変わる銀行融資の審査基準を1冊にまとめました!
銀行を揶揄した有名な言葉に、
銀行は雨の日に傘を取り上げ、晴れの日に傘を差し出す
という言葉があります。会社が晴れの日(経営がうまく行っている状況)は傘(融資)を差し出すが、会社が雨の日(経営がうまく行っていない状況)になると、傘(融資)を取り上げるという状況が長らく続いていました。
しかし、この状況を良しとしない金融庁は、融資における新たな審査基準を設け、金融機関に対する評価制度により、「銀行を変える」ことに動き出しました。
これまでの金融機関は、「決算書」「担保・保証」の2つで融資していました。これからはこれらの2つに加え、「事業性評価制度」が導入されます。これは、過度に決算書に頼ることなく、 融資先企業の将来の事業性に目を向け、融資を実行せよという制度です。
今後は自社の事業性(将来の計画性)について銀行に書面でアピールすることで、リスケ中や借入過多であっても融資実行の可能性があります。
1億円もの赤字企業を3年で3400万円の利益を出すまでに回復させたコンサルタントが、事業性評価を重視した資金調達の方法をわかりやすく解説したマニュアル本を作りました!
【マニュアル本】地域金融機関を動かす~事業内容を中心とした本物の付き合い方~
<目次>
第1章 これまでの金融機関
第2章 金融庁が目指すもの
第3章 これからの金融機関
第4章 事業性評価
第5章 決算書に頼らない融資
銀行に融資のお願いをしても、決算書だけで判断され、事業の将来性などについて関心を持ってもらえなかった…
このような苦いご経験がある方は、決算書数字に頼らない資金調達の考え方を学び、銀行交渉を優位に進めてください。実際に事業性評価による銀行融資は全国で実施されています。
著者(野上智之)からのメッセージ
日本全体の99%を占める中小企業が、将来にわたり元気で活躍し、地域経済を豊かにしてもらいたい。本書は、その想いを実現するためには欠かせない地域金融機関とのこれからの関わり方、認定支援機関としての取組み姿勢をしたためたものです。
私は日々、中小企業経営者様とお会いし、未来の中小企業のあり方を共に検討しています。当然、業績のよい企業もあれば、わるい企業もあります。よいときはよいときなりの悩みがあり、わるいときはわるいときなりの悩みがあります。
私は、その悩みを多くの中小企業経営者様から聞かせていただき、このような声もいただきました。
- 相談できる人がいなかった
- どうしたらいいのか分からなかった
- とにかく話を聞いて欲しかった
という心からの声でした。私はその声を素直に受け入る傾聴・心通わせる共感・悩みの解決を基本姿勢に、人財育成と収支損益の黒字化を実現することで、全ての中小企業を元気にするご支援をしています。
このように経営者様と関わるなかで、利害関係者である地域金融機関の方や税理士ともお会いすることがあります。私はその方にも経営者様に寄り添った支援をして欲しいと思っているのですが、なかにはそれができない方もいます。それは、私にとって“なぜ”という疑問と共に大きな悩みです。
金融庁は金融行政方針において「企業・経済の持続的成長と安定的な資産形成等による国民の厚生の増大がもたらされることが重要であり、金融庁としては、このような姿の実現を目指し、金融行政を行っていく」と言っていますが、現実にはバラツキが見られます。
中小企業に対し専門性の高い支援事業を展開する「経営革新等支援機関(認定支援機関)」の制度が創設され、税理士は申請すれば無条件に取得でき「肩書」にも活用していますが、これも現実として、中小企業の支援をしている認定支援機関の税理士は限定されます。
そこで、経営革新等支援機関の認定制度については、有効期間無しから有効期間5年を設け、期間満了時に改めて業務遂行能力を確認する更新制等を導入していきます。
このような背景において、中小企業経営者様は行政の中小企業支援施策を知ることで対策を打ち、税理士は税務のみから中小企業支援事業へ展開することが急務となっています。
これからは中小企業、地域金融機関、認定支援機関が三位一体となり、地域経済を豊かにしていきましょう。経営者様、または経営者を支える税理士先生にぜひ読んでいただきたい1冊です。