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正しい判断をするためには確固たる「経営理念」が必要!?

突然ですが質問です。会社は何のために利益を稼ぐのでしょうか?

 

この目的が曖昧な企業が、実は多く存在します。また、あったとしても社長のみが意識しており、社員がそれを意識していなければ無いことと同じです。

経営理念の掲示

私 :「社長、当社には紙面に落とした経営理念がありませんので、作成しませんか。」

 

社長:「そうだな。思うことは多くあるからな。」

 

私 :「それでは、先ず社長の頭にある事柄を、箇条書きで書いてもらえますか。」

 

社長:「少し、時間をかけて整理しておくよ。」

 

私 :「作成できましたら、それを社員の皆さんへ発表しましょう。」

 

社長:「気恥ずかしい気持ちもするが、それが大切だな。」

 

 

経営理念とは、将来に渡って会社が向かう方向であり、会社が存在する意義や目的が詰まったものです。

 

人は何かの判断をする際、迷うことがあります。その迷いを打ち消し、正しい判断をするためには、確固たる基準が必要であり、それが経営理念です。他の言葉にするならば、大義名分とでも言えるでしょう。

 

もし、この大切な経営理念が明らかでない場合、社長自身は分かっていても、社員は当然社長の頭の中をのぞくことはできないので分かりません。そうなると、経営をする上での判断基準が社長と社員とで異なり、当然に社長と社員の判断は異なります。

 

得てして経営理念が明確になっていない会社の社長は、社員は何を考えているのか分からないと言っています。その言葉は、社員からも同様なことが言えます。社長は何を考えているのは分からない、一旦決めたことでもいつの間にか変えてしまう、と言われています。そして、このような社員の声は、社長には届いていないものです。

 

例えば、社員にこんな質問をしたら、どのような答えが返ってくるでしょうか。

 

 我社で仕事をすることは楽しいですか。

 我社で仕事をすることに喜びを感じますか。

 我社で仕事をすることに誇りを持ちますか。

 

この質問をした場合、自信を持って良い答えがかえってくると言える社長は、いったい何割いるでしょうか。

 

経営者が社員に対して、当社はこうだという想いを伝え、それに共感していないと前向きな答えは返ってきません。恐らく社員は、家から近いから、休みが多いから、給与を稼がないといけないから、仕事内容が楽だから、将来の自分のステップアップのためなど、社長が望んでいない答えが返ってくることでしょう。

 

このような状況で社員が一丸になって、会社を良くしていこうという気持ちはおきません。だからこそ、経営者が経営理念を示すことは、大切であり重要です。

 

今一度、社長の頭にある経営の想いを文書に落とし、いつでも見られる状況で社員と共有していただきたい。そこに、経営改革の火種があります。

 

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この記事の著者

  • 野上 智之

    公立大学法人北九州市立大学卒業、大手システム会社を経て、教育研修会社での新規部門立上げや西日本責任者としての実践により、収支損益の黒字化と人財育成がなければ、企業は元気にならないという強い信念のもと中小企業に特化した経営コンサルタントに転身。現在も10社を担当し各地でセミナーや研修を実施したり、地域金融機関との連携を実施。行政書士試験合格、宅地建物取引士、動産評価アドバイザー(TAA)、中小企業庁ミラサポ専門派遣登録専門家、プッシュ型事業承継支援高度化事業登録専門家(中小企業庁)、再生支援ネットワーク会議メンバー(広島)

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