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銀行員は中小企業の何を見ている?【事業編】

金融機関への理解を深めご活用いただけるよう様々な角度からお伝えします。

 

事業を見ていますか? この問いに対して、しっかりと見ていますと答えられる銀行員は全体の何割いるでしょうか。

 

取引先企業に初めて訪問する時は、少なくとも業界や企業の情報を訪問前に調べていることと思いますが、(これができなければ論外)いったいどこまで深く見ているのかは、個人によって差があります。

 

情報を収集する方法として、経営者との会話は当然ですが、その会話の内容が全て正しいとは限りません。人は思い込みによって事実とは異なることを言ってしまいます。そこで、事実かどうかは、実際に自分の目で確認するしかありません。私は、工場や倉庫などの建物がある場合、必ず見学させてもらい、社長より説明をいただきます。

 

この説明は応接室では聞けない内容が多く含まれており、社長も気持ちよく話しをしてくれます。特に工場のラインで特殊性がある場合は、その会話で盛り上がり、あっという間に時間は過ぎます。

 

その会話から、ビジネスモデルや商流が見えます。また、実際に商品を手に取ったり、使ってみたり、食べたりすることもでき、取扱商品の素晴らしさを実感することができます。また、機械の稼働率などからも業績も推測できますし、ビジネスマッチングの会話になるかもしれません。

見学中に社員の働きぶりを見る

さらに、見学中に社員の働きぶりを見ることもできます。

 

この社員の働きぶりにおいて気を付けて見ていることがあります。それは、社長の横を歩いている私を見た時のあいさつです。私が誰かは分からないでしょうが、社長の知り合いであることが分かります。その時、しっかりとあいさつがある会社とない会社では、業績の差として表れています。

 

また、来客用の応接室は奇麗にしていたが、それ以外の場所は整理整頓ができていないことも発見できます。

 

仕事の成果は、基本であるあいさつや整理整頓が非常に大切なのです。

 

そして、この体験をもって取引先情報や商品情報などの業績資料を見ると、取引先名や商品名がスーッと頭に入り理解できます。

目利き力は、興味があるかないかで決まります

目利き力は、興味があるかないかで決まります。仮に個人にとって興味がない業界でも、銀行員という役割においては、興味がないものではないのです。例えるなら、自分がダイエット中でもラーメン屋の売り上げアップのためのメニュー改定を検討しなければならないのです。

 

また、企業にはライフサイクルがあります。そのサイクルの潮目を敏感に感じ取り、さまざまな提案をすることが経営者にとっても、非常に有益な情報となり、経営者も相談してみようかという気持ちが芽生え、信頼関係が少しずつでも構築されるのだと信じます。

 

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この記事の著者

  • 野上 智之

    公立大学法人北九州市立大学卒業、大手システム会社を経て、教育研修会社での新規部門立上げや西日本責任者としての実践により、収支損益の黒字化と人財育成がなければ、企業は元気にならないという強い信念のもと中小企業に特化した経営コンサルタントに転身。現在も10社を担当し各地でセミナーや研修を実施したり、地域金融機関との連携を実施。行政書士試験合格、宅地建物取引士、動産評価アドバイザー(TAA)、中小企業庁ミラサポ専門派遣登録専門家、プッシュ型事業承継支援高度化事業登録専門家(中小企業庁)、再生支援ネットワーク会議メンバー(広島)

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