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活発な意見交換に繋がる「変動費」と「固定費」

社長が率先して数字に強くなり、社員もある程度、数字に強くなることは経営の基本です。その理由は、いくら皆が朝から晩まで頑張ったと言っても、赤字という結果であれば、不幸以外の何物でも無いからです。どのくらいの売上をクリアすれば黒字になるのか、数字をもって全社員が確認したいものです。

変動費と固定費

私 :「社長、社員に数字を公開しているとのことですが、それを活用していますか。」

 

社長:「会議で気づいたことは発言するように言っているが、なかなか発言がない。」

 

私 :「本当に社員の方は、数字を理解していますかね。」

 

社長:「・・・と言うと。」

 

私 :「数字の羅列を眺めているだけかもしれません。少し手を動かして、理解してもらいましょう。」

 

CVP分析という分析方法を、聞いたことがあると思います。損益分岐点分析と言った方が、分かりやすいかもしれません。

 

CVPの

 

“C”とはコスト(Cost)

 

“V”とは販売量(Volume)

 

“P”とは利益(Profit)

 

です。そして、損益分岐点を求める公式は、固定費÷(1-変動費÷売上)となります。

 

最終的には、損益分岐点を求められるようになりたいのですが、その前に、変動費と固定費に分けることから始まります。よって、始めから損益分岐点を求めなさいと言うよりも、費用を変動費と固定費に分けなさい、と指示を出した方がよいのです。

 

では、変動費と固定とは何でしょうか。

 

変動費とは、売上に比例して増減する費用であり、固定費とは、売上に関係なく一定に発生する費用です。例えば、売上高と比例して増加する商品仕入は変動費であり、事務所の家賃は固定費となります。

 

このことを踏まえて自社の費用を、社員で変動費と固定費に分けて欲しいのです。この作業をしていくと、当然勘定科目の一つ一つの意味を理解しなければなりません。ここにも学ぶ機会があります。そして、その次に勘定科目の横にある数字を見た時に、高いとか安いとか、各自が疑問に思うはずです。

 

これこそが、数字を理解するということです。

 

つまり、損益分岐点を計算することは大切ですが、受験勉強のように公式に当てはめて正しい数字を出すことが目的ではありません。本来したいことは、損益分岐点を改善して利益を大きくすることであり、経費削減を全社員で取り組むことです。もし、固定費を100減少させた場合、売上に換算したら一体どれだけになるか。そして、それがどのような意味を持っているかを体感することこそが、日々の改善活動の源になります。

 

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是非とも、社内で公開できる範囲の数字で構いませんので、全社員で実施して頂き、改善活動に繋げていただきたいと思います。活発な意見交換に繋がるはずです。

 

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この記事の著者

  • 野上 智之

    公立大学法人北九州市立大学卒業、大手システム会社を経て、教育研修会社での新規部門立上げや西日本責任者としての実践により、収支損益の黒字化と人財育成がなければ、企業は元気にならないという強い信念のもと中小企業に特化した経営コンサルタントに転身。現在も10社を担当し各地でセミナーや研修を実施したり、地域金融機関との連携を実施。行政書士試験合格、宅地建物取引士、動産評価アドバイザー(TAA)、中小企業庁ミラサポ専門派遣登録専門家、プッシュ型事業承継支援高度化事業登録専門家(中小企業庁)、再生支援ネットワーク会議メンバー(広島)

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