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考えない社員が多いと嘆く社長

社員に対し、社長が思っているような行動や発言をして欲しいと思いませんか。その気持ちが強ければ強いほど、社員の行動や発言に“なぜ”と疑問を感じます。そして、それは社長の大きなストレスになります。

考えられない社員

私 :「社長、今朝おきたクレームですが、その後どうなりましたか。」

 

社長:「お客様には私からお詫びをして納得いただいたが、社員の対応が非常に悪い。」

 

私 :「どういうことですか。」

 

社長:「お客様のわがままだと言うんだよ。」

 

私 :「え、そうですか。」

 

社長:「また、二度と同じことがおきないようにするための改善案もない。」

 

 

考えない社員が多いと、多くの社長は嘆かれます。逆を言えば、社長は常に考えていますから、少しのことでも考えないと思うのかも知れません。

 

例えば、サービス業で個人のお客様からクレームが入ったとき、社長であれば、先ずお客様に対して謝罪し、何が原因で起こっているのかを聞き、その内容から解決策を提案します。この何気ない三段階のステップができない社員が実在し、それに社長はいらだちを感じます。

 

第一段階として、お客様に対し謝らない社員がいます。それは、悪いのは自分ではない、相手が悪いと完全に思っているからです。友達関係ならまだ分からないこともないですが、お客様と社員という立場にも関わらず、そのような態度になります。全く状況や立場を分かっていないし、相手の気持ちを考えていません。

 

第二段階として、お客様の言っていることを聞いていません。または、言っている内容を理解していません。根本的に、相手の怒りという態度に反発があり、自分の意見を通したいと思われます。

 

第三段階として、どうしたら解決できるかという発想がありません。つまり、相手が怒っているという状況だけを報告します。事実確認できるので最低限の伝達はできていますが、クレームは解決することが目的です。よって「このようにすれば解決できるのではないでしょうか」という提案があって欲しいのです。しかし、これが殆どありません。「相手が怒っています」で終わりです。「どうしたら解決するか」と聞き返せば、「どうしましょうか」と逆に聞き返されます。現場にいた人がこの回答であれば、本当にそのお客様が望む解決策になる確率は低くなります。

 

「もっと自分で考えろと」言っても「わかりません」と答えられます。実に、がっかりするやりとりです。

 

では、どうしたらそのような社員が、少しでも考える社員になれるでしょうか。それは、回答の幅が相手に委ねられるオープンクエスチョンではなく、“はい”か“いいえ”に絞られるクローズドクエスチョンで訓練を積むことです。

 

2択であれば、長い文章での回答よりは答えやすいです。現実は、“考えない”のではなく、“考えられない”のであり、考えられない社員は、未来を予測することが不慣れなので導くしかありません。

 

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この記事の著者

  • 野上 智之

    公立大学法人北九州市立大学卒業、大手システム会社を経て、教育研修会社での新規部門立上げや西日本責任者としての実践により、収支損益の黒字化と人財育成がなければ、企業は元気にならないという強い信念のもと中小企業に特化した経営コンサルタントに転身。現在も10社を担当し各地でセミナーや研修を実施したり、地域金融機関との連携を実施。行政書士試験合格、宅地建物取引士、動産評価アドバイザー(TAA)、中小企業庁ミラサポ専門派遣登録専門家、プッシュ型事業承継支援高度化事業登録専門家(中小企業庁)、再生支援ネットワーク会議メンバー(広島)

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