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人(経営)の承継とは後継者への経営権の承継を指します

人の承継と言葉で言えば簡単ですが、これを実行するには大きな決断が必要となります。そしてその苦悩の多くは経営者の心情が関係しています。つまり、頭では分かっているが、というところです。

人(経営)の承継

人(経営)の承継とは、後継者への経営権の承継を指します。会社形態であれば代表取締役の交代、個人事業主であれば現経営者の廃業・後継者の開業によるものと考えられます。現経営者が維持・成長させてきた事業を誰の手に委ねるべきか、適切な後継者の選定は事業承継の成否を決する極めて重要な問題です。

 

特に、中小企業においてはノウハウや取引関係等が経営者個人に集中していることが多いため、事業の円滑な運営や業績が経営者の資質に大きく左右される傾向があります。

 

親族内承継において、後継者候補を選定し、経営に必要な能力を身につけさせ、知的資産を含めて受け継いでいくには5年から10年以上の準備期間が必要とされ、これらの取組に十分な時間を割くためにも、後継者候補の選定はできるだけ早期に開始すべきです。

 

近年は親族の中から後継者候補を見つけることが困難な企業も増加してきています。このような場合において、親族内承継に向けて後継者の選定を行いながら、状況によってはM&A等による外部の第三者への事業承継の可能性も視野に入れて検討を進めるべきです。

 

そして、ここで一番大切なことは、「経営者のこころ」です。

 

具体的には、なぜ、経営者は事業承継を後回しにするのかという心情です。「経営者は孤独である」という言葉をよく聞きます。

 

では、何故孤独なのでしょうか。

 

そもそも経営者になる時、これから孤独になると予測し、その準備を行った経営者の方は、一体何人いるでしょうか。いやむしろ、多くの中小企業の経営者は、自分が孤独になると思って経営を始めてはいないはずです。

 

多くの人と関わり、孤独とは無縁であると思ったに違いありません。しかし、現実は孤独を感じるのです。

 

孤独とは、思うことを語ったり、心を通い合わせたりする人が、ひとりもなく寂しいことです。

 

三木清氏は、

 

孤独は山になく、街にある。一人の人間にあるのではなく、大勢の人間の”間”にある。』 と言われています。

 

人間の“間”とは、この度の事例では、役員・後継者・社員・得意先・仕入先・外注先・公的機関・金融機関・諸団体関係者・地域住民・親・兄弟姉妹・夫婦・子供などでしょうか。

 

このような経営者の想いを後継者にもさせることが本当によいものかと、自問自答しているのがその要因と考えられます。

 

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この記事の著者

  • 野上 智之

    公立大学法人北九州市立大学卒業、大手システム会社を経て、教育研修会社での新規部門立上げや西日本責任者としての実践により、収支損益の黒字化と人財育成がなければ、企業は元気にならないという強い信念のもと中小企業に特化した経営コンサルタントに転身。現在も10社を担当し各地でセミナーや研修を実施したり、地域金融機関との連携を実施。行政書士試験合格、宅地建物取引士、動産評価アドバイザー(TAA)、中小企業庁ミラサポ専門派遣登録専門家、プッシュ型事業承継支援高度化事業登録専門家(中小企業庁)、再生支援ネットワーク会議メンバー(広島)

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