銀行員が決算書を見る時のポイント
最近、ふと思う事があります。銀行とは・・・企業の為に銀行があるのか?銀行の為に企業があるのか?当然企業の為に銀行があるはずです。でも実際にはどうでしょうか?
今回は「銀行員が決算書を見る時のポイント」についてお話しさせていただきます。
銀行で融資の審査をする時に最終決裁権限のある人は、支店長・本部の審査役・本部の役員等、支店長以外は現場を直接見ているわけではありません。(中には見ている方もあるとは思いますが・・・)
ではどの様に審査が行われているかです。
全て決算書で判断していると言っても過言ではないと思います。では、銀行員はどこを見ているのでしょうか?
すべて見ています!
中でも流動資産については、必ずチェックしている項目です。なぜなら流動資産の資産性は、必ず現金化できるという事からです。
この流動資産の中でも次の6項目については特にチェックしている勘定科目ですので、きちんと内容を把握しいつでも説明できるようにしておいて下さい。
現金預金
現金・預金の中でも現金については注意してみています。預金は残高証明等が決算書の資料として添付されておりますので粉食等の可能性は極めて低いのですが、現金は確認する事ができません。実際にない金額、他の勘定科目が振替えられていないかチェックをしておりますので、実際に現金が無い場合は税理士の先生に確認し、他の勘定科目が混在していないか確認して下さい。
仮払金
仮に支払ったお金のことで、本来は勘定科目が未定の場合や、金額が概算払いの場合に使用される勘定科目である。本来であるならば、短期間で回収されるのが本来の姿であります。よって、残高が計上されている場合は、具体的な支払先、理由、回収目処を説明できるようにしておいて下さい。
貸付金
貸付先は、代表者・従業員・関連会社・知人等各々あると思います。貸付金については、誰に・何の為に・いくら・貸付し、どの様に返済してもらう事になっているのか把握しておく必要があります。特に代表者への貸付金については、保証協会等も注意をしてみております。
決算期以外で、融資を申込する時に一時的に返済し試算表を提出すればいいと思われている方がみえるかもわかりませんが、試算表は一時的な修正が可能である事から、決算書でしかみないというケースもありますので、注意して下さい。
預り金
従業員からの源泉、社会保険料等一時的な預かりとして使用する勘定科目です。一時的な預かりであり、翌月には支払されるべきであり1ヶ月程度の金額が計上されているのが本来の姿です。
社会保険料等の未納があるにも関わらず、未納がないと言っても実際の金額とかけ離れた金額が計上されておりますので、すぐにばれます。嘘をついて印象を悪くするのではなく、正直に話す勇気も必要です。
売掛金
商取引がある以上は必ずと言っていいほど発生する勘定科目です。毎期決算書に同じ取引先で同額で計上されている先はないか等回収可能な債権が混在していないか銀行はチェックしております。また、その他として多額の金額が計上されている場合は、個別の明細を徴求される場合もありますので、回収不能分は事前に把握しておいて下さい。
棚卸資産
在庫の事で製造業・卸売業・小売業等ほとんどの業種が発生する勘定科目です。
これは、過剰・過少在庫、不良在庫があるかどうかを見ています。在庫は売上前の現金化されていない状態のもので、資金繰りに与える影響は非常に強いと思われます。適正な在庫に心掛けて下さい。
以上6項目が銀行員が決算書を徴求した際に、貸借対照表の中で必ずチェックする項目です。
上記ではあえて記載しませんでしたが、純資産のところは当然チェックポイントです。今後、事業をすすめていく中でポイントを抑えておいて下さい
銀行から融資を受ける為には、銀行が見ているポイントを押さえ、日々改善していく事が必要です。
決算説明を行う時に銀行から聞かれた事に答えるのではなく、今後は、こちらから聞かれる前に説明してはどうでしょうか?
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