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インタレスト・カバレッジ・レシオの活用方法

2021年は原油価格高騰等により海外の物価が上昇に転じています。その結果、輸入品の価格上昇で国内物価にも影響が出ています。昨年11月の国内企業物価指数は108.7(前年比+9.0%)に上昇し、企業が仕入価格の高騰で影響を受けています。

 

現状、金融政策により金利上昇が抑えられていますが、今後インフレになれば、いずれかの段階で金融引き締めに転換され、金利が上昇する可能性があります。

 

金利が上昇すれば借入金の支払利息が増加し、収益性の悪化や赤字体質に転落する恐れがあるので、下記金融費用の指標を参考にして下さい。

 

インタレスト・カバレッジ・レシオは、会社が通常の活動から生み出す営業利益と金融収益が、支払利息をどの程度上回っているかを示す指標です。

 

〇インタレスト・カバレッジ・レシオ[倍]=(営業利益+受取利息+受取配当金)÷(支払利息+割引料)

 

  • 倍率が大きいほど、金利負担の支払い能力が高く財務的に余裕があることを示します
  • 1倍を切ると営業利益よりも支払利息の方が多いことを意味するので、この状態が続くと事業継続が厳しいです
  • 有利子負債が多いこと自体が問題ではなく、有利子負債の金額がその企業の収益力に見合っているかどうかが重要です

 

※インタレスト・カバレッジ・レシオの目安

 

  • 最低でも1倍以上
  • 標準的で2~3倍
  • 理想は10倍以上

 

他に、売上高をベースにした金融費用比率や借入金利回り等があります。

 

事業計画を策定する事で損益改善による営業利益の増加、借入金減少による支払利息の削減等で上記指標の改善を図り、強固な財務体質を構築していきましょう。

 

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この記事の著者

  • 井上 貴裕

    東京の地方銀行に15年間勤務。主に中小企業を対象に、担当者として常時100社前後を担当し、多くの取引先と接し、企業の成長・発展に貢献。事業再生支援・財務分析による経営改善等幅広い業務に携わり、資金調達、金融機関との交渉に強みを持つ。長年勤務し身に付けた業務・知識・経験により、金融機関との良好な関係作り、資金調達の支援、銀行が要望している資料作成は熟知している。500社以上の経営者様の相談を受け、解決手段を1000案以上の提案している。

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