社員一人ひとりの成長
社員を成長させたいという気持ちを抱いても、なかなかこちらが思うようなスピードで全員は成長してくれません。だから、成長しない社員を見るとイライラすることもあります。しかし逆に、ある日何かのきっかけで、急に成長する社員もいます。この成長スピードの差は、一体何でしょうか。社員一人ひとりは全く違う人であり、製品のように均一にはならないものです。
社員一人ひとりの成長
私 :「社長、最近のA君は、積極的に見えますが、何かあったのですか。」
社長:「今、大きな案件を担当しているから、責任感を持ってくれたのだと思う。」
私 :「良いことですね。」
社長:「みんな、A君のようになってくれれば良いが。他の社員はまだまだ。」
私 :「A君のやる気をみて、続いてくれる社員も必ずいますよ。」
社長:「そうかもしれないが、もっと早く全員を成長させる方法はないかね。」
社員の成長スピードは、社員一人ひとりによって異なります。この当たり前のことが理解できていません。例えば、3名の同じ年齢の社員がいれば、1年後、3名とも同じように成長していることが当然と思っています。
私は、そんなことは絶対にないと言いたいのです。
そもそも3名の性格・価値観・これまでの経験などは全く異なるわけですから、業務の仕方や上司からの同じ言葉でも捉え方は各々異なります。だから、成長スピードも当然異なります。
この異なるということを理解すれば、上司は自ずと部下一人ひとりに対して、同じ指示を出すにしても、言い方は異なります。
そんな時、成長著しいA君を引き合いにして、B君の成長スピードが遅いことを注意した場合、果たしてB君はどう思うでしょうか。恐らくA君はA君であり、
自分は自分であるという気持ちが先行し、いくらB君の成長を願って注意をしたとしても、B君は聞いていないでしょう。そもそも、人は他人と比較されながら注意をされても、よい気分にはなりません。むしろ反発しかありません。
もし、人を比較するならば、他人と本人ではなく本人と本人、つまり過去の本人と現在の本人と未来の本人を比較します。そうすると、未来の本人は現在の本人の成長後のイメージになり、そこまで成長して欲しいことが相手に伝わります。
伝え方は別にして、多くの中小企業では社員一人ひとりに対して、こうなって欲しいと伝えていません。だから、社長や幹部の頭の中にある社員像と、社員自身が思う自己の成長にズレが生じており、そのズレによって成長が遅いと社長や幹部は思います。
結局は、一人ひとりの性格をよく見て、一人ひとりの将来の成長イメージを伝え、そこにたどり着くまでの教育を個別に施した成果が、その人の成長となり、社員全員のレベルアップに繋がります。
草花に水や肥料をあげなければ成長しないと同じように、ほったらかしにして成長する社員は殆どいません。もし、社員が成長していないと思うなら、先ず、これまで一人ひとりの社員に対して何をしてきたか、また、これから何をすべきかを考えることが、社員全員の成長の始まりです。
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