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社長が数字から次の指示を出す

会社の業績数字は、毎月の試算表に表されています。その数字を見ている人は、一体誰でしょうか。経理の方だけでしょうか。そんなはずはありません。この数字は、大海原に浮かぶ会社という船の羅針盤ですので、船長である社長がこの数字から次の指示を出すものです。

数字を追う

私 :「社長、毎月試算表を見て、前月を振り返っていますか。」

 

社長:「時間がある時は、見ているよ。」

 

私 :「それでは、時間が無い時は見ていないのですか。」

 

社長:「だいたいの結果は、分かっている。」

 

私 :「では、今期の累計での経常利益額はいくらですか。」

 

社長:「それは、紙を見れば分かるよ。」

 

 

業績が思わしくない時、会社の数字から目をそらす。その瞬間は、精神的に楽にはなりますが、改善の後回しであり、その後に大きな苦が襲ってきます。数字は追われると苦しくなり、こちらから追うと楽になる性質を持っています。

 

気持ちとしては、ひと時でもよいので現実から目をそらしたいと思うのも理解できますが、目をそらしたからといって、何の解決にもなっていないのも事実であり、社長もこのことはよく理解しています。だから、敢えてここで伝えたいと思います。どんなことがあっても、常に数字から目をそらさないことです。

 

私の経験値としては、多くの中小企業の経営者は、数字に追われているから苦しんでいるように思います。だから、私はこの苦しみから脱却して頂きたいと思います。

 

そのためには、自分の会社がどこに向かいたいのかを明らかにし、そのための行動計画を立てる必要があります。計画というと、売上高や利益などの数字のみをエクセルなどで作成している会社は多いですが、その数字の根拠となる具体的な行動計画がなかったり、そもそもその数字を本当にやり遂げたいと全社員が思っていなかったりします。

 

仮に昨年対比110%の売上計画を立てた場合、そのための施策がやりたいことになっているか、なんとなく右肩上がりでないと、という気分で作った数字なのかでは、結果は大きく異なります。これが、数字を追うか、追われるかの違いです。どうも計画という言葉が数字のみというイメージをもっている人が多のではないかと思います。

 

余談ですが、会社で目標を立てようという場合、営業は数字で直ぐに目標がつくれますが、総務などは数字で表すことが難しいので、目標が作れないという言葉を聞きます。そんなことはありません。

 

数字を追うためには、しっかりと未来のイメージを持ち、それを達成するための行動計画を明らかにすることです。そうすれば、やりたいことができた時の達成感や、できなかった時の腹立たしさを覚え、直ぐに更なる高みや修正を自ずとするものです。

 

是非とも、数字をこちらから追いかけていただきたいと思います。

 

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この記事の著者

  • 野上 智之

    公立大学法人北九州市立大学卒業、大手システム会社を経て、教育研修会社での新規部門立上げや西日本責任者としての実践により、収支損益の黒字化と人財育成がなければ、企業は元気にならないという強い信念のもと中小企業に特化した経営コンサルタントに転身。現在も10社を担当し各地でセミナーや研修を実施したり、地域金融機関との連携を実施。行政書士試験合格、宅地建物取引士、動産評価アドバイザー(TAA)、中小企業庁ミラサポ専門派遣登録専門家、プッシュ型事業承継支援高度化事業登録専門家(中小企業庁)、再生支援ネットワーク会議メンバー(広島)

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