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支店の減少に加えて、ATMも減っていく

ATM(automatic teller machine)は、銀行預金口座に付随するサービス、特に「残高照会」「入出金」「振込」「ローン返済」等を顧客自らが端末を操作することで取引を行うもので、今日の社会人で全く使ったことがない、という方はあまりいないのではないでしょうか。

 

前世紀では概ね銀行の支店に設置されるものでしたが、前世紀末〜今世紀初頭以降、コンビニエンスストア等への設置が進み利用可能時間の延長も加わって、随分と使いやすくなりました。

 

現金の手持ちがないため、ATMを探したり、見つけたもののATMのサービス時間が終わってしまって難儀してしまう、なんてことも、今ではそんなに起こらないですよね。

増加しているキャッシュレス取引

現状の銀行は収益の向上という観点から(それ以外の観点もありますが)キャッシュレス化への移行を進めており、既に

 

  • 「紙での通帳発行」に対して手数料が発生
  • 現金取引、両替の手数料増額
  • 手形、小切手の発行手数料の増額、また手形については将来的に廃止
  • 窓口取引の手数料増額
  • 一方で、web取引の手数料は維持もしくは値引き

 

等の動きが活発になっています。キャッシュ取引に対しては、相応の手数料を求めることでキャッシュレス取引への移行を誘引している、ということです。

 

実際に、以前よりあるクレジットカードに加えてデビットカード、交通系ICカード、paypay等の電子マネーやQRコード決済といった、新たな決済手段が次々に誕生し、拡大していることでキャッシュレス化は進んでおり、経済産業省の発表内容によれば、既に日本国内での決済は2010年に13.2%がキャッシュレスだったものが2020年では29.7%に増加しています。

 

この波は止まらないことでしょう。

リストラの波は、ATMにも

銀行支店での窓口取引は手数料負担が大きい、となれば次はATMで、となりますが、ATMに対しても今後は縮小されていくことが確実です。

 

セブン銀行のATM利用件数は、今年になって始めて前年度を下回っていることが発表されています。セブン銀行やローソン銀行は一方で一部地方銀行のATM運営を受託したり、三菱UFJ銀行と三井住友銀行は店舗外の互いのATMを共同運用する検討を進めているなどの動きがあり、近い将来ATMの統合もはじまることでしょう。

 

つまり、店舗が不便ならATMで、という対応は、ATMもすぐにリストラ対象となる、ということから有効ではないのです。

中小企業とキャッシュレス取引

私としては、中小企業であっても今後はやはりキャッシュレス取引の推進は図るべきだと考えます。しかし…、飲食店をはじめ現金取引を止めろ、と言われても無理がある事業者様だって、まだまだ多いです。

 

個人的には

 

  • キャッシュレス取引に取り組めるものは取り組む
  • どうしても現金取引の店舗の場合等は、最大でも料金を100円単位にすることで、「現金の取扱量を減らす」

 

対応をしていただいております。

 

私自身、現金の「実感」が好きな方ではあるのですが現物取引であり、保管や移動に要するセキュリティリスクやコスト、出納(現金)を取り扱う担当者が常に現場に必要になるコスト等から、現金取扱にはコストが意外とかかるもので、収益、という観点でも見直しは必要になっています。

 

大事なことは「要するに管理にかける手間・人員を減らす」ことです。手間や人員はできるだけ売上に近いところに置くことで、生産性を上げるべきなのです。

 

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この記事の著者

  • 今野 洋之

    1998年さくら銀行(現三井住友銀行)入行。6年間で一般的な融資から市場取引、デリバティブ等広範な金融商品を多数取扱う。その後、企業側での財務経理責任者としてM&Aを実施、フリーとしての活動を経て2008年に当社入社。 相談・面談件数は全国で1100件以上、メルマガや雑誌等の記事執筆からメディアからの取材対応も多数。 一般的な金融取引の見直し、借入の無保証化、銀行取引の見直しによるコスト削減を一企業で年間8百万円以上達成。 粉飾開示と同時の返済条件変更依頼、条件変更中の新規融資実行も多数実施し、変則的な条件変更(一部金融機関のみの条件変更)の実行や、事業譲渡による再生資金の調達、事業を整理する企業の上記を全て、法制度・コンプライアンスの抵触なしに履行。

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