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社員のモチベーションを高く維持する「動機づけ・衛生理論」

社員のモチベーションを高く維持することも、社長の大切な仕事のひとつです。しかし、多くの社長は、上手くいかないと頭を抱えています。もし、上手くいかない場合、上手くいくまで根気よく言い続けることが一番です。そして、その時に何を伝えるかが重要となります。

動機づけ・衛生理論

私 :「社長、社員のモチベーションは如何ですか。」

 

社長:「計画を達成しなかったから昇給をやめただろ。だから、皆元気がないよ。」

 

私 :「どうしたら、元気が出ますかね?」

 

社長:「それは、給与アップしかないよ。だから今期は絶対に計画をクリアしなければ。」

 

私 :「その他は無いですか。」

 

社長:「その他、と言われても。」

 

社員のモチベーションが上がらないのは、給与を沢山あげることができないことが全ての要因と考えている社長は多いです。しかし、本当にそうでしょいうか。実際、色々な会社の社員の方と話をすると、いろいろな価値観があるものだと感じます。

 

例えば、会社に望むことは何ですかと聞くと、給与を上げて欲しい、賞与がたくさん欲しいとか言われる方もいます。しかし、それだけを望んでいるわけではありません。その他、残業をせず早く帰りたい、完全週休2日にして欲しい、もっと自分に仕事を任して欲しい、上司が頼りないので変えて欲しい、部下を持たせて欲しい、社内教育を充実して欲しい、業務が多過ぎるので少なくして欲しい、など様々です。

 

このように社員の望むことは多岐に渡るのですが、この状況を整理するのに役立つ理論があります。それが、ハーズバーグが提唱した「動機づけ・衛生理論」です。これは、仕事に対する満足をもたらす要因と不満をもたらす要因は異なることを示し、前者を動機づけ要因、後者を衛生要因と呼んだのです。

 

動機づけ要因は、達成すること・承認されること・評価されること・満足すること・面白いこと・成長することなどです。そして、それが向上することで人は満足を強く感じますが、それが低下したからといって不満足を感じるわけではなく、満足を感じないだけです。

 

衛生要因は、会社の方針・管理方法・給与・対人関係・労働条件などです。そして、それが良くなることで不満足を感じることはなくなりますが、満足を生み出すことは無いのです。給与が少ないと感じる人は、給与が上がることで不満足は低下するでしょうが、決して満足感が生まれることは無いのです。

 

つまり、モチベーションを高く維持するには、社員ひとり一人を承認し、達成感を味あわせるような目標を自らに立てさせ、目標をクリアした時は褒める、そして自信を持たせることです。そこに、社員自身が仕事に対する自覚や責任を感じ、仲間への感謝の気持ちに繋がっていくのです。

 

是非とも個人面談を通して、社員一人ひとりの価値観を確認して頂きたいと思います。

 

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この記事の著者

  • 野上 智之

    公立大学法人北九州市立大学卒業、大手システム会社を経て、教育研修会社での新規部門立上げや西日本責任者としての実践により、収支損益の黒字化と人財育成がなければ、企業は元気にならないという強い信念のもと中小企業に特化した経営コンサルタントに転身。現在も10社を担当し各地でセミナーや研修を実施したり、地域金融機関との連携を実施。行政書士試験合格、宅地建物取引士、動産評価アドバイザー(TAA)、中小企業庁ミラサポ専門派遣登録専門家、プッシュ型事業承継支援高度化事業登録専門家(中小企業庁)、再生支援ネットワーク会議メンバー(広島)

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