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2021年12月現在、リースが通りにくい?

企業に求められる生産性向上への投資

コロナ禍で揺れたこの2年ですが、「新しい生活様式」「働き方改革」「生産性向上」を始めとして色々な言葉を使って、業務の効率化、省人化・無人化、自動化が図られるようになりました。

 

営業部門、生産部門においても当然ですが、今回特徴的なのは管理部門においてもペーパーレス化、サインレス化によって必ずしも出社しなくとも業務が進められるようにできる、という点です。

 

近年のITの技術の進化が生んだDX(デジタルトランスフォーメーション)によって、単に業務をデジタル化する、というよりはビジネスモデルや業務プロセスを変革し、コストを適正化して収益を増やす、手段としてのデジタル化、といったところでしょうか。

 

一方現在は、コロナ禍に対する国の各種支援制度により、資金繰りに窮しているとされる企業は少なく、むしろ倒産件数はここ50年で最小になると見込まれています。とはいえ、コロナ対策融資は融資である以上今後返済を行っていかなくてはならず、何をもって将来の返済資金を捻出していくのか一時的かつ若干なりとも余裕のある今の現預金を何に投下するのか、は経営者の勘所になるのでしょう。

設備投資は行いたいが

上記の通り、業種業態による差はあれど、DXもしくは何らかの設備投資による生産性(収益性)の向上に取り組まなくてよい、なんてことはありません。しかし、コロナ対策融資の返済や今後の備えも考えると現預金を無為に使うことも考えもの。

 

そう考えると、次に出てくる選択肢は多くの場合はリースなのではないかと思うのです。

 

当然のことです、が、最近リース会社の動きが気になっています。

 

最近、新規のリースが極端に通りにくい、と感じています。これまで通常にリースが通っていた企業(コロナによる赤字はあるが、あくまでコロナによる影響)が、追加のリース審査に通らない、という出来事が頻発しているのです。

 

従いまして、来年(2022年)にある程度の新規設備投資を行う予定の経営者様は、年明け早々にでもリースが本当に通るのかどうかご確認いただくことをお勧めします

 

推測も大いに混じっている私見ですがリース業界全体で蛇口を閉めているように感じます。リース業界は銀行(融資)と異なり、コロナ対策として国の政策を受けていませんから、将来の貸倒増加を懸念して信用収縮にいっているのかな、と思わざるを得ません。

 

また、リース会社というのは単体というよりは他の事業も行っているグループ会社の一部、ということが多いのですが、グループとしての新規与信行為の収縮という対応になっていることも考えられはしますが、

 

どうあれ、現時点ではリースは「これまで出来たから、今も出来る」とは限らないことにご留意いただき、設備投資計画には余裕を(他の選択肢を)も考慮いただくのが安全な経営に繋がるでしょう。

 

生き残り企業には、投資が必要です、どうか皆様の会社が、適切な投資と、その調達に恵まれますように!

 

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この記事の著者

  • 今野 洋之

    1998年さくら銀行(現三井住友銀行)入行。6年間で一般的な融資から市場取引、デリバティブ等広範な金融商品を多数取扱う。その後、企業側での財務経理責任者としてM&Aを実施、フリーとしての活動を経て2008年に当社入社。 相談・面談件数は全国で1100件以上、メルマガや雑誌等の記事執筆からメディアからの取材対応も多数。 一般的な金融取引の見直し、借入の無保証化、銀行取引の見直しによるコスト削減を一企業で年間8百万円以上達成。 粉飾開示と同時の返済条件変更依頼、条件変更中の新規融資実行も多数実施し、変則的な条件変更(一部金融機関のみの条件変更)の実行や、事業譲渡による再生資金の調達、事業を整理する企業の上記を全て、法制度・コンプライアンスの抵触なしに履行。

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