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銀行員は中小企業の何を見ている?【組織編】

銀行員は、中小企業をみる時に、初めにどこをみているのでしょうか?

 

年商・業歴・業界・商品・所在地・経営者などいろいろあると思いますが、私が最初にみるところは経営理念です。

 

しかし、中小企業のホームページを見たとき、必ずしも経営理念が掲載されているとは限りません。ない場合は、なぜないのかその理由を経営者に会った時に聞くようにしています。

 

それでは、なぜそこまで大切なことだと思っているかを、「目的」と「目標」という二つの言葉を使って説明します。

 

この二つの言葉は一見似ていますが、実はまったく違う意味を持っています。

目標とは目的を達成するための過程

目標とは、あくまでも目的を達成するための過程で目指すものであり、行動などで示されたものです。つまり、目的がないのに目標だけが存在することはありえないのです。

 

そして、目標はクリアできないことも多くあります。逆に、一つの目標を達成しても、目的に近づかない場合もあります。その時は、別の目標を設定したほうが良いでしょう。

 

ここで大切なことは、目標に対して挫折したとしても、目的を見失わないことです。目標は諦めても、目的は決して諦めないものなのです。

 

このことを考えると、中小企業がこの世の中に存在する目的がないことはないので、経営理念という目的は必ずあり、共有するべきものです。

 

経営理念はどこからきているのか

そして、その経営理念はどこからきているのかというと、多くの場合は創業社長の思いからきています。

 

その思いに共感して集まった人が社員です。そのように考えると、そこで働く社員に関心がいきます。社員は、社長の考え方に共感しているのか、モチベーションは高く業務に従事しているのかなどです。それが最終的には、業績を左右するものとなります。

 

さらに、社員を動かす指揮命令は、組織として統制されているのか。そのための、組織図は作成されているのか。業務がうまくいった社員とそうでない社員を公平に評価しているのか。その評価は、昇格や昇給と連動しているのか。その評価は誰が行い偏りはないかなど、見るべきポイントはたくさんあります。

 

過去に公的資金が投入されたある金融機関の支店長がこう言われていました。

 

「これまでは中小企業の経営が悪くなった時、社長に社員の人件費削減を強く求めてきましたが、いざ、自分がその立場になった時、仕事への取り組み姿勢が薄れたことを体感しました。だから、今は社員の人件費削減については慎重に発言をしています」

 

と。経営力は社員力で決まります。

 

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この記事の著者

  • 野上 智之

    公立大学法人北九州市立大学卒業、大手システム会社を経て、教育研修会社での新規部門立上げや西日本責任者としての実践により、収支損益の黒字化と人財育成がなければ、企業は元気にならないという強い信念のもと中小企業に特化した経営コンサルタントに転身。現在も10社を担当し各地でセミナーや研修を実施したり、地域金融機関との連携を実施。行政書士試験合格、宅地建物取引士、動産評価アドバイザー(TAA)、中小企業庁ミラサポ専門派遣登録専門家、プッシュ型事業承継支援高度化事業登録専門家(中小企業庁)、再生支援ネットワーク会議メンバー(広島)

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