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ファクタリングの取扱いも、今後はアリだろうか?

ファクタリングのおさらい

ファクタリングといえば、安易な表現をすれば「売掛金を買い取ってもらって即現金化する」資金調達手段です。

 

元々欧州では活発な取引ですが、日本の場合は約束手形を割引くことで資金化する手法が一般化していたこともあり、あまり知られたものではありませんでした。

 

一部、例えば介護業のような

 

  • 売掛先(この場合は地方公共団体等)の信用は疑われない
  • 売掛先が、ファクタリングの利用承諾を依頼されても断らず、信用問題にもならない

 

業種に限っては、専門的に取り扱う業者がいましたが手数料はかなりのもので、わざわざお勧めできるようなものではない、というのが率直な見解でしょうか。

ファクタリングを取扱う地方銀行も登場

しかしながら、これからの銀行の資金調達支援メニューの中にはファクタリングは含まれ、既に現実化しているものもあります。実際にファクタリングを検討する際に問題になりがちな「売掛先の承諾が必要→売掛先の知るところとなって信用問題になる」ことも、売掛先の承諾が不要な(つまり、売掛先はファクタリングされることを知らないまま)手法もあり、他

 

  • 審査が早い(ただし、提出資料は相応にある)
  • 信用情報には影響しない(売買のため、与信取引ではない)
  • 自社の貸倒リスクを回避できる(売買後はファクタリング業者が貸倒リスクをもつ)

 

メリットがあります。

 

筑邦銀行では、今年3月からファクタリングのサービスをはじめており、既に申込みは200件を超えたと発表されています。手数料が最大で9%程度であることがデメリットではありますが、審査にはAIが活用され、申込み後24時間以内に審査完了→入金迄行う、というスピードが売りで、利用者からは「銀行と延々と打合せをする時間がとられるよりもいい」という声もあるとか。

 

銀行にとっても審査の手間をAIに肩代わりしてもらう一方収益率は高いわけですから、やらない理由も特になく取扱いする銀行は増えていくことが予想されます。

小規模事業者にとっては特に、有力な手段になり得る

筑邦銀行の取扱いでも、平均利用額は200百万程とのことで小規模事業者向けのサービスと捉えられますが事業規模が小さいと、なかなか融資が得られにくい昨今において、一つの選択肢とすることは悪いことではないと感じます。

 

どんなにアフターコロナを見据えて融資をー、とか新たな審査基準を用いて融資をー、とかいっても、融資は本質的に「実績に応じて後からついてくるもの」ですから、実績はこれから、という状況の事業者へ融資という形態以外の調達手法を確立させることは間違っていません。

 

手数料が高いのは事実です。であれば、手数料分を織り込んで粗利を出す、それだけの付加価値をある仕事をし、売上をいただくそんなビジネスモデルにすることで、対応するべきです。

 

資金調達=融資、という考え方自体が、時代遅れになるのでしょう。

 

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この記事の著者

  • 今野 洋之

    1998年さくら銀行(現三井住友銀行)入行。6年間で一般的な融資から市場取引、デリバティブ等広範な金融商品を多数取扱う。その後、企業側での財務経理責任者としてM&Aを実施、フリーとしての活動を経て2008年に当社入社。 相談・面談件数は全国で1100件以上、メルマガや雑誌等の記事執筆からメディアからの取材対応も多数。 一般的な金融取引の見直し、借入の無保証化、銀行取引の見直しによるコスト削減を一企業で年間8百万円以上達成。 粉飾開示と同時の返済条件変更依頼、条件変更中の新規融資実行も多数実施し、変則的な条件変更(一部金融機関のみの条件変更)の実行や、事業譲渡による再生資金の調達、事業を整理する企業の上記を全て、法制度・コンプライアンスの抵触なしに履行。

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