数字報告会議で、計画数字を発表していますか
会議には様々な種類の会議がありますが、業績数字を報告する会議で、計画数字をきちんと発表していますか。我社には、計画自体がないと言われれば、直ぐに計画を作りましょうと言いますが、計画数字があるにも関わらず発表していないなら、それは非常にもったいないことです。
計画数字の発表
私 :「社長、会議にて各部門長から業績結果を発表してもらうのはよいことですが、何故、計画数字を発表されないのですか。」
社長:「特に意識していなかったな。」
私 :「ある社員が、赤字でなくて良かった。先月も頑張ったと言っていましたが、計画に対しては大幅な未達成ですよ。」
社長:「確かにそうだが、赤字でなくて良かったよ。」
私 :「それでは、何の為の計画ですか。赤字か黒字という物差しだけで良くなりますよ。」
社長:「それでは、まずいな。」
実績数字のみを発表する会議と計画数字と実績数字を合わせて発表する会議では、まったく発表の意味は異なります。
例えば、4月の売上実績は10,000千、利益は300千と発表した場合、その数字は良かったのか、それとも悪かったのかは聞き手によって異なります。ある社員は、10,000千の大台にのったと喜ぶでしょう。またある社員は、赤字にならなくてよかったと思うでしょう。
しかし、このように思うのは正しいことなのでしょうか。
その答えは、計画数字が握っています。売上計画が9,000千で実績が10,000千なら、素晴らしい実績であり、売上計画が11,000千なら、未達成で残念な結果です。
また、利益については計画数字というより、黒字だから良かった、赤字だから悪かったと言う会話をよく耳にします。確かにその通りですが、利益計画が500千で実績が300千であれば未達成です。逆に、利益計画が△800千で実績が△200千ならば、達成なのです。
このように会議で赤字計画を発表すると、赤字はダメなのではと言う人もいます。もし、会議の場でそう言うのならば、なぜマイナス計画を承認したのかと、そもそもの計画自体を疑ってしまいます。
多くの企業は、季節変動をなくし毎月高い実績を残したいのですが、市場はこちらが思うようにコントロールできないこともあります。だからこそ、計画があり季節変動に応じた、売上や利益の計画があります。そして、そこにはマイナス計画もあります。
そのことを考えますと、実績数字を発表する際は、必ず計画数字がセットでなければ、正しい結果評価はできません。もし、実績のみを発表している会議ならば、計画○○千、実績○○千、差異○○千と発表して、全員に数字の真実を伝えて、改善に取り組んでいただきたいと思います。
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