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SWOT分析がより深く理解できる

銀行員が中小企業を分析する時、まず決算書を見ると思います。
定量分析が肌に染みついているからです。

 

もし、決算書を見ずに分析するとしたら、どうしますか。

例えば、株式会社○○工務店という社名だったら、この会社は建設業であることが推測され、同時に現在の建設業の動向が頭に浮かんでくるかどうかが目利き力のセンスだと思います。

 

このセンスを持つと今回記載しますSWOT分析がより深く理解できるはずです。

 

SWOT分析とは、目標を達成するための意思決定をする時、外部環境や内部環境を強み、弱み、機会、脅威の4つのカテゴリーで要因分析し、事業環境変化に対応した経営資源の最適活用を図る経営戦略の策定手法の一つです。

 

外部環境は、市場や社会の情勢などが該当し、業種業界によって多少変わりますが、市場規模、市場の成長性、競合状況、経済状況、政治、法律などがあります。これは地域金融機関と行政が連携して情報収集してほしいと思います。

 

銀行員にとってSWOT分析が問題となるのは、内部環境と外部環境の関係性がわかりにくいことだと思います。例えば、外部環境として脅威であることが、その企業にとっては強みであることもあります。

 

また、分析する項目は業種によって異なり、同じ業種であっても企業ごとに異なります。この異なる基準が、定量分析に慣れている銀行員にとっては難しさやもどかしさを感じるところだと思います。

 

また、自分がその企業にとって強みだと判断したことに、他の人からそう思わないと否定されることが最も苦痛ではないでしょうか。このような経験をした時、全員の合意がとれる精度の高い分析をしようと思うのか、面倒だと思いやめてしまうのか別れ道だと思います。

 

事実、判断が異なることは当然です。

 

分析はあくまでも分析であり、客観性のある見える化をしたに過ぎないからです。

 

仮に分析結果により勝てそうな市場があったとしても、すべての企業がそこを選択することはありません。最後は、経営者自身がその結果を踏まえ、経営理念に沿って熟慮の結果、意思決定をするのです。そして、その熟慮の際の悩みのなかで、銀行員が経営者に寄り添って共に悩むことが経営者にとってうれしいもので、立場は違っていても同志となり信頼を得ます。

 

決算書の数字は結果であり、その結果には原因があります。その原因を突き止め更なる成長や改善をしなければ、前期の決算書より成長した決算書は来期に出来上がりません。

 

つまり、決算書とSWOT分析は因果関係でつながっており大切な分析手法です。

 

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この記事の著者

  • 野上 智之

    公立大学法人北九州市立大学卒業、大手システム会社を経て、教育研修会社での新規部門立上げや西日本責任者としての実践により、収支損益の黒字化と人財育成がなければ、企業は元気にならないという強い信念のもと中小企業に特化した経営コンサルタントに転身。現在も10社を担当し各地でセミナーや研修を実施したり、地域金融機関との連携を実施。行政書士試験合格、宅地建物取引士、動産評価アドバイザー(TAA)、中小企業庁ミラサポ専門派遣登録専門家、プッシュ型事業承継支援高度化事業登録専門家(中小企業庁)、再生支援ネットワーク会議メンバー(広島)

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