます。ただし、これは取引先との関係性が重要になるデリケートな交渉です。

 

交渉の際は、誠実さと透明性が鍵となります。現在の資金繰りの状況を正直に説明し、支払いサイトの延長が一時的な措置であることを伝えましょう。同時に、取引先にとってのメリット(例:長期的な取引の安定化)も提示できると良いでしょう。

 

また、分割払いの提案も検討してください。一括での支払いが難しい場合、分割払いによって資金の流出を緩やかにすることができます。

在庫の適正化で現金を生み出す方法

過剰な在庫は資金の塩漬けに他なりません。在庫を適正化することで、即座に現金を生み出すことができます。

 

まず、在庫の棚卸しを行い、長期滞留品や不良在庫を特定しましょう。これらの在庫は、思い切って値下げしてでも現金化することを検討してください。

 

次に、適正在庫量を把握し、発注量や発注タイミングを最適化しましょう。これにより、不要な在庫の積み上がりを防ぎ、資金の効率的な運用が可能になります。

 

在庫管理にITツールを活用するのも効果的です。リアルタイムで在庫状況を把握し、需要予測に基づいた適切な在庫管理を行うことで、資金効率を大幅に改善できます。

 

これらの方法は、即効性のある資金繰り改善策です。しかし、一時的な対応に終わらせず、継続的に実践することが重要です。

 

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長期的な視点で取り組む:健全な財務体質づくり

短期的な資金繰り改善策と並行して、長期的な財務体質の強化も重要です。財務コンサルタントの立場から、健全な財務体質づくりのポイントをお伝えします。

キャッシュフロー経営の重要性

企業経営において、最も重要なのは「キャッシュ」です。利益を上げていても、現金が不足すれば事業継続が困難になります。そこで重要となるのが、キャッシュフロー経営です。

 

キャッシュフロー経営とは、単に利益を追求するだけでなく、実際の現金の動きを重視する経営手法です。具体的には以下の点に注目します。

 

1. 営業キャッシュフローの改善:売上の回収を早め、仕入れや経費の支払いを最適化することで、事業活動から生み出される現金を増やします。

 

2. 投資キャッシュフローの管理:設備投資や新規事業への投資は慎重に検討し、それらが将来のキャッシュフロー改善につながるか見極めます。

 

3. 財務キャッシュフローの最適化:借入や返済のバランスを取り、自己資本比率も考慮しながら、安定した資金調達を行います。

適切な利益計画の立て方

健全な財務体質を作るには、適切な利益計画が欠かせません。以下のステップで利益計画を立てましょう。

 

1. 売上目標の設定:過去の実績と市場動向を踏まえ、現実的かつ挑戦的な売上目標を設定します。

 

2. 変動費と固定費の把握:売上に連動する変動費と、売上に関係なく発生する固定費を明確に区分します。

 

3. 目標利益の設定:事業の持続的成長に必要な利益を設定します。この際、納税や設備投資なども考慮に入れましょう。

 

4. 損益分岐点の算出:固定費をまかなうために必要な売上高(損益分岐点)を把握し、それを上回る売上を常に意識します。

経費削減のコツと落とし穴

経費削減は利益改善の即効薬ですが、やり方次第では企業の成長を阻害する可能性もあります。以下のポイントに注意しましょう。

 

経費削減のコツ

 

1. 固定費の見直し:家賃、人件費、リース料など、長期契約の見直しで大きな効果が期待できます。

 

2. 変動費の最適化:仕入先の見直しや発注量の調整で、原価低減を図ります。

 

3. 業務効率化:ITツールの導入や業務プロセスの見直しで、人的コストを抑えつつ生産性を向上させます。

 

経費削減の落とし穴

 

1. 人材育成費の過剰カット:社員教育は将来への投資。過度の削減は長期的な競争力低下につながります。

 

2. 品質低下につながる原価削減:安価な材料への切り替えが製品の品質低下を招く可能性があります。

 

3. 広告宣伝費のゼロベース:一度失った顧客の信頼を取り戻すのは容易ではありません。適切な広告投資は継続しましょう。

 

経費削減は「切る」だけでなく、「投資」の視点も持つことが重要です。短期的な数字だけでなく、中長期的な企業価値向上につながるかどうかを常に考えましょう。

 

これらの取り組みを通じて、長期的に安定した財務体質を築いていくことが可能です。一朝一夕には実現できませんが、日々の努力の積み重ねが、必ず企業の未来を明るくします。

活用すべき外部リソース:専門家と金融機関の力を借りる

中小零細企業の経営者の皆様、経営課題の解決には外部の知恵を借りることも重要です。特に財務面では、専門家や金融機関の力を上手に活用することで、新たな可能性が開けます。財務コンサルタントの立場から、外部リソースの活用方法をご紹介します。

信頼できる専門家の選び方

適切な専門家の選択は、企業の未来を左右する重要な決断です。以下のポイントを参考に、自社に合った専門家を見つけましょう。

 

1. 経験と実績を重視する:特に中小企業支援の経験が豊富な専門家を選びましょう。成功事例や具体的な支援内容を確認することが大切です。

 

2. コミュニケーション能力を見極める:初回の相談時に、自社の状況をしっかり理解しようとしてくれるか、専門用語を平易な言葉で説明してくれるかなどをチェックしましょう。

 

3. 中立的な立場を保てるか確認する:特定の金融機関や商品に偏らず、企業の状況に応じた最適な提案ができる専門家を選びましょう。

 

専門家の力を借りることで、自社だけでは気づかなかった改善点や新たな戦略が見えてくることがあります。経営者一人で抱え込まず、積極的に外部の知見を活用しましょう。

 

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金融機関との良好な関係構築のポイント

金融機関は単なる資金提供者ではなく、重要なビジネスパートナーです。良好な関係を築くことで、困ったときの支援はもちろん、ビジネスチャンスの紹介なども期待できます。以下のポイントを意識しましょう。

 

1. 定期的なコミュニケーションを心がける:好調時も不調時も、定期的に情報を共有しましょう。特に、経営計画や今後の展望を伝えることで、金融機関の理解と信頼を得やすくなります。

 

2. 財務情報を適切に開示する:決算書だけでなく、月次の試算表や資金繰り表なども積極的に開示しましょう。透明性を保つことで、金融機関の信頼度が高まります。

 

3. 経営課題を率直に相談する:問題が大きくなる前に、早めに相談することが重要です。金融機関は様々な企業を見ているため、有益なアドバイスを得られる可能性があります。

 

外部リソースの活用は、経営の幅を広げ、新たな成長の機会を生み出します。しかし、どの専門家や金融機関を選ぶべきか、どのように関係を構築すべきか、迷うこともあるでしょう。そんなとき、まずは気軽に相談できる場所があると心強いものです。

 

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専門家や金融機関との関係構築は、一朝一夕にはいきません。しかし、長期的な視点で取り組むことで、必ず企業の財務体質強化につながります。皆様の企業が、外部の力も借りながら、さらなる成長を遂げることを心よりお祈りしております。

あなたの会社を守る具体的なアクション

今から実践できる具体的なアクションをお伝えします。財務コンサルタントの立場から、すぐに始められるステップと継続的な資金管理の重要性について解説します。

すぐに始められる3つのステップ

1. キャッシュフロー表の作成:まずは、今後3ヶ月分のキャッシュフロー表を作成しましょう。入金予定と支払予定を詳細に記入し、資金の動きを可視化します。これにより、資金ショートのリスクを事前に把握できます。

 

2. 売掛金の回収強化:未回収の売掛金リストを作成し、優先順位をつけて回収に取り組みましょう。特に、長期滞留している売掛金には、早急に対応することが重要です。必要に応じて、分割払いの提案なども検討してください。

 

3. 経費の見直し:固定費を中心に、全ての経費項目を洗い出し、本当に必要かどうかを再検討します。特に、契約の自動更新となっているサービスや、使用頻度の低い設備などは、見直しの余地があるかもしれません。

継続的な資金管理の重要性

資金管理は一度行えば終わりではありません。継続的に取り組むことで、初めて効果を発揮します。以下のポイントを意識して、日々の経営に組み込んでいきましょう。

 

1. 定期的な財務状況の確認:最低でも月1回は、貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書を確認しましょう。数字の変化から、事業の調子や課題を早期に把握できます。

 

2. 予実管理の徹底:毎月の予算と実績を比較し、差異の原因を分析します。これにより、経営計画の精度が向上し、より正確な資金計画が立てられるようになります。

 

3. 金融機関とのコミュニケーション:良好な時も悪化している時も、定期的に金融機関と情報共有を行いましょう。特に、資金需要が発生する可能性がある場合は、早めの相談が重要です。

 

これらのアクションを実践することで、自社の財務体質が徐々に改善されていくはずです。しかし、一人で全てを行うのは困難かもしれません。専門家の助言を得ることで、より効果的な対策を講じることができます。

 

もし、これらのステップを実践する中で困難に直面したり、より専門的なアドバイスが必要だと感じたりした場合は、ぜひ専門家に相談することをお勧めします。一人で抱え込まず、外部の知見を活用することで、新たな解決策が見つかる可能性があります。

 

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資金管理は企業経営の要です。地道な取り組みですが、継続することで必ず成果が表れます。皆様の企業が、健全な財務体質を築き、さらなる成長を遂げることを心よりお祈りしております。どんな小さな一歩でも、明日からの行動が皆様の会社の未来を守ります。共に頑張りましょう。

この記事の著者

  • 井上 貴裕

    東京の地方銀行に15年間勤務。主に中小企業を対象に、担当者として常時100社前後を担当し、多くの取引先と接し、企業の成長・発展に貢献。事業再生支援・財務分析による経営改善等幅広い業務に携わり、資金調達、金融機関との交渉に強みを持つ。長年勤務し身に付けた業務・知識・経験により、金融機関との良好な関係作り、資金調達の支援、銀行が要望している資料作成は熟知している。500社以上の経営者様の相談を受け、解決手段を1000案以上の提案している。

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